不動産経済研究所は12月24日、毎年恒例となる「首都圏マンション市場予測2026年」を発表した。
2025年の見込み値(2.25万戸)に対し、2026年は前年比2.2%増の2.3万戸。東京都下や千葉県での大型案件が市場を牽引し、供給は微増に転じるという予測だ。
マンション供給は2.2%増の2.3万戸。東京都下が大幅増。
- 2025年は2024年比2.2%減の2万2,500戸の見込み。千葉県が大幅減。
- 2026年は2025年比2.2%増の2.3万戸。都下や千葉県の大型がけん引して微増に。
- 建築費は一段と高騰しているものの、23区のシェアダウンで価格上昇は一服。
業界の羅針盤とも言えるこの予測値。しかし、私たちはこの「2.3万戸」という数字をどう読み解くべきか。過去19年間の膨大なデータを紐解くと、そこには市場の活性化を願う同研究所の「熱量」が見えてくる。
【首都圏】予測値に込められた「市場への期待」を可視化する
不動産経済研究所の予測は、デベロッパー各社の事業計画を積み上げた、いわば「業界の総意」に近い。では、その予測は実績とどう連動してきたのか。過去19年分(07~25年)の推移をグラフ化したものが以下である。
過去19回の中で、実績が当初の予測を上回ったのは3回(10年、13年、21年)であった。

実績が予測を下回るケースが多いのは、同研究所の調査能力不足ではない。むしろ逆だ。建築費の急騰や人手不足による工期の遅れ、あるいは販売時期の戦略的調整など、現場で起きる「予期せぬブレーキ」がいかに多いかを物語っている。
同研究所が発表する予測値は、いわば「市場が健全に動いた場合のポテンシャル」を示す意欲的なベンチマークと言えるだろう。
【23区】よりシビアな環境下での着地
供給の主戦場である東京23区に目を移すと、その傾向はより顕著になる。過去19年で実績が予測を上振れしたのは2回のみだ。

地価が高騰し、用地取得が極めて困難な23区において、計画通りに物件を供給し続けることの難しさがこの乖離に表れている。予測値は「こうあってほしい」という業界の願いを映す鏡なのかもしれない。
2.3万戸予測をどう「活用」すべきか
新築マンション価格はもはや一般層には手の届きにくい水準で高止まりしている。投資家や富裕層の動向、そして株価や金利の動向に左右される不安定な状況が続く。
こうした中での「2026年・2.3万戸」という数字。これを単なる確定した未来と捉えるのではなく、「これだけの供給ポテンシャルはあるが、市場環境次第ではさらなる調整もあり得る」という、一つの指針として捉えるのが賢明だろう。
同研究所が毎年提示してくれるこのