10月29日の衆議院本会議の代表質問で玉木雄一郎議員(国民民主)が日米地位協定の改定と関連して、羽田新ルートに触れていた。
ネット中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約900文字)しておいた。
玉木議員:政治的立場を超えて、地位協定の改定に踏み出す時
玉木雄一郎議員(国民民主、4期、東大卒、49歳)
まず、日米地位協定について伺います。
沖縄県知事選挙で当選された玉城デニーさんだけでなくて、与党の皆さんも推薦された佐喜眞候補も日米地位協定の改定を公約に掲げていました。
日米地位協定は、イタリアやドイツの地位協定と比べても、日本の主権や国内法の適用が広く制限されています。日米地位協定が、わが国の主権や国内法よりも上位にある。異常な状態です。
実際、今年1月に相次いだ米軍機のトラブルを受け、防衛省は普天間基地への自衛官の派遣を要請しました。しかし、8か月以上いまに至るまで、この派遣が拒否されたままです。
また東京オリンピックや増加する外国人のインバウンドに対応するため、羽田空港への新しい飛行ルートの開設協議が行われてきましたが、いわゆる横田区域を通過するため、米軍に拒否されたまま開設の見込みが立っていません。
議場の同僚議員の皆さん、こんなおかしなことはそろそろ止めにしませんか。独立国とは言えない惨めな状況を改めずして、総理のいう「新たな国づくり」などできるはずありません。
国民民主党は年内をめどに、地位協定改定の具体案をまとめます。今こそ与党、野党といった政治的立場を超えて、地位協定の改定に踏み出す時です。総理の決意を伺います。
安倍総理:日米間の様々な課題について政府としてしっかりと取り組んでまいります
安倍晋三内閣総理大臣(自民、9期、成蹊大卒、64歳)
日米地位協定についてお尋ねがありました。
日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として事案に応じて最も適切な取り組みを通じ、具体的な問題に対応してきています。安倍政権のもとでは環境および軍属に関する2つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのことであります。
また、たとえば、日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人、軍属の拘禁についても日米合意に基づき、実際に起訴前に日本側への移転が行われてきています。
今後とも、このような目に見える取り組みを一つひとつ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。
いずれにせよ、日米地位協定を含めた日米間の様々な課題について政府としてしっかりと取り組んでまいります。
雑感
”国営放送”NHKが10月4日に「羽田空港 新飛行ルート 日米の調整難航で運用できないおそれ」と報じ、その1か月後(11月4日)に”自民党広報紙”読売新聞だけが「横田空域の管制権、一部日本移譲…米軍と合意へ」と報じた。
玉木議員が代表質問に立ったのは10月29日だから、政府はこの時点ですでに羽田新ルートの運用につき、米軍との調整がついたことを知っていたということはないのか。
それにしてもなぜ、なぜ読売がこの時期に米軍合意報道を流したのか意図不明……。
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