国交省が初めて実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の結果が朝日新聞の1面を飾った。
(朝日新聞1面 5月12日)
マンション修繕、割高契約に注意(朝日記事)
国交省は5月11日、マンションの大規模修繕工事の調査結果を公表。
費用の目安を情報提供し、トラブルを未然に防ぐ狙いがあるという。
マンション修繕、割高契約に注意 国交省「相場」を公表
マンションの大規模修繕工事の際、割高な代金で契約させられるなどトラブルが相次いでいることから、国土交通省は各地の工事を調査し、11日に結果を公表した。
調査対象は過去3年間に施工された944事例で、1戸あたり「75万~100万円」が31%で最も多く、「100万~125万円」が25%、「50万~75万円」が14%と続いた。
同省のこうした調査は初めて。費用の目安を情報提供し、トラブルを未然に防ぐ狙いがある。(以下略)(朝日新聞 5月12日)
「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の中身
国交省が5月11日に発表した報道資料は、「マンション大規模修繕工事に関する実態調査を初めて実施」。
リンク先をたどっていくと、「マンション大規模修繕工事に関する実態調査(PDF:5.8MB)」に行き当たる。
パワーポイント形式で全26頁。次の4項目から構成されている。
- マンション大規模修繕工事に関する実態調査について
- 大規模修繕工事について
- 大規模修繕工事の設計コンサルタント業務について
- マンションの戸数規模別の集計
この調査がスゴイのは、「直近3年間に受注したマンション大規模修繕工事に関する設計コンサルタント業務の実績を有する企業」(2,352社)を対象としてアンケートを配布し、項目の回答がすべて得られた134社・944件という大規模なデータにより分析を行っていること。
読者の興味を引きそうな項目3つ、以下に抜粋、紹介しよう。
大規模修繕工事:1回目は「築13~16年前後」
大規模修繕工事は、築何年で実施されているのか?
1回目は「築13~16年前後」という分析結果だ。
大規模修繕工事は概ね1回目は築13~16年前後、2回目は築26~33年前後、3回目以上は築37~45年前後の時期で実施されている。
(P4)
上図はゴチャゴチャして分かりにくいので、”マン点流”に書き換えたのが次図。
大規模修繕が実施される時期を、中央値と上位・下位25%で表現してみた。たとえば、1回目の中央値は14年。
大規模修繕工事、1戸あたり75万円~100万円が全体の3割
大規模修繕工事の1戸あたりの工事費はいくらくらい掛かっているのか?
1戸あたり75万円~100万円が全体の3割を占めているという分析結果だ。
大規模修繕工事の戸あたり75万円~100万円は30.6%、戸あたり100万円~125万円は24.7%、戸あたり50万円~75万円は13.8%となっている。
(P6)
上図もゴチャゴチャして分かりにくいので、”マン点流”に書き換えたのが次図。
大規模修繕の回を重ねるほど安くなる(98.7→95.6→77.3)という結果だ(古くなるほど修繕工事費が増えそうなものだが、逆の結果となっている)。
マンション規模ごとに情報整理
実態調査の資料には、マンションの規模ごとに、「大規模修繕工事金額」「大規模修繕工事対象範囲」「設計コンサルタント業務量」「設計コンサルタント業務実施期間」のグラフが1枚にまとめられている。
「20戸以下」~「301戸以上」まで、全部で9区分。
たとえば「301戸以上」の場合次図のとおりだ。
(P26)
これからマンションの大規模修繕工事の計画をはじめようという管理組合関係者は必読!
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