不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、不動産(マンション購入・賃貸)に係る分析記事を提供しているブログメディア

羽田新ルート|港区議会「第2回定例会」質疑全文

港区議会の「平成30年第2回定例会」本会議の一般質問(6月13日)で、阿部浩子議員(みなと政策会議)と、いのくま正一議員(共産党議員団)から「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約4千5百文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新飛行ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

阿部浩子議員(みなと政策会議)

質問1-1:飛行機からの落下物の危険性について

阿部浩子議員(みなと政策会議)
阿部浩子議員(社民党、区議4期、元衆議院議員秘書、昭和女子大卒、50歳)

次に、羽田空港の飛行ルートの変更、つまり、首都圏空港機能強化について伺います。
今年1月に、安倍首相は「羽田、成田空港の容量を世界最高水準の100万回にまでに拡大する」と施政方針演説で表明いたしました。
成田空港は第3滑走路を新たに建設し、2020年には羽田空港の飛行ルートの変更により、都心の上空を飛行させて増便をしていくというものです。現在の成田・羽田空港合わせて年間75万回を2020年には83万回まで、そして成田空港の第3滑走路ができてからは100万回にするという計画です。

羽田空港の飛行ルート変更には、見直しも含めて反対する請願が区民の方から提出され、現在区議会では継続審査となっています。また、今定例会でも計画の見直しを求める請願が提出されました

この問題について、私は早くから区民への危険性と騒音の問題を取り上げてきました。
南風時には港区の上空、品川駅では450mを通って着陸していくものです。
昼間人口が100万人のこの都心港区、人口密集地の港区で落下物も含めた事故が起こったら大惨事につながってしまうことが危惧する理由です。

昨年から今年にかけても、関西空港を飛び立ったオランダ航空のパネル落下がありました。沖縄では普天間基地に隣接する小学校の校庭にヘリの窓が落下しました。
また、5月24日には熊本空港を離陸した飛行機から、益城町の10カ所に機体の部品が落下しました。

国は3月に「落下物対策総合パッケージ」をまとめ、今後各航空会社に周知していくということですが、それだけで飛行機からの落下物がなくなることになるのでしょうか

そこで、港区の上空を飛行機が通って落下物が生じる場合の危険性について、区長はどのようにお考えになっているのか お聞きします。

質問1-2:区民の安全・安心という観点からの区の考え

羽田空港の問題を考えるとき、私は福島第一原発の放射能漏れの事故を思い出します
原発は安全なエネルギーと推進されてきた日本で、東日本大震災ではあっけなく津波によって放射能漏れの事故が起こってしまいました。
そのために福島第一原発周辺に住んでいた方々は自宅に戻れない生活が続いています。戻れないだけではなく、二度と住むことができないのです。安全なエネルギーが人をも破壊してしまうエネルギーに、街を壊してしまうエネルギーに変わってしまいました。

落下物対策ができていれば安心というわけにはいきません
たしかに羽田空港に離着陸が増えることによって観光客も増え、経済効果もあると思います。しかし落下物・落下事故が起こった場合、その経済効果より、もっと失うものが大きいのではないでしょうか

港区には23区唯一の米軍施設があります。
港区と港区議会は米軍ヘリポート基地の撤去要請を毎年行っています。ヘリポート基地の撤去要請の理由は、ヘリコプターの離発着に伴う騒音、臭気の問題、そして事故発生の不安です。区と区議会は区民の安全・安心を守るため、早期撤去を毎年要請しています。

そこで、区民の安全・安心について取り組んでいる区長として、2020年に向けた羽田空港の首都圏空港の機能強化について、どのようにお考えなのかお聞きします

港区長 答弁1

回答1-1:丁寧な説明を尽くすよう改めて強く要請

武井雅昭港区長
武井雅昭 港区長(無所属、4期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、65歳)

次に、羽田空港の機能強化についてのお尋ねです。まず、落下物の危険性について、です。
飛行機からの落下物が大きな事故につながる危険性があることから、これらの事故があってはならないと考えております
国は、国内および日本に就航するすべての航空会社を対象に、新たに策定する「落下物防止対策基準」に基づき、落下物事故の未然防止対策を実施するとしております。

今後も区は、国に対し事故の未然防止の取り組みをより一層進めるとともに、区民の安全・安心や生活環境を守る対策などについて、丁寧な説明を尽くすよう改めて強く要請 をしてまいります。

回答1-2:十分な理解を得て検討を進めるべき

次に、区民の安全・安心の観点から見た機能強化についてのお尋ねです。
羽田空港の機能強化に関する計画については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て検討を進めるべき ものと考えております。

区民からは騒音や落下物等を不安に思う声も寄せられており、区は区民の安全と生活環境を守る立場から、区民等へのきめ細かな情報提供を行うとともに、これらの不安の払拭に向け、安全・安心や生活環境を守る対策等について、積極的に取り組むよう引き続き国へ要請してまいります。

いのくま正一議員(共産党議員団)

質問2-1:国交省への要求(4項目)

いのくま正一議員(共産党議員団)
いのくま正一議員(日本共産党、区議4期、元港区労連事務局長、高崎商業高卒、58歳)

(区民へのアンケート結果)
国土交通省が羽田空港の新飛行ルート案を出していますが、この計画を知っていますか?」の問いに対して、「知っている」が72%、「知らないが」28%でした。回答してくれた方の認知度は高い傾向でした。

この間、新ルート案は国際線の着陸便を南風時に午後3時から7時まで、2分に1機が港区上空を600mから400mで飛行するもので、多くの区民や関係町会から、不安や懸念が続出し、計画の中止を含む見直しを求める請願も区議会に提出されています。

