広い団地の跡地に建つ大規模マンション。
物件概要
大手町駅直通33分、駅徒歩13分。総戸数241戸、7階建。平成28年6月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年2カ月後)。
- 【第1期1次 本広告】販売戸数50戸、3LDK(71.39m2)~4LDK(88.79m2)。販売価格2,928万円~4,598万円。
- 【第1期2次 予告広告】販売戸数/未定、3LDK(71.39m2)~4LDK(88.89m2)。予定販売価格2,700万円台~4,500万円台、予定最多価格帯3,100万円台。
- ※2015年1月17日(土)、3月21日(土)の物件と同じ。
「新築マンションの折り込み広告は、どこを見ればいいのでしょうか?」という質問を時々受ける。
この10年間で(まもなく11年目を迎えるが)マンションの折込みチラシを4,500枚以上見てきたマンションチラシ研究家として、上記物件のチラシを題材に見方のポイントを紹介しよう。
最初にどこを見るか
ますはチラシのオモテ面を開く。
そして、チラシの右下隅の不動産会社を確認する。
三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産、大京といった大手不動産会社であれば、ひとまずは安心。
大手不動産の物件はたしかに高いが、不具合が発生した場合などは大手の名にかけてキチンと対応してくれる可能性が高いからだ。
特に社名がカタカナの新興デベロッパーの場合には、注意が必要。
マンションの寿命(40年程度)よりも社歴が短い、あまり聞いたこともない売主からマンションを買うのはチャレンジングといえよう。
新興デベロッパーの物件から、キラリと光る掘り出しものが選べればそれに越したことはないが、建築に明るくない一般の消費者が自らしっかり勉強して、専門家からつぶさに助言を受けながら物件を選ぶ必要があろう。
キャッチコピーは真に受けない
大きな文字で、目立つキャッチコピーは、売り主が言いたいこと。
消費者が本当に知りたいこと(売り主ができれば言いたくないこと)はゴマ粒サイズの小さな文字で書かれている。
「予告広告」なのか「本広告」なのか
チラシには、必ず「予告広告」か「本広告」のいずれかが表示されている。
本日のチラシでは、オモテ面の右下に「予告広告」が表示されている。
一般の人で、「予告広告」と「本広告」の違いを熟知している人は、多くはないであろう。くせ者なのは「予告広告」のほうだ。
「本広告」では価格や販売戸数の表示が義務づけられているが、「予告広告」では「省略することができる」ことになっている。
このルールを逆手にとって、「予告広告」でモデルルームに集客し、“即日完売”できる見通しが得られた段階で「本広告」を出しいるケースが多い(マスコミが伝えない、「即日完売」の真実 参照)。
とにかく「物件概要」を熟読する
次に、チラシの裏面はどこを見るか――「物件概要」である。
「物件概要」には、「不動産の表示に関する公正競争規約」で義務付けられた、客観的な物件情報が詰まっている。
保険の約款のように、ゴマ粒大のとっても小さな文字がぎっしりと詰まっているが、ここは我慢して、しっかり目を通そう!
間取り図は良いとこ取りであることに要留意
本日のチラシには二つの間取り図が掲載されている。総戸数241戸に対して、二つの間取り図。
素直に考えれば、241戸の中から選ばれた間取り図なのだから、代表的な間取り図であるに違いないと。
でも、多くの場合はそうではない。「売主だったら、241戸の中から、最も販促効果のある間取り図を選ぶに違いない」と想像すべきだ。
間取り図に係る販促ワザについては、最近はやりの販促ワザ(間取り)やチラシの間取り図は良いとこ取りをご参照。
案内図で確認すべきこと
マンションは立地がすべてといっても過言でない。
買い物のできる店との距離、最寄りの公共施設の有無といった利便性に係わる情報や交通騒音・鉄道騒音の有無や公園緑地の多さといった周辺環境に係わる情報など、シッカリ確認しよう。
その際、案内図に「吹き出し」が書き込まれている場合や、案内図に白地部分がある場合には要注意。迷惑施設が隠されている場合がある。
(本日、マンション広告2枚)