不動産経済研究所は1月22日、「首都圏マンション市場動向2019年(年間のまとめ)」を発表。
- 年間供給は15.9%減の3万1,238戸と3年ぶりの減少。初月契約率は62.6%とわずかにアップ。
- 平均価格は1.9%上昇の5,980万円、m2単価は1.2%上昇の87.9万円。単価のアップは7年連続。
発表資料は数字の羅列で分かりにくい。そこで同研究所が過去に発表した資料も交え、過去18年間の「首都圏新築マンション市場動向」を可視化してみた。
ざっくり言うと
上昇傾向にあった23区の単価が1.3%下落
23区の分譲価格は、07年のピーク(6,120万円)から漸減したあと、12年をボトム(5,283万円)に上昇し、17年に7千万円を突破。
首都圏の分譲価格も、ほぼ同様の傾向で、19年には6千万円に迫る。
m2あたりの単価でみると、23区は、13年以降上昇傾向にあったが、19年に1.3%下落。首都圏は、13年以降上昇し続けている(次図)。
上図に示した「分譲価格」と「m2単価」から、「専有面積(=分譲価格÷m2単価)」を逆算し、グラフ化してみると興味深い事象が見えてくる。
10年間でより狭く、より高くなった
23区のデータをもとに、横軸に「専有面積」、縦軸に「分譲価格」で描いたのが次のグラフ。
- 07年~09年は、面積が小さくなり価格が低下。
- 09年~14年は逆に、面積が大きくなり価格が上昇。
- 14年~18年は、面積は小さくなるが価格は上昇するという、マンション購入者にとっては最悪の状況。
- 19年は、面積が若干大きくなり価格が若干上昇。
ザックリいえば、23区の新築マンションはこの10年間で狭くなったのに、分譲価格は1千万円以上、上昇しているのである。
首都圏においても、23区と概ね同じような傾向である(次図)。
13年以降、5千万円以下の供給戸数が激減
発売価格が上昇し始めた13年以降の、価格帯別発売戸数の変化を可視化したのが次図。
ザックリいえば、5千万円以下の供給戸数が激減しているのである。
庶民が新築マンションを買うのが年々厳しくなってきている状況であることが一目瞭然であろう。
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