不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


羽田新ルート|足立区議会「20年第1回定例会」質疑応答

足立区議会「20年第1回定例会」本会議の代表般質問(2月21日)で、羽田新ルートに関して、浅子けい子議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約600文字)しておいた。


質疑応答のポイント

浅子議員:区として撤回を求めるべき

浅子けい子議員
浅子けい子議員(共産、区議4期、法政大学第Ⅱ部教育学科卒、67歳)

次に、都心を低空飛行する羽田新飛行ルートの実機による確認試験飛行が1月30日から行われ、離着陸時に区内上空を通過しました。

「足立区は高度が高いため、影響は少ない」との説明でしたが、多い時には2分に1機もの飛行に、地域の方から「こんなに近くに見えて怖い」「うるさい」という苦情が相次ぎました。

都心や人口密集地の上空飛行は、墜落事故や落下物事故が起きれば人や建物が深刻な被害を受ける危険性が高く、反対運動も起きています。

世界の大空港は、環境と安全を守るため、郊外や洋上に建設するのが主流であり、安全確保、騒音防止、地域との共存を重視する世界の流れに逆行しています。

都民の了承もなく羽田新ルートは都民の安全を脅かすもので、区として撤回を求めるべきと思うがどうか。

都市建設部長:撤回を求める考えはございません

都市建設部長
都市建設部長

私からはまず、羽田空港飛行ルートの変更についてお答えいたします。

「羽田新飛行ルートは、都民の安全を脅かすものであり、区として撤回を求めるべき」とのご質問でございますが、平成26年度から国と関係自治体が意見交換を行い、国に対して区民への丁寧な情報発信や騒音・落下物対策の強化等について要請してまいりました。

国においては、住民説明会の実施や、低騒音機の導入促進、落下物防止対策基準の義務付けなど、これまで総合的な対策に取り組んでおります。

今後についても区民からの要望を聞きながら国へ改善を求めてまいりますので、区として飛行ルート変更の撤回を求める考えはございません

雑感(お馴染みのコント)

ここ足立区でも「撤回を求めるべき」「撤回を求める考えはございません」という、お馴染みのコントが演じられている。

足立区議会の会議録検索システムで調べてみると、過去の定例会本会議の代表・一般質問で羽田新ルートが取り上げられたのは、次の2件だけだったことが確認できる。

  • 18年第3回定例会(9月21日)針谷みきお議員(共産)代表質問
  • 14年第3回定例会(9月22日)鹿浜昭議員(自民)代表質問

ことさように足立区議の羽田新ルートへの関心は低い。

 

「足立区は高度が高いため、影響は少ない」というが、足立区上空を通過するC滑走路出発ルートは、北風時(全体の約6割)、午前(7時~11時半)・午後(15~19時、うち3時間)の時間帯で1時間当たり23回(2分36秒ごと)運用されることになっている。

C滑走路出発ルートは、荒川に沿いながら江東・江戸川区境上空を通過し、墨田・葛飾区境を「約4,500~10,000ft(約1,370~3,000m)」の高度で通過。さらに足立区を「約6,000ft(約1,830m)以上」の高度で通過する計画となっている(次図)。

国交省が公開している飛行騒音データによれば、大型機777-300の離陸時の飛行高度6,000ft(1,830m)の地上での騒音レベルは69dB。けっして小さいわけではない

墨田・葛飾・足立区を対象とした飛行経路図がない
羽田新ルート|墨田・葛飾・足立区民にも影響」より

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.