国土交通省は4月26日、「平成30年度マンション総合調査結果」を公表。
同調査は、全国の管理組合や区分所有者のマンション管理の実態を把握するため、約5年ごとに実施されている。今回の調査対象者は、1,688管理組合(回収率40.2%)、3,211区分所有者(回収率38.2%)。
調査結果報告書はデータ編も含めると393ページとかなりのボリュームになるので、忙しい皆さんに代わって、マンション管理の現状を可視化してみた。
古いマンションほど賃貸化・空室化が進行
18年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど賃貸住戸数の割合が高くなる傾向が見られる(次図)。
89年以前のマンションの賃貸戸数「20%超」の割合は3割を超えている。
また、完成年次が古いマンションほど空室戸数の割合が高くなる傾向が見られる(次図)。
89年以前のマンションの空室戸数「0%超~20%」の割合は5割を超えている。
古いマンションほど修繕積立金が高くなる
現在の修繕積立金の平均値を完成年次別に示したのが次図。
完成年次が古くなるほど修繕積立金が高くなる傾向が確認できる。
※上記の修繕積立金には、使用料(駐車場使用料等)・専用使用料からの充当額は含まれていない。
古いマンションほど滞納住戸が増える
管理費・修繕積立金の滞納状況についても可視化しておこう。
完成年次が古いほど滞納住戸が「ある」マンションの割合が高くなる(次図)。
賃貸化と空室化が進むと、合意形成が困難になり、管理組合が機能不全になる可能性が高くなる。管理組合が機能不全になると、適切な維持管理ができなくなるので、経済的に余裕のある人は二束三文で住戸を売却して出ていく。
あとに残されるのは滞納者。そしてマンションのスラム化が進む……。
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