昨日のブログ記事「大阪府の民泊条例でマンションの資産価値は守れるか」で、大阪府が日本初の民泊条例(正確には、大阪府国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業条例(仮称))の制定に向けて、募集中のパブコメの内容を紹介した。
今後、全国的に民泊の条例化が進むのかといえば、そうではない。
民泊条例を制定できるのは、国家戦略特別区域に限られるからだ。
そもそも「国家戦略特別区域」とは何なのか?
いわゆる「特区」と呼ばれるものには、「構造改革特別区域(構造改革特区)」「復興特別区域(復興特区)」「総合特別区域(総合特区)」、そして「国家戦略特別区域(国家戦略特区)」がある。
この国家戦略特区は、第2次安倍内閣が掲げる成長戦略の柱の一つとして、地域振興と国際競争力向上を目的に規定された経済特区のこと。
ちなみに、構造改革特区は、小泉内閣の時代に規制緩和政策として2003年4月1日に法施行されたもの。
国家戦略特区と、他の特区との違いは次のとおりだ。
従来の特区制度は、地域の発意に基づき、地方公共団体による申請を国が認めて特区を指定する制度であり、いわば地方の要望に応えるという枠組みとなっています。
これに対し、国家戦略特区は、民間・地方公共団体と国が一体となって取り組むべき事業を推進するため、国が自ら主導して、大胆な規制改革を実現します。
民泊条例を制定できる国家戦略特区はどこか?
平成26年5月1日に閣議決定された「国家戦略特別区域及び区域方針」において、「外国人の滞在に対応した宿泊施設の提供(旅館業法)」規制改革事項の対象区域として掲げられている。
東京圏では、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区、渋谷区および神奈川県の全域。
また、関西圏では、大阪府、兵庫県および京都府の全域。
神奈川県や大阪府、京都府はAiebnbの登録物件数が多いエリアだ(兵庫県はそれほど多くない)。
「都は対応を急げ!23区Airbnb登録物件数が爆発的に増加」より
民泊条例を制定できる国家戦略特区を地図に落としてみた。
東京23区の国家戦略特区は都心部を中心に固まっていることが一目瞭然。
※平成27年8月28日に東京都全域が国家戦略特区に指定されました(9月30日追記)
(本日、マンション広告なし)