国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に1月17日、「実機飛行確認の実施について」が公開された。
羽田新ルートの騒音影響を把握するために、新たに航空機騒音測定局が18か所設置されるという。
実機飛行による確認に併せて、新飛行経路の運用に伴う騒音影響の実態を把握するとともに、情報提供を行うため、新たに航空機騒音測定局を設置する18箇所において、調整中の騒音測定局とは別に臨時で航空機の騒音測定を行います。
測定結果については、測定日の翌営業日に速報結果、測定日の概ね3日後に詳細な測定結果をホームページで公表します。
測定局、ルート直下と呼べるのは5か所くらい
新たに設置される航空機騒音測定局(18か所)は、羽田新ルートに沿って配置されているように見える(次図)。
18か所のうち、南風時に都心上空を通過して羽田空港に到着するルート沿いの測定局は15か所。
これら15か所は、ルート直下からどのくらい離れているのか調べてみた(次図)。
ルート直下と呼べるのは、15か所のうち、次の5か所くらい。
- 川口市立八幡木中学校(30m)
- 豊島区立千早小学校(90m)
- 南部下水道事務所品川出張所(90m)
- 北区立袋小学校(120m)
- 板橋区立赤塚第二中学校(170m)
大田区立大森第五小学校は、A滑走路到着ルートから1.2kmも離れている。この付近を通過するルートの飛行高度は210mだから、航空機騒音よりも、100mも離れていない第一京浜(国道15号)の暗騒音の影響のほうが大きそうだ。
測定局近傍の騒音レベル(推定)
羽田新ルートの実運用に先立ち、1月30日から3月11まで、実機による試験飛行が実施される。首都圏民はそのとき初めて、頭上を通過する大きな機影や航空機騒音を体感することになる。航空機騒音測定局で得られたデータについては、翌営業日に速報結果が公表されることになっている。
実際にどの程度の値になるのか、騒音レベル(推定)を整理しておいた。
到着ルート
南風時、都心上空を通過する到着ルート沿いの測定局(15か所)近傍の騒音レベル(推定)は、最も大きいものでも76dB(南部下水道事務所品川出張所)という結果となった(次表)。
今後国交省が公表する測定結果が76dBを大きく上回るようであれば、国交省がこれまで説明してきた騒音値がいい加減であったということになるのかもしれない。
※各騒音測定局近傍の騒音レベルの推定方法については、「羽田新ルート|自分が住んでいる場所の騒音レベルを簡単に知る方法 」参照。
出発ルート
出発ルート(北風時2か所、南風時1か所)沿いの測定局近傍の騒音レベル(推定)を次表に示す。
南風時に荒川沿いを北上する出発ルート沿いにある江戸川区立第五葛西小学校の騒音レベル(推定)は、最大でも76dBという結果となった。今後国交省が公表する測定結果が76dBを大きく上回るようであれば、国交省がこれまで説明してきた騒音値がいい加減であったということになるのかもしれない。
国交省は飛行高度1000ft(約300m)と8000ft(約2400m)の騒音レベルを公開していないので、同高度直下の推計値は「※1」(=不明)とした。
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