不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』日経プレミアシリーズ

不動産コンサルタント長嶋修氏の新刊『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』日経プレミアシリーズ(2018/9/11)を読了。

2031年までの未来年表(第1章 マンションの未来年表を書く)や管理組合の運営(第3章 100年マンション 先進事例に学ぶ)、マンション危機管理の処方箋(第4章 ずっと資産になるマンションを創るために必要な16の提言)など、他のマンション本には見られない情報が満載。

ブログ読者の興味を引きそうなところ、4か所抜粋しょう。


もくじ

100年マンション 資産になる住まいの育てかた

羽田空路変更で高級エリアのマンションに異変【2020年】

2020年までに実施予定の羽田空路変更により、松濤、青山、代官山、白金、御殿山といった閑静な高級住宅街で、とりわけ音源に近い「タワーマンション」の価格に大打撃を与える可能性があるという。

駅前など商業系地域はともかく、松濤、青山、代官山、白金、御殿山といった閑静な高級住宅街でこうした騒音が響き渡る影響はどのようなものでしょうか。とりわけ昨今、林立しているタワーマンションの場合は、より飛行機に近くなります。30階建ての建物なら最上階はざっと90メートル、騒音もそれだけ大きくなるはずです。

(P39/第1章 マンションの未来年表を書く)

ただし懸念されるのは、前述の通り、「閑静な高級住宅街」において、とりわけ音源に近い「タワーマンション」の価値がどうなるかです。加えて飛行機からの落下物などの事故が起きたりすると、該当立地の不動産価格に大打撃を与える可能性があります。特に富裕層などは、「御殿山はうるさいし危険だからやめておこう」といった風潮になる可能性が高いかもしれません。

(P42/同上)

※羽田新ルートが通過する地域名に興味のある方は、「羽田新ルートが通過する地域名(23区の町丁目)」をご参照。

※タワマンと飛行高度の関係に興味のある方は、「羽田新ルート|飛行高度とマンション高さを可視化」ご参照。

タワーマンションの廃墟化が露呈【2027年】

2027年に入ると、持続可能なタワマンと、そうでないタワマンの2極化が始まるという。

一方、建物の老朽化とともに、入居当時は30代後半~40代後半だった住民は歳を重ね、60代後半~70代後半となり、定期収入のない年金生活者が多くなります。建築費の高止まりや消費増税に加え、修繕積立金の度重なる値上げとなると、耐えられない家計も出てくるでしょう。
 建物はどんどん劣化していきますが、修繕はままならず、建物が朽ちていく「タワーマンションの廃墟化」が注目されるのは、この頃でしょう。都心の湾岸地区や神奈川県川崎市の武蔵小杉に林立するタワーマンション群でも、持続可能なマンションと、そうでないマンションの2極化が始まります。

(P65/第1章 マンションの未来年表を書)

※タワマン危機については、富士通総研の主席研究員である米山秀隆氏の著書を紹介した記事「限界マンション問題!より深刻なタワーマンション」もご参照。

100年マンション先進事例に学ぶ

「100年マンション先進事例に学ぶ」として、5件の事例(イニシア千住曙町、白金タワー、パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー、ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン、ニューロシティ)が詳しく紹介されている。

イニシア千住曙町の例では、1期・2期のマンション管理組合の理事長を務めた應田氏が実践した各種契約の見直し内容などが、18頁を費やして詳しく紹介されている。

私は、『修繕積立金の値上げを扱う理事会の役員になりたいですか?』と説明会で問いかけました。また、今均等割に移行すれば月1.9万円で済む修繕費が、例えば30年後に3.5万円になったときに、大半が年金生活者になっている住人が、本当に支払えるのか?という疑問もあります。漸増案で現在の負担を軽く済ませても、いずれ“つけ”を払えなくなれば、修繕は実施できなくなると考えました」と、應田さんは振り返ります

(P124-126/第3章 100年マンション先進事例に学ぶ)

※マンション管理組合の関係者にとって、「第3章 100年マンション先進事例に学ぶ」は必読。この章を読むためだけに本書を購入しても損はないだろう。 

16の提言

第4章には「マンションの資産価値を維持していくために行うべき16の提言」が詳しく記されている。

  1. 管理会社の交替は慎重に
  2. 無償の「アフターメンテナンス」を最大限に活用
  3. 大規模修繕は必ずしも計画通りに行わない
  4. 大規模修繕工事の談合をなくす
  5. 修繕積立金を見直す
  6. 「100年以上」か「解体」か、マンションの大方針を決める
  7. マンション管理に「外部人材」を積極活用
  8. 管理組合の情報開示を義務化(政策)

  9. マンション外壁のタイル張りを禁止(政策)
  10. マンションの管理状態を「担保評価」に織り込む(金融機関)
  11. エリアを定め、マンションに容積率ボーナスを付与(政策)
  12. マンションの空き家問題に特化した制度設計(政策)
  13. 住宅総量の管理(政策)
  14. 住宅の資産性維持がもたらす経済波及効果を検証(政策)
  15. 限られた情報から優良な中古物件を探す(購入者)
  16. 管理組合運営に積極的に関わる(所有者)

(P166-167/第4章 ずっと資産になるマンションを創るために必要な16の提言)

※16の提言の詳細に興味のある方は本書でどうぞ!


100年マンション 資産になる住まいの育てかた

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2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
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