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不動産業 業況等調査(19年10月)|販売価格は高止まりのまま

土地総合研究所は11月21日、「不動産業業況等調査結果(19年10月実施)」を発表。

販売価格は高止まりのままであるが、成約件数・モデルルーム来場者数ともに上昇に向かっている。


もくじ

住宅・宅地分譲業(調査結果)

  • モデルルーム来場者数」の指数は、前回から 6.3ポイント上昇し -25.0ポイントとなった。2期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。

  • 成約件数」の指数は、前回から 12.9ポイント上昇し -9.6ポイントとなった。2期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。

  • 在庫戸数」の指数は、前回から 3.9ポイント上昇し 27.8ポイントとなった。平成21年4月調査以降43期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。

  • 販売価格の動向」の指数は、前回から 0.6ポイント下落し 20.6ポイントとなった。平成24年7月調査以降30期連続して上昇したとする回答が下落したとする回答を上回っている。

「住宅・宅地分譲業」の変化を可視化する

これだけではよく分からないので、長期的なトレンドを可視化すべく、過去の発表資料もひも解き、「販売価格の動向」「在庫戸数」「成約件数」「モデルルーム来場者数」それぞれの指数を可視化してみた(次図)。

モデルルーム来場者数などの動向 (三大都市圏・地方主要都市の住宅・宅地分譲業)

折れ線の動きが激しくて、分かりにくい。

販売価格は高止まりのまま

そこで、近似曲線(5次の多項式近似)を重ねてみた(次図)。

モデルルーム来場者数などの動向 (三大都市圏・地方主要都市の住宅・宅地分譲業)

上図から読み取れる長期的なトレンドは次の通りである。

  • 「販売価格」指数、約10年周期の下降入りせず、高止まりのまま。
  • 「成約件数」指数は上昇傾向。「モデルルーム来場者数」指数も上昇に向かう
    「成約件数」の指数は上昇(プラス)傾向。「モデルルーム来場者数」も、上昇に向かっている。
  • 「在庫戸数」指数、減少したとする傾向が低下
    43期連続して減少(プラス)だが、在庫が減少したとする傾向が低下している。

つまり、販売価格は高止まりのままであるが、成約件数・モデルルーム来場者数ともに上昇に向かっている。

参考メモ(各指数の定義)

この調査は、毎四半期(1月、4月、7月、10月)、三大都市圏と地方主要都市で不動産業を営む業者に対して郵送またはEメールにてアンケート形式で実施されている。今回の調査は138社を対象(うち住宅・宅地分譲業は45社、回収数34社・回収率75.6%)。

各指数の定義は次のとおり。

  • 販売価格の動向、成約件数、モデルルーム来場者:
    {増加(上昇)したとする回答数-減少(下落)したとする回答数}÷全回答数×100
  • 在庫戸数:
    {減少したとする回答数-増加したとする回答数}÷全回答数×100
  • 「横ばいである」「変わらない」の回答は、0として算定(-100~+100、0が判断の分かれ目)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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