不動産情報ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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マスコミが伝えない、「即日完売」の真実

金曜日だというのにマンション・チラシがたったの2枚。
4年ほど前に調べたデータによれば、首都圏のマンション・チラシの「1世帯平均配布枚数」は、次図のように1月が最も多いのだが。
首都圏のマンション・チラシに係る「1世帯平均配布枚数」の月次データ
不動産経済研究所が1月22日に発表した「12月の首都圏マンション市場動向」によれば、「供給は6.1%増の8,246戸。都区部と千葉県が大幅増加」したというのに、なぜゆえこれほどまでに週末のチラシが少ないのか。
売れ行き好調なので頻繁にチラシを出す必要がないのか、それともマンション・チラシという紙メディアの役割が終わりつつあるということなのか――。

さて、「12月の首都圏マンション市場動向」には、「即日完売物件」として「19物件460戸」のうち、次の5物件が紹介されている。

  • TCタワー 1期3次(新宿区、126戸、平均6,578万円、平均1.78倍、最高7倍)
  • ACタワー 1期7次(江東区、40戸、平均4,358万円、平均1.05倍、最高2倍)
  • HMGテラス(高野) 1期2次(足立区、8戸、平均3,469万円、平均1倍、最高1倍
  • PRD FSC(高津区、74戸、平均5,140万円、平均1.4倍、最高4倍)
  • MHB G 3期7・8次(美浜区、15戸、平均3,597万円、平均1倍、最高1倍

「HMGテラス(総戸数102戸)」と「MHB G(総戸数450戸)」の最高倍率はいずれも1倍
しかも発売戸数は「8戸」と「15戸」は総戸数と比べてかなり少ない。
これで「即日完売」と言われても、一般の人は戸惑うだろう。

「予告広告」でモデルルームに集客しておいて、「即日完売」できる戸数の見通しが得られた段階で「本広告」を出して受付・抽選に走るという、とっても巧妙に仕組まれた販促ワザを、多くの一般の人は知らない。

マスコミ各社は、不動産経済研究所の発表内容をなぞるだけで、このような「即日完売」の有り様を伝えていないのは、主要なスポンサーのひとつが不動産業界であるというのは穿ち過ぎだろうか。

マスコミに代わって、上記の5つの物件について、「即日完売」の状況を確認してみよう。
具体的な方法として、リクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)のバックナンバーをひも解いてみた。

TCタワー(総戸数1,091戸、55階)
山手線内の大規模ターワーマンション。
ホームページによれば、「連続申込登録即日完売(788戸)」と記されている。
単なる「即日完売」ではなく、「連続申込登録即日完売」という微妙な表現に、素人を煙に巻く際のエクスキューズがにじみ出ている。
「連続申込登録即日完売」とは、毎回(第1期、第1期2次、第1期3次)、登録申込みの受付を開始して、すぐに販売対象のすべての住戸に申し込みがあった状況を意味している。
登録申込みの後、あるいは抽選の後、たとえキャンセル住戸が発生しても、「連続申込登録即日完売」であることには変わらないから、胸を張って「連続申込登録即日完売」を謳うことができる

ただ、各回の販売時期・戸数をグラフ化してみると、次図のように短期間に集中していることから、人気が高いことは間違いなさそうだ。
総戸数1,091戸の発売戸数の推移

ACタワー (総戸数600戸、33階)
「即日完売」したとされる第1期7次の最初の「予告広告」が出たのが昨年のSUUMO 10月29日号。このときには、「11月中旬販売予定」と書かれていた。
ところが、SUUMO 11月12日号になると「11月下旬発売予定」と、発売予定が当初より2週間ほど延伸。
SUUMO 11月26月号になると「12月上旬発売予定」と、さらに10日ほど延伸されている。
最終的には12月10日号で「40戸」が発売されているのだ。
つまり、当初の発売予定(11月中旬)よりも、約1か月延伸して発売にこぎ着けたことになる(下図参照)。
発売予定日の延伸状況(第1期7次)
この延伸状況は、「第1期7次」だけでなく、「第1期1次」「第1期3次」も同様に延伸を繰り返している。

ちなみに、「第1期2次」「第1期4次」「第1期6次」の広告はSUUMOには出された形跡がない。
それぞれ、直前の「次」の販売戸数が予想以上だったので、急きょ「次」を積み重ねて販売したのではないだろうか。

HMGテラス(総戸数102戸、15階)
「即日完売」したとされる「第1期2次」の広告はSUUMOに掲載されていない。
だた、「第1期1次(販売戸数30戸)」の予告広告が7月30日号に掲載された後、販売予定時期を2回延伸し、当初予定よりも1カ月延伸して10月29日号で「本広告」が出されている(次図参照)。
発売予定日の延伸状況(第1期30戸)
「第1期1次(販売戸数30戸)」の販売戸数が予想以上だったので、急きょ「次」を積み重ねて「第1期2次」として「即日販売」処理をしたのではないだろうか。

PRD FSC(総戸数74戸、6階)※完売
この物件の最初の「予告広告」が出たのが昨年のSUUMO 7月16日号。このときには、「9月下旬販売予定」と書かれていた。
その後3回延伸を繰り返し、当初の販売開始予定よりも約2カ月延伸し、11月23日に販売を開始している(次図参照)。
発売予定日の延伸状況(74戸)
この物件は、販売予定開始時期を約2カ月も延伸してはいるものの、総戸数の74戸を一度で「即日完売」させているので、人気物件であったといえよう。
最高倍率が4倍であったことからも人気物件であったことを示唆している。


MHB G(総戸数450戸、18階×1棟+14階×3棟)
この物件の販売履歴は次のとおりだ。

  • 第1期 135戸(SUUMO 2013年2月26日号)
    • 市民優先住戸 24戸
    • 県民優先住戸 37戸
    • 一般住戸 74戸
  • 第2期 30戸(SUUMO 2013年6月4日号)
  • 第3期 52戸(SUUMO 2013年9月10日号)
  • 第4期 26戸(SUUMO 2014年1月14日号)

第4期までの販売戸数の累計は243戸。総戸数450戸の54%。
時間を掛けながら小刻みに販売していることから、人気物件とは言えないだろう。
たとえば、第3期(52戸)の販売は、7月2日号の「予告広告」が出てから9月3日号の「本広告」が出るまで約2カ月を要しているのだ。

「即日完売」したとされる「3期7・8次(15戸)」については、「3期2次〜6次」と同様SUUMOに掲載されていない。

(本日、マンション広告2枚)

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