民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、18年3月1日現在のAirbnb登録状況を可視化。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 6万件(前月比▲0.1%微減)
全国でAirbnbに登録されている物件数は59,672件(3月1日現在)。
前月比▲0.1%微減。増加にブレーキがかかったようだ。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
【参考メモ】16年7月の登録件数が落ち込んだのは、Airbnbシステム仕様に変化(クローリング修正対応に遅れ)があったためかもしれない。17年4月にも落ち込んだ事象が観測されている。Airbnbサイトのデータをクローリング集計しているAirbDatabankサイトだけでなく、AirLABOサイトでも同様の落ち込み事象が確認されている。
1位東京2万件、2位大阪1.4万件、3位京都0.6万件
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約2万件、2位大阪府(大阪市)約1.4万件、3位京都府(京都市)約0.6万件。
国内Airbnb登録件数の3分の1が東京
国内のAirbnb登録件数約6万件のうち、3分の1を東京が占めている。
4位沖縄は停滞、5位北海道は減少に転じた
4位沖縄は停滞、5位北海道は減少に転じた(次図)。
【東京23区】1位新宿区(4千件)
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区の4,362件。2位は渋谷区2,333件。
第2グループ(1千件超え)は、3位台東区、4位豊島区、5位港区。
新宿区のAirbnb登録件数の伸びが鈍化(次図)。
【大阪市】1位中央区(5千件)
大阪市内のAirbnb登録件数は、中央区(5,146件)と浪速区(3,111件)がツートップ(次図)。
中央区(大阪市)は減少に転じた(次図)。
ただ、全国でAirbnbの登録数が最も多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
【京都市】1位下京区(1千件)
京都市内でAirbnbの登録件数が最も多いのは下京区の1,314件(次図)。
京都市内のAirbnb登録件数の増加にブレーキがかかったようだ(次図)。
雑感
住宅宿泊事業法の6月15日施行に向けて、主に都市部で民泊の規制強化を図る条例化の動きが加速している。Airbnbは1月24日、住宅宿泊事業法が施行に向けてホストらに、自治体への届け出を促す文書を発信した(Airbnb法令遵守へ!住宅宿泊事業の届出準備を促す)。
全国的にAirbnb登録件数(大半が無届民泊)の増加にブレーキが掛かりつつあるのは、そういった違法民泊追放の動きの影響が出てきたからではないのか。
また、Airbnb登録物件が中国系民泊仲介サイトにシフトするような動きも観測されている(違法民泊が中国系民泊仲介サイトにシフト!? )。
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