東京北区の民泊施設で50代の男性が殴られ死亡。傷害容疑で44歳の配管工が逮捕されたというニュース。
民泊施設であることと事件発生の関係性はないのだが、チョット気になったことをまとめてみた。
- TBSは「民泊施設で・・・」、NHKは「宿泊施設で・・・」
- 事件のあった民泊施設は合法民泊なのか?
- なぜ、北区に住む容疑者は、北区の民泊に宿泊していたのか?
- 古民家で民泊を始めて45日目に死亡事件に遭遇した夫婦
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TBSは「民泊施設で・・・」、NHKは「宿泊施設で・・・」
TBSとNHKとでニュースの扱いが異なっているのが興味深い。
民泊施設であることと事件発生の関係性は特にないのだが、TBSは「民泊施設」を強調しているように見える。特に最後の一文。
東京・北区の民泊施設で男性殴られ死亡、傷害容疑で44歳男を逮捕
東京・北区の民泊施設で、同じ部屋に宿泊する男性の顔を殴ってけがをさせたとして、配管工の男が警視庁に逮捕されました。殴られた男性は、その後、死亡しました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、北区西が丘の配管工・齋藤誠容疑者(44)です。
齋藤容疑者は13日午前2時半すぎ、北区の民泊施設で、会社の上司とみられる50代の男性と口論になり、顔面を素手で数回殴り、けがをさせた疑いがもたれています。男性は病院に運ばれましたが、その後、死亡しました。警視庁によりますと、2人は仕事のため同じ部屋に宿泊していたということです。(中略)
現場は住宅を改装し観光客などに貸し出す「民泊」施設で、外国人観光客も利用していたということです。
(TBSニュース 11月13日)
一方、同日報道されたNHKニュースのほうは、次のように民泊の文字は出てこない。単に「宿泊施設」と表現している。民泊を推進している官邸をおもんぱかったということはないのか?
同宿の上司殴った配管工を逮捕 傷害致死容疑 東京 北区
東京・北区の宿泊施設で同じ部屋に宿泊していた男性を殴ったとして44歳の配管工が傷害の疑いで逮捕されました。男性はその後死亡し、警視庁は容疑を傷害致死に切り替えて調べることにしています。(以下略)
(NHKニュース 11月13日)
事件のあった民泊施設は合法民泊なのか?
事件のあった民泊はAirbnbの登録物件としては見当たらなかった。
でも、宿泊予約コンテンツとして世界最大の利用実績を持つブッキングドットコム(Booking.com)には、「別荘」カテゴリーで登録されている。
1泊朝食付きで次の料金。
- ツインルーム104:二人15,120円(税込み)、一人8,640円(税込み)
- 和室102:二人17,280円(税込み)
いまや民泊施設もBooking.comに登録されている時代。これでは自分が宿泊する施設が従来型の旅館・ホテルなのか、民泊施設なのか分からない。
「そのようなことを区別する必要があるのか!?」と突っ込みが聞こえてきそうだ。
どちらがいいかは別として、自分が宿泊する施設が高いけど安全・安心できる施設なのか、安いけどリスクのある施設なのか、事前に把握しておく必要はあるだろう。
そもそもブッキングドットコムに登録されている民泊施設に違法民泊は含まれていないのか?
ブッキング・ドットコムは実証実験の第1段階として、6月8日に特区民泊条例のある大田区の戸建て民泊を登録している。
宿泊予約の世界大手ブッキング・ドットコムは、国内の民泊施設を日本語サイトで掲載を開始した。民泊需要などを把握するための実証実験の第一段階。2016年6月8日から、同社サイトの「別荘」カテゴリーで、東京都大田区の一戸建て物件を登録、宿泊予約を開始した。
(トラベルボイス 16年6月9日)
同社マーケティング統括責任者は、法令順守している民泊であることが大前提だとしている。
ブッキング・ドットコムのパパイン・ライヴァース・マーケティング統括責任者は、トラベルボイスのインタビューで「当社は、プロフェッショナルが運営する宿泊施設のみ取り扱っている。民泊についても、快適な宿泊サービスを提供できる物件であることが大前提」と説明。
日本では、ゴミや騒音などの問題が懸念される民泊だが、「プロフェッショナルによって、法を順守しつつ、宿泊施設としてきちんと運営されているなどの要件を満たしている場所を選定する。その上で、日本での法整備の状況や、ユーザー側にはどのような要望があるのかを注視しながら、今後について検討する」と話した。(以下略)
(同上)
なぜ、北区に住む容疑者は、北区の民泊に宿泊していたのか?
配管工の日当は20,500円(国交省労務単価 平成28年度)だから、1泊8千円前後の宿泊料は会社にとって結構な負担になると思うのだが、そうでもしないと職人が集まらないということなのか。
せっかく集めた職人(44歳と50代の上司)が、真夜中に同室で殴り合っている世界っていったい・・・・・・。
古民家で民泊を始めて45日目に死亡事件に遭遇した夫婦
この民泊施設は、立派な日本庭園のある2階建ての古民家で、今年の9月30日に夫婦によって運用が開始された。なぜ運用開始日が分かるのかといえば、ブッキングドットコムの予約受付開始日が9月30日になっているからだ。
ホテル等の旅行に関する口コミサイト「トリップアドバイザー」で確認すると、カリフォルニアからの宿泊者の感想からも、そのことが分かる。
The hosts/owners are Mr. And Mrs. Ito. They had just opened for business in September, 2016 - the month before my arrival.
また、同宿泊者の感想から、この民泊施設は所有者の夫婦が宿泊者の面倒を見ていることが確認できる。
伊藤夫妻は、非常にフレンドリーで、滞在中とても熱心に手助けしてくれる
The hosts, Mr. & Mrs. Ito, are very friendly people, and are eager to help you during your stay. They speak Japanese, English, and (I believe) some French.
ただ、ネットなどの運用は、別の人間(「支配人」と日本語で表記されている)が対応しているようだ。
民泊の面倒な手続きは代行してもらい、宿泊者のオモテナシはそこに住んでいる夫婦(シニア?)が行っているのである。
民泊を始めて40日あまりで事件に遭遇した夫婦。警察の聴取を受けてどう思ったのか気になるところだ。
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