首都圏不動産公正取引協議会が「おとり広告」などの撲滅を強力に推進するためとして、違反者に対して不動産情報サイトへの広告掲載を1か月以上停止する「厳重警告及び違約金課徴の措置」を始めたのは17年1月。このブログではそれ以来毎月、同措置の結果が「公取協通信」に掲載されるたびに、定量的な分析記事を投稿している。
同協議会が8月7日に発行した「公取協通信第293号(平成30年8月号)」に7月度の厳重警告・違約金の措置が掲載されている。
ざっくり言うと
- 【措置対象業者】7月の違反4社
- 【サイト別】ヤフー不動産2件、ほか2件
- 【内容別】おとり広告4件、取引条件の不当表示3件、…
- 【免許更新回数別】4社のうち3社が2回以下
- 【悪質事例】おとり広告、8か月以上更新を繰り返すなど
【措置対象業者】7月の違反4社
17年1月からスタートした「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象業者は、毎月5社前後で推移している。
「なぜ、毎回5社前後なのか」という突っ込みはさておき、今回は4社(次図)。
※17年8月の調査結果は、公取協通信「第282号(9月号)」に掲載されていない。
【サイト別】ヤフー不動産2件、ほか2件
今回4社の広告が掲載されていたのは、ヤフー不動産2件、ほか2件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象をサイト別にみると、自社HP、スーモ(SUUMO)、ライフルホームズが多い(次図)。
【内容別】おとり広告4件、取引条件の不当表示3件、…
今回はおとり広告4件、取引条件の不当表示3件、家賃保証に関する不当表示3件、取引内容の不当表示2件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を内容別にみると、「おとり広告」と「取引条件の不当表示」が多い(次図)。
【免許更新回数別】4社のうち3社が2回以下
今回は、4社のうち3社の免許更新回数が2回以下。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を免許更新回数別にみると、1~2回の業者が多い(次図)。
【悪質事例】おとり広告、8か月以上更新を繰り返すなど
D社のおとり広告はいずれも悪質。取引できないにもかかわらず、8か月以上更新を繰り返すなど。
D社(豊島区所在/免許更新回数(1))
◇おとり広告
- 広告時点において資料を有しておらず、物件を特定することができないため、物件が存在するか否かにかかわらず取引できないもの(3件)
◇おとり広告(契約済物件)
- 新規に情報公開後に契約済み又は貸し止めとなり、取引できないにもかかわらず、更新を繰り返し、広告時点まで長いもので8か月以上、短いものでも29日間継続して広告(3件)
◇おとり広告
- 「賃料 4.5万円」、「定期借家 3ケ月」、「再契約可(再契約後条件変更有」等と記載し、3か月間の定期借家契約終了後、再契約は任意であるかのように表示 ⇒ 賃料83,000円、2年間の普通建物賃貸借として再契約することが取引の条件であり、再契約しない場合は、249,000円の違約金が発生するもの(以下略)
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