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羽田新ルート|江戸川区議会「20年第1回定例会」質疑応答

江戸川区議会の「20年第1回定例会」本会議一般質問(2月20日)で、羽田新ルートに関して、牧野けんじ議員(共産党)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約2千600文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

牧野:羽田空港新ルート自体の中止を求めるべき

牧野けんじ議員
牧野けんじ区議(共産、区議2期、NHK学園高校(通信制)卒、44歳)

最後に、羽田空港国際線増便新ルートの新たな課題について質問いたします。
新ルート実施に向けては、1月30日から2月5日まで、実機飛行として、羽田空港から離陸する航空機が荒川沿いのルートを初めて飛びました。

新ルート下の騒音の音量は、現在の南風悪天候着陸の時よりもやや低いレベルでしたが、朝7時から2分おきに、その後も断続的に区内上空を通過したことで、直下の小学校では、「先生の話声が聞こえづらかった」など区民の声も寄せられています。

航空機騒音は、dBで音量は測れても、音圧や音質は測りようがないという指摘もあります。航空機騒音は、空一杯に広がった音が下に降ってくるように感じるのが特徴です。

現行の南風悪天候ルートに加えて、北風時のルートは天候にかかわらず使用するため、区内通過の機数は増大し、1年中騒音が響くことになります

また、地域飛行の際は予定したルートより東側を通過していたとの指摘もあります。

加えて、南風都心新ルートでは、新たな重大な問題も発生しています。航空機が着陸に向かう降下角度が新たに3.5度とされたことについて、アメリカのデルタ航空は「安全性が社内で確認できてない」として飛行を見合わせ。エア・カナダも実機飛行の初日にカナダ当局の承認が得られてないことを理由に成田空港に目的地を変更しています。

国はこれまで3.5度としたのは騒音の軽減のためと住民に説明していましたが、大手航空会社の内部資料で米軍のいわゆる横田空域を避ける目的だったことが明らかとなりました。

部品脱落の問題も重大です。2017年から19年までの国内主要7空港での航空機の部品欠落の報告件数は917件に上っています。また、いわゆる脚出しの際の氷の塊の落下も懸念されます。

南風悪天候のときの江戸川区内通過の際は、清新町を通過してから脚出しをするよう要請していることもあり、氷なども含め落下物は報告されていませんが、新たな着陸ルート直下となる都心区では不安が高まっています。

そこで質問します。

問1:実機飛行後に分かってきた新たな課題?

第1に、新たな騒音の発生、新ルートでの区内上空の通過、都心ルートの3.5度の降下角に対するデルタ航空等の対応など、実機飛行後に分かってきた新たな課題を区長はどう受けているかをお示しください。

問2:3月29日からの新ルート実施は延期を求めるべき

第2に、実機飛行を踏まえ、騒音や経路などについて改めて国に説明会の開催を求め、3月29日からの新ルート実施は延期を求めるべきと考えますがいかがですか。

問3:羽田空港新ルート自体の中止を求めるべき

第3に、国が示した騒音対策では、江戸川区内の環境悪化への対応は不十分です。

部品脱落、氷の塊の落下などの心配も尽きません。区民の命と暮らしを守る立場で荒川沿いだけではなく、都心低空飛行も含めた羽田空港新ルート自体の中止を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

区長:新ルートの中止を求める考えはございません

斉藤猛 江戸川区長
斉藤猛 江戸川区長(1期、元江戸川区教育長、早稲田大学社会科学部卒、56歳)

羽田空港の国際線増便新ルート案についてございます。

答1:65dBをどう評価いただくか

まず、1番目に実機飛行での新たな課題ということなんですけれども、騒音の状況ですけれども、まずは、実機飛行の期間ですけれども、1月30日から2月5日の7日間、この間502便が江戸川区内を通過しております。

国の方では、第5葛西小学校で測定して、都では小松川2丁目のところで測定をしております。この2か所で(騒音測定を)やってるんですけれども、江戸川区ではさらに独自に10か所で測定をやらせていただいてます。

そういう測定の中で、1番多かったのが65dBということでございます。

この65dBというのは、街路沿いの住宅街。幹線道路になりますと70から80dBですけれども、65dBは街路沿いの住宅街のだいたい騒音の目安というかたち。それでも1番低いところ。65から75が街路沿いの住宅街というかたちになってますから。

60dBが通常の会話というかたちになってますんで、その65dBをどう評価いただくか、ということかなぁというふうに思っておるところでもございます。

私自身も実際にこの測定行きましたので、実際にその音は聞いてるつもりでございます。

ただ、騒音を低くする要請というのは、これは引き続き続けていきます。これは「騒音があっていい」ということを申しているつもりじゃありませんし、低減の要請はしていきますけども、さらにルートを外れた飛行があれば改善を要求してまいります。

都心ルートの降下角のお話ですけれども、これは適切に運用されてものと考えております。

答2:運用開始の延期を求める考えはございません

2つ目の「説明会の実施」および「3月の新ルートの実施は延期を」というご質問ですけれども、説明会の開催は要請してまいります。ただ、運用開始の延期を求める考えはございません

答3:新ルートの中止を求める考えはございません

3点目です。「国に新ルートの中止の要望を」ということでございます。こちらにつきましても新ルートの中止を求める考えはございません

ただ、引き続き騒音と落下物がやはり心配だと思ってますから、騒音の低減について、また落下物の対策、またそういった住民への説明というのは引き続き求めてまいりたいというふうに思っております。

牧野:大事態だと受け止めていただきたい

羽田の問題についてですが、都心の3.5度については、国際操縦士協会というところも懸念を表明しています。

これまでの「羽田空港のこれから」という(ホームページの)なかで何の不安もないかのようにバラ色で描いてきましたけれども、こういう前提が崩れたと思うんですね。この事態を重大と受け止めていただきたいんです

もう一度、「安全性が確認できない」というふうにデルタ航空もいってるわけだし、パイロットさん達も懸念をしているということを受けて、重大事態だと受け止めていただきたい。もう一度、ご答弁をお願いいたします。

区長:先ほどお答えした通り

飛行機の件なんですけれども、これはもう先ほどお答えした通りでございまして、それ以上のぶんはございません。

牧野:羽田新ルートを見直すよう強く求めたい

羽田の問題についてはやはり、区内でも改めて葛西の方もそうですし、従来の南風悪天候時についても、いま関心がかなり高まっていて、それに初めて気づいたというような方もおられます
こうした立場からやはり抜本的にこの羽田新ルートを見直すよう強く求めたいということを申し上げて終わります。

雑感(不毛なやり取り…)

実際に乗客を乗せた旅客機を使った飛行試験(実機飛行確認)という新たなトッピクスが加わったものの、議員からの中止や延期を求める訴えに対して、中止や延期の考えはないと突っぱねる区長とのやり取りは、「19年第2回定例会」本会議一般質問(6月20日)での大橋美枝子議員(共産党)とのやり取りと何ら変わりはない。

他の区議会でもさんざん観測された不毛なやり取りのまま、羽田新ルートの運用開始(3月29日)を迎えるのか……。

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