不動産経済研究所は2月20日、「全国マンション市場動向2018年(年間のまとめ)」を発表。
全国発売は3.7%増の8万256戸。2年連続の増加で2014年以来の8万戸台に。
首都圏3.4%増、近畿圏7.1%増、東海・中京圈7.6%増など大都市圏が増加。
平均価格は4,759万円。前年比20万円・0.4%アップで再び最高値を更新。
不動産経済研究所が発表した資料には、過去10年間の全国のマンションの発売戸数や価格などのデータが表形式で掲載されている。最近の新築マンションの市場動向を知るための貴重な情報が満載だが、いかんせん数字の羅列なので直観的に理解しづらい。
マスコミ情報では物足りない人のために、過去に発表されたデータも含め、首都圏のデータを中心に可視化(グラフ化)したうえで、考察を加えてみた。
発売戸数の動向
首都圏発売戸数:3年連続で4万戸を下回る(00年代前半の半分以下)
首都圏の発売戸数は、ワイドスパンで見ると06年(耐震偽装事件発覚の翌年)以降、減少傾向にある(次図)。消費税増税前の需要先食いで13年に増加するが、減少傾向に歯止めは掛かっていない。
3年連続で4万戸を下回る。00年代前半(8~9万戸)の半分以下。
23区発売戸数:2年連続1.6万戸。消費税増税前の水準(2万戸)に戻らず
23区の発売戸数も、ワイドスパンで見ると06年(耐震偽装事件発覚の翌年)以降、減少傾向にある(次図)。消費税増税前の需要先食いで13年に増加するが、減少傾向に歯止めは掛かっていない。
2年連続で1.6万戸。消費税増税前の水準(2万戸)には戻っていない。
価格の動向
首都圏の平均価格:13年以降上昇、6千万円目前に鈍化
首都圏の平均価格は、13年以降上昇傾向にあったが、6千万円目前に鈍化(次図)。
また、首都圏の平均単価のほうも、13年以降上昇傾向にあったが、鈍化。
23区の平均価格:13年以降上昇、17・18年鈍化
23区の平均価格も、13年以降上昇傾向にあったが、17・18年は鈍化(次図)。
23区の平均単価:13年以降上昇、18年114万円に
23区の平均単価は、13年以降上昇傾向にあり、17年は113.8万円に到達(次図)。
10年間でより狭く、より高くなった
23区のデータをもとに、横軸に「専有面積」、縦軸に「分譲価格」で描いたのが次のグラフ。
- 07年~09年は、面積が小さくなり価格が低下。
- 09年~14年は逆に、面積が大きくなり価格が上昇。
- 14年~18年は、面積は小さくなるが価格は上昇するという、マンション購入者にとっては最悪の状況。
ザックリいえば、23区の新築マンションはこの10年間で狭くなったのに、分譲価格は1千万円以上、上昇しているのである。
首都圏においても、23区と概ね同じような傾向である(次図)。
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