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都議会、羽田新ルートを推進する陳情のみ採択

19年第1回定例会の都市整備委員会(2月15日開催)で、目黒区民から提出された羽田新ルート推進に係る陳情が採択された。そのときの議事録が5月30日に公開されたので整理しておいた。


もくじ

都議会で羽田新ルートを推進する陳情のみ「趣旨採択」

19年第1回定例会の都市整備委員会(2月15日開催)の議事録が5月30日、やっと公開された(3か月半も要している!)。

同委員会では、羽田新ルートに係る請願・陳情4件が審査された。請願・陳情4件のうち、3件は計画の撤回や中止、教室型説明会を求める請願・陳情。1件だけが羽田空港の機能強化を求める陳情だった。

筆者が注目していたのは、この羽田新ルート推進に係る陳情(30第94号、下記朱色)だけが「趣旨採択」になったことだ(あとの3件は不採択)。

  • 30第42号 国に羽田空港増便による都心低空飛行計画の撤回を求めることに関する請願
  • 30第43号 国に新都心低空飛行ルートの「教室型説明会」の開催を求めることに関する請願
  • 30第94号 羽田空港の機能強化等並びに新飛行経路における情報公開及び説明責任に関する陳情
  • 30第112号 羽田空港の国際線増便計画に伴う都心上空の低空飛行の中止に関する陳情


※「趣旨採択」とは、請願、陳情の願意は妥当であるが、その実現性について、当分の間は不可能である場合、「趣旨には賛成である」という意味の議決をいう。

趣旨採択された陳情内容

第1回定例会提出議案と議決結果として、今回趣旨採択された陳情(30第94号)文書が公開されている。

実現していただきたいこととして、「一層の推進を図ること」が掲げられている。

(願意)
都において、次のことを実現していただきたい。
  • 1 国と連携し、羽田空港の機能強化とこれに係る新飛行経路について、一層の推進を図ること
  • 2 羽田空港の新飛行経路の必要性を伝えると同時に、住民説明会など積極的な情報公開及び説明責任を果たすこと。

また、提案理由として、東京2020大会の成功のためには、機能強化策が必要不可欠であるとしている。

(理由)

(前略)羽田空港では、昼間時間帯において処理能力の限界までダイヤが設定されており、東京2020大会の成功のためには、この機能強化策が必要不可欠なものであることは自明である。
 都は、東京2020大会の開催地として、国と協力して羽田空港の機能強化を図っていくべきである。(以下略)

趣旨採択時の各会派の意見表明内容

まず、目黒区から選出された伊藤ゆう都議(都民F)の発言をピックアップしておこう(陳情者は、目黒区の工藤真実氏)。

新谷航空政策担当部長(←説明者)
陳情30第94号、羽田空港の機能強化等並びに新飛行経路における情報公開及び説明責任に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、目黒区の工藤真実さんでございます。陳情の要旨は、(以下略)。

伊藤委員
(前略)今、どういう説明の仕方をしているかというお話をしていただきましたが、まだ都民の皆さんの中には、事業主体が国なので、都がどれほどかかわってくれるのか、寄り添ってくれるのかということに対して半信半疑の方も多いかと思います。
 今までの取り組みに加えて一層丁寧に、そして積極的に、都として国に対して説明を促すとか、あるいは説明の仕方についても都民のさまざまな意見を国に伝えるなど、働きかけを強めていただきたいと思います。(以下略)

 

以下、都民F以外の会派の意見表明をピックアップ。

神林委員(自民)

(前略)我が党といたしましては、前回同様、これからの航空機の必要性とともに、従来より騒音対策や落下物対策、地元住民への情報提供や説明などの対策に万全を期すとともに、特に地元地域については、過去の移転への経緯を十分に理解した上で、地元の意向にも可能な限り対応することを強く要望してきており、(中略)今後とも引き続き住民の不安が払拭されるよう、こうした取り組みを全力を持って進めていくことを改めて要望して、私の意見表明といたします。

けいの委員(公明)

(前略)地域住民のさまざまな声に丁寧に応えていくと同時に、都民への情報提供を行うことを強く要望し、意見といたします。

曽根委員(共産)

(前略)十分な説明を求める陳情や、また新空路の撤回、見直しを求める請願陳情には、私は、この議会として採択をすべきだし、逆に推進の立場の陳情には不採択を求めておきたいと思います。

奥澤委員(無所属)

(前略)国に対して要望するにとどまらずに、東京都として何ができるのかを考え続け、また実行し続けていきたいということを強く要望しまして、意見表明といたします。

採決の結果、賛成者起立多数(自公、都民F)で趣旨採択と決定した。

雑感(民意は羽田新ルート推進!?)

都議会議員の紹介を必要とするのが「請願」で、都議会議員の紹介のないものは「陳情」。今回、目黒区民から提出された羽田新ルートの推進要望は、都議会議員の紹介を要しない「陳情」。

ポンと出された羽田新ルート推進の陳情が賛成者多数で採択された。

共産だけが反対しても多勢に無勢。無所属の奥澤高広都議(19年1月7日付で都民F離党)の賛否はどうだったのか。

自分ファーストな都議が議会の4割を占めているうちは(次図)、羽田新ルートにブレーキが掛かる可能性は低い。

都民の民意が羽田新ルート推進にあるとは思えないのだが……。

パワーバランス(都議会)

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