家電メーカーといえば、パナソニック、シャープ。情報・通信機器メーカーといえば、富士通、NEC。光学機器・精密機器メーカーといえば、キヤノン、富士フイルム、リコー、京セラ。自動車メーカーといえば、トヨタ、日産、ホンダ、……。
では、メジャーなマンション管理会社といえば?
「マンションは管理を買え」と言われるわりには、マンション管理会社の実態は、ほとんど知られていないのではないか。
業界紙「マンション管理新聞」が毎年5月、「総合管理受託戸数ランキング」記事を掲載している。同記事のなかから、マンション管理会社の受託戸数データをもとに可視化・分析してみた。
マンション管理受託戸数ランキングTOP20
「マンション管理新聞」5月25日号には490社のマンション管理受託戸数が掲載されている。
そのうちのTOP20社は次図のとおり。
日本ハウズイングと大京アステージの2社が頭一つ出ている。
- 1位:日本ハウズインク(441,621戸)
- 2位:大京アステージ(427,886戸)
- 3位:東急コミュニティー(334,172戸)
- 4位:三菱地所コミュニティ(328,172戸)
- 5位:長谷エコミュニティ(271,173戸)
- 6位:大和ライフネクスト(263,064戸)
- 7位:三井不動産レジデンシャルサービス(203,241戸)
- 8位:合人社計画研究所(198,550戸)
- 9位:住友不動産建物サービス(188,680戸)
- 10位:コミュニティワン(163,637戸)
- 11位:日本総合住生活(159,862戸)
- 12位:野村不動産パートナーズ(154,604戸)
- 13位:穴吹コミュニティ(106,829戸)
- 14位:グローバルコミュニティ(89,962戸)
- 15位:あなぶきハウジングサービス(85,397戸)
- 16位:伊藤忠アーバンコミュニティ(78,408戸)
- 17位:近鉄住宅管理(63,344戸)
- 18位:ナイスコミュニティー(61,797戸)
- 19位:大成有楽不動産(57,754戸)
- 20位:MMSマンションマネージメントサービス(54,797戸)
日本ハウズイングと大京アステージが2強
「マンション管理新聞」のバックナンバーをひも解き、上位10社の過去9年間のマンション管理戸数の推移をまとめたのが次のグラフ。
日本ハウズイングと大京アステージが40万戸超えで2強。
第2グループは、30万戸超えの2社(東急コミュニティー、三菱地所コミュニティ)。
第3グループは、20万戸超えの3社(長谷エコミュニティ、大和ライフネクスト、三井不動産レジデンシャルサービス)。
大京アステージ、東急コミュニティー、三菱地所コミュニティ、長谷エコミュニティ、三井不動産レジデンシャルサービルは、グループ会社が販売したマンションを自動的に管理受託しているから自ずと戸数が多くなる。
独立系の管理会社である日本ハウズイングが管理受託戸数を伸ばしているのは、低コストを武器に他社の受託戸数を侵食しているためなのであろう。
ランキング上位13社のシェアが5割
マンション管理会社のシェア(市場占有率)はどうなっているのか?
国交省が公表している分譲マンションのストック数は2017年末時点で「約644.1万戸」(PDF:106KB)。
そこで、横軸を管理会社のランキング、縦軸を管理戸数シェア(=各社が受託管理している合計戸数を「分譲マンションのストック数約644.1万戸」で割った値)として描いたのが次のグラフ。
グラフの見方としては例えば、ランキング上位13社の合計受託管理戸数(3,241,491戸)は、分譲マンションのストック数約644.1万戸の5割(50.3%)を占めていることを表している。
具体的な数字で言うと、ランキング上位の13社が5割、75社が8割、164社が9割のシェアを握っているということになる。