4月29日には区内で2度目の計画撤回を求めるパレードが行われ、いくつもの町会関係者含めて約100人が参加しました。
パレードに先だった集会で、町会役員の方々が「計画は認めるわけにはいかない。なんとしても撤回させるため頑張り抜く」と次々挨拶されました。

区民アンケートでは、「新ルート案で特に心配なことは? これも複数回答可です」との問いに1位が「騒音」1,254、2位が「落下物」1,090、3位が「墜落事故の危険」1,047、4位が「健康被害」430、5位が「大気汚染」415、6位が「資産価値の低下」280と回答しています。
私たちがこの間指摘してきた傾向と同様の心配をしています。

この新ルート案はどうすべきか?」の問いには、「やむを得ない」19%、「中止すべき」が57%、「わからない」が24%でした。「やむを得ない」との回答のなかには「賛成」という考えと、「嫌だけども、やむなし」が含まれていると思われます。

この計画に対してアンケート回答者から「以前大田区に住んでいた頃も、よく飛行機が家の上空を通過していました。凄い音で、大きな音が苦手な私にとっては、少し恐怖心もありました。低空飛行は本当に、本当に止めてほしいです」という痛切な声が上がっています。

4月26日には区議会として、国交省を招いての学習会が開かれました。
多くの質問は、反対や懸念を表明している町会の方々は純粋に計画の危険性があることを心配し不安を持っていること、住民の思いを重く受け止める必要がある等々で、これまでの国交省の説明や対応では不十分という内容だったと思います。

国交省への要求
この間、計画案が提示されて以降、私たち共産党議員団はすべての議会で、新ルート案の大問題を指摘し、撤回を求めて住民の方々とも連携してきました。その立場で国交省に対して様々な要望をするよう質問をしてきました。

改めて質問いたします。国交省に対して、

  • 教室型の説明会を、すでに1度開催した地域を含め、区内全地域で開催すること
  • 説明会では、参加者の質問に正面から答えること
  • 関係町会への説明会について、適宜開催すると同時に、質問に正面から答えること
  • 港区民、特に、新ルート案の航路下の町会や住民の合意を得ないまま新ルート案を強行しないこと

以上を強く要求し、説明会を実施させること。答弁を求めます。

質問2-2:「広報みなと」で新飛行ルート案を再周知すべき

この間「広報みなと」で計画案を掲載したこともあり、一定程度は認識度が高まってはいますが、まだまだこの計画案を知らない方が少なからず残されています。「広報みなと」で重ねて新飛行ルート案を周知するべきです

掲載内容として、国交省が新たな飛行ルート案を計画していること、低空で港区上空を飛行することや飛行の頻度などの事実を掲載するとともに、新飛行ルート案は港区民の理解が得られた状況ではなく、港区は区民への丁寧な説明を国交省に求めていることなども周知すべきです。
答弁を求めます。

港区長 答弁2

回答2-1:引き続き国へ要請

武井雅昭港区長

(「教室型説明会」を区内全域で開催することについて)
次に、羽田空港の新飛行経路案についてのお尋ねです。
まず、「教室型説明会」を区内全域で開催することについて、です。

羽田空港の新飛行経路案につきましては、区が国に対し「教室型説明会」の開催を強く求めてきた結果、これまで高輪、赤坂青山、港南地域の3か所において、区民等を対象とした「教室型説明会」が実現をいたしました。

今後も、すでに実施した地域において再度開催することや、未実施の芝・麻布地区で開催することについて、地域からの要望等を踏まえ、国へ強く要請をしてまいります。

(説明会における対応について)
次に、説明会における対応についてのお尋ねです。
区は、これまでも国に対し「説明会においては丁寧かつわかりやすい説明」を行うよう要請してまいりました。
今後開催される説明会においても、「具体的かつ丁寧な説明」を行うよう国土交通省に改めて申し入れてまいります。

(関係町会への説明会開催)
次に、関係町会への説明会開催とその対応についてのお尋ねです。
区は、これまでも羽田空港の新飛行経路案について、国に対し、町会、自治会、関係地域等への説明会の開催を強く求めてまいりました。
国土交通省は「オープンハウス型住民説明会」を補完するものとして、各地域等への情報提供の場も設定していくとしており、区は、地域からの要望等を踏まえ、積極的に開催するよう要請してまいります。
また、今後開催される説明会においては、「区民の意見や質問等について丁寧な説明」を行うよう、国土交通省に改めて申し入れてまいります。

(区民等の合意を得ないまま計画案を強行しないよう国に申し入れること)
次に、「区民等の合意を得ないまま計画案を強行しないよう国に申し入れること等」についてのお尋ねです。
区は、これまでも羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得を得た上で検討を進めるよう、国に強く申し入れてまいりました。今後も引き続き区民等のご意見を踏まえながら申し入れてまいります。
また、説明会の開催についても、地域からの要望等を踏まえ、 引き続き国へ要請してまいります

回答2-2:随時積極的に周知をしてまいります

次に、「広報みなと」による新経路案等の周知についてのお尋ねです。
区は、これまでも新飛行経路案など、羽田空港の機能強化に関する取り組みや計画内容について、随時「広報みなと」やホームページ等を通じ、迅速に周知するとともに、安全対策や騒音対策について、国に対して要請していることなどもお知らせをしてまいりました。
今後も引き続き国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化に関わる情報等を随時積極的に周知をしてまいります。

あわせて読みたい

[PR] SUUMO タワーマンションを探す!販売前の資料請求が成功の秘訣人気の新築マンション

2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.