首都圏不動産公正取引協議会が「おとり広告」などの撲滅を強力に推進するためとして、違反者に対して不動産情報サイトへの広告掲載を1か月以上停止する「厳重警告及び違約金課徴の措置」を始めたのは17年1月。このブログではそれ以来毎月、同措置の結果が「公取協通信」に掲載されるたびに、定量的な分析記事を投稿している。
同協議会が3月6日に発行した「公取協通信第288号(平成30年3月号)」に2月度の厳重警告・違約金の措置が掲載されている。
ざっくり言うと
- 【措置対象業者】1月の違反も5社
- 【サイト別】4サイトに1件づつ違反広告
- 【内容別】おとり広告4件、表示基準違反2件、…
- 【免許更新回数別】5社のうち3社が1回
- 【悪質事例】架空物件をSUUMOに掲載!
【措置対象業者】1月の違反も5社
昨年の1月からスタートした「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象業者は、毎月5社前後で推移している。
「なぜ、毎回5社前後なのか」という突っ込みはさておき、今回も5社(次図)。ただし、1社から当該措置に対して異議申立てがあったとして、4社のみ掲載されている。
※17年8月の調査結果は、公取協通信「第282号(9月号)」に掲載されていない。
【サイト別】4サイトに1件づつ違反広告
今回公開された4社の広告が掲載されていたのは、4つのサイト(自社HP、スーモ、ライフルホームズ、アットホーム)。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象をサイト別にみると、自社ホームページとスーモ(SUUMO)が多い(次図)。
【内容別】おとり広告4件、表示基準違反2件、…
今回はおとり広告4件、表示基準違反2件、特定事項の明示義務違反2件、そのほか4件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を内容別にみると、「おとり広告」と「取引条件の不当表示」が多い(次図)。
【免許更新回数別】5社のうち3社が1回
今回公開された4社のうち3社の免許更新回数が2回以下。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を免許更新回数別にみると、1~2回の業者が多い(次図)。
免許更新回数が1回の業者が多いのは、屋号を変えてアコギな商売を繰り返しているということか……。
【悪質事例】架空物件をSUUMOに掲載!
C社は実際には取引できない架空物件を5件、SUUMOに掲載していた。
C社(神奈川県足柄上郡所在/免許更新回数(2))
◇おとり広告(架空物件)
◇間取りタイプの不当表示
- 表示にかかる物件は存在していないため、実際には、取引できないもの(5件)。※ 物件を特定できる資料等を有していなかったもの。
(以下略)
- 「4LDK」→ 2LDK+納戸2室(1件)
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