日本には約150カ国の大使館があり、その半数以上が港区にある。
そのようなこともあって、港区には外国人が多く住んでいる印象を受けるのだが、実際はどうなのか。
港区の外国人数、全国14位
出入国在留管理庁が半期ごとに公開している在留外国人統計(旧登録外国人統計)には、「在留外国人総数上位100市区町」が掲載されている。
そこで、2012年以降の上位20市区町の在留外国人総数の推移を次図に示す。
港区の在留外国人は、22,428人(23年12月末現在)で、全国14位となっている。
以下、在留外国人数TOP15を示す(23年12月末現在)。
- 1位:新宿区(44,847人)
- 2位:江戸川区(44,074人)
- 3位:川口市(43,706人)
- 4位:足立区(39,957人)
- 5位:江東区(38,112人)
- 6位:豊島区(33,282人)
- 7位:板橋区(32,915人)
- 8位:大田区(29,166人)
- 9位:大阪市生野区(28,767人)
- 10位:北区(27,794人)
- 11位:葛飾区(27,239人)
- 12位:世田谷区(26,463人)
- 13位:練馬区(23,663人)
- 14位:港区(22,428人)
- 15位:船橋市(21,666人)
外国人が多く住んでいる場所はどこか?
では、外国人が多く住んでいる場所はどこなのか?
総務省が2022年2月10日に公表した、令和2年(2020年)国勢調査結果のうち、「男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等」に、町丁目別の外国人人口が掲載されている。
そこで、町丁目単位で外国人の人口の占める割合を計算してみた。港区で外国人人口の占める割合が15%以上のランキングを以下に示す。
- 順位:町丁目_外国人人口/人口総数(外国人の割合)
- 1位:愛宕1丁目_8人/33人(24.2%)
虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー(54階建て、547戸、竣工2022年) - 2位:愛宕2丁目_137人/613人(22.3%)
愛宕グリーンヒルズフォレストタワー(42階建て、382戸、竣工2001年) - 3位:元麻布3丁目_410人/1,840人(22.3%)
多くの有名人や富裕層が住んでいる高級住宅地 - 4位:赤坂5丁目_151人/875人(17.3%)
- 5位:元麻布2丁目_363人/2,112人(17.2%)
- 6位:麻布永坂町_41人/242人(16.9%)
- 7位:赤坂3丁目_34人/201人(16.9%)
- 8位:赤坂1丁目_104人/623人(16.7%)
- 9位:六本木1丁目_431人/2,685人(16.1%)
- 10位:六本木6丁目_274人/1,763人(15.5%)
- 11位:麻布台1丁目_29人/190人(15.3%)
- 12位:六本木3丁目_483人/3,209人(15.1%)
どこの国が多いのか(国籍)
港区の国籍別の人口推移を次図に示す。
中国が14年あたりから漸増し、16年に米国と韓国・朝鮮を上回った。新型コロナ感染拡大時期に減少したが、22年から急増し始め、24年9月に7千人を突破した。
国籍別外国人住民数|港区を元に作成
上図では「その他」の人数が中国に匹敵するほど多い。「その他」の内訳が知りたいところである。
じつは、東京都が毎月公表している住民基本台帳ベースの「外国人人口」の1月データには、「無国籍・その他」を除き195か国・地域別の人口が掲載されている。同データによれば港区には、135か国・地域の外国人が住んでいることが分かる。そのうち100人以上の国籍別の人口の分布を次図に示す。
どんな人たちなのか(在留資格)
在留資格別にみると、「その他」(内訳不明)が最も多い。次いで多いのが、「家族滞在」「技術・人文知識・国際業務」。
在留資格別外国人住民数|港区を元に作成
「その他」がダントツで多いので、内訳が知りたいところだが、港区が公開しているデータでは分からない。
じつは、出入国在留管理庁が半期ごとに公開している在留外国人統計(旧登録外国人統計)には、「国籍・地域別 在留資格別 市区町村別」データが掲載されている。
そこで、港区の在留外国人22,428人(23年12月末現在)について、32種類の在留資格のうち、20人以上いる在留資格の人数を次図に示す。
港区が公開している「その他」(12,640人)のうち、約半数は「永住者」(6,825人)であることが判明。
また、「家族滞在」(3,710人)、「技術・人文知識・国際業務」(3,537人)に次いで多いのは「特別永住者」(1,143人)であることも判明した。
※特別永住者:第二次世界大戦の終了以前から日本に在留している在日韓国人とその子孫
なぜ、港区は「永住者」と「特別永住者」を公表データから外しているのか……。
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