不動産経済研究所は2月21日、「全国マンション市場動向2017年(年間のまとめ)」を発表。
同発表資料をもとに可視化・分析した記事については、「マスコミ情報では分からない!過去17年間の「首都圏新築マンション市場動向」を可視化」をご参照。
同発表資料には、15年〜17年の事業主別発売戸数(上位20社)、いわゆるランキングも掲載されているので、可視化・分析してみた。
※最新版(2018年)はこちら。
17年事業主別の発売戸数トップ20
17年の事業主別の発売戸数トップ20は次の通り。
- 順位:(全国/首都圏/近畿圏/その他)
- 1位:住友不動産(7,177戸/5,663戸/968戸/546戸)
- 2位:プレサンコーポ(5,267戸/28戸/3845戸/1394戸)
- 3位:野村不動産(5,158戸/3,898戸/769戸/491戸)
- 4位:三井不動産R(3,787戸/3,236戸/246戸/305戸)
- 5位:三菱地所R(3,101戸/2,380戸/244戸/477戸)
- 6位:大和ハウス工業(2,098戸/778戸/343戸/977戸)
- 7位:日本エスリード(2,017戸/0戸/2017戸/0戸)
- 8位:あなぶき興産(1,798戸/0戸/135戸/1663戸)
- 9位:積水ハウス(1,503戸/752戸/436戸/315戸)
- 10位:タカラレーベン(1,467戸/824戸/0戸/643戸)
- 11位:穴吹工務店(1,315戸/118戸/0戸/1197戸)
- 12位:阪急不動産(1,164戸/464戸/700戸/0戸)
- 13位:大京(1,119戸/300戸/232戸/587戸)
- 14位:東急不動産(1,061戸/374戸/520戸/167戸)
- 15位:近鉄不動産(990戸/190戸/620戸/180戸)
- 16位:新日本建設(949戸/949戸/0戸/0戸)
- 17位:エヌ・ティ・ティ都市開発(873戸/476戸/291戸/106戸)
- 18位:名鉄不動産(856戸/378戸/280戸/198戸)
- 19位:新日鉄興和不動産(853戸/519戸/163戸/171戸)
- 20位:マリモ(853戸/153戸/127戸/573戸)
12年以降、大手4社が上位にランクイン
今回、不動産経済研究所が発表した上位20社は、3か年分(15年~17年)。
ランキング(順位)だけだと、各事業主の勢いのほどが分かりにくい。そこで、過去に発表されたデータも含め、04年以降の上位事業主の発売戸数の推移を可視化してみた(次図)。
長年にわたって首位をキープしていた大京の凋落ぶりとは対照的に、大手4社(住友不動産、野村不動産、三井不動産R、三菱地所R)は順位が入れ替わりながらも、上位にランクインし続けている。
特に、12~15年の4年間、大手4社は上位を独占していた(次表)。
10年以降、上位20社のシェアは5割を維持
ランキングに目を奪われず、発売戸数に着目することで、興味深い事象が見えてくる。
上位20社のシェア(全国主要都市の発売戸数に対する上位20社の合計発売戸数の占める割合)は、それまでの4割から08年を境に上昇し、10年以降5割をキープ。17年は過去最高の56.1%まで上昇した。
08年に起きたリーマンショックの影響で、中小デベロッパーがマンション事業からの撤退を余儀なくされ、ブランド力のある大手デベロッパーの寡占化が進んでいたのだが、10年以降中小デベロッパーがなんとか踏ん張っている様子が想像される。