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マンション外壁タイル「施工上の不良の判定目安」とは

マンションの外壁タイルの浮き・剥落につき、施工不良によるものなのか、劣化によるものなのかの見極めは難しい。
外壁トラブルが急増するなかで、大阪地方裁判所判事の論文に「施工上の不良の判定目安」が示されているという。


もくじ

マンション外壁トラブル急増、業者相手に訴訟も(読売)

施工不良と劣化の見極めは難しい。高嶋卓裁判官は法律雑誌の17年9月号で、判断基準の目安を公表したという。

マンション外壁トラブル急増、業者相手に訴訟も

マンションの外壁が剥がれたり、ひび割れたりしてトラブルになるケースが増えている。住宅紛争を扱う団体には、2016年度に約160件の相談があり、約10年間で3.5倍に急増。コストを抑えるための工程簡略化などが原因とみられ、築年数の浅い物件で、住人が業者相手に訴訟を起こすことも多い

(中略)
施工不良と劣化の見極めは難しい。建築部にいた高嶋卓裁判官は法律雑誌の17年9月号で、判断基準の目安を公表。建築士らと検討を重ねた結果として、築年数に応じ、施工不良が疑われる外壁の破損割合を▽施工5年超から10年以内は3%以上▽15年までは5%以上――などと示している。

(読売新聞 8月23日)

高嶋卓裁判官の論文(判例タイムズ)

判例タイムズ 1438号(2017年9月号)をひも解くと、高嶋卓大阪地方裁判所判事の論文「外壁タイルの瑕疵と施工者の責任」が22頁にわたって掲載されている(写真)。

高嶋卓裁判官の論文

法律家の書く文章を読み慣れていない人にとっては、けっこうヘビーな内容である。

論文構成(下記)には、たしかに「判定目安」が掲げられている。

1 問題の所在(第1)
2 外壁タイルの基本と諸情勢(第2)
 ① 工法と仕組み
 ② 外壁タイルの浮き・剥落とは何か
 ③ 調査方法
 ④ 原因
 ⑤ 施工技術・法令等の変化
3 平成19年最判・平成23年最判(第3)
4 基本的安全性に係る注意義務違反(第4)
 ① 浮き・剥落と注意義務違反の考え方
 ② 判定時点
 ③ 判定目安
5 基本的安全性を損なう瑕疵(第5)
6 損害論(第6)
7 事例紹介(第7)
8 結び(第8)

 

外壁タイルの瑕疵問題について高い関心を有する20名の1級建築士である民事調停委員の参加を得た勉強会で実施したアンケート結果などから、湿式工法による外壁タイルに係る施工不良の推認の目安が決められていることが分かる。

イ 上記アの(イ)につき施工上の不良がどのような場合に推認されるかを検討するため、調停委員勉強会に関して実施したアンケートに対する回答として、施工後(建物の竣工後又は外壁改修後)の期間と施工不良を推認させる外壁タイルの全施工面積に対する浮き・剥落の割合の関係について回答を得たところ、参加者からの回答の結果は別紙2の「問題4(2)【瑕疵判折の基準】」欄記載のとおりであった。参加者の回答の内容にはばらつきがあるが、同種事案の安定的な解決という観点から、これらの回答に加えて調停委員勉強会での意見交換の内容等も踏まえて検討すると、湿式工法による外壁タイルに係る施工不良の推認の目安を次のとおりとするのが相当と考えられる(文末別表参照)。(P59)

施工上の不良の判定目安

文末別表に示された「施工上の不良の判定目安」とは次表のとおりである。

たとえば、10年目に実施される外壁調査で、外壁タイルの浮き・剥離が全施工面積に対して3%以上である場合には施工不良があったものと推認されることになる。

施工上の不良の判定目安

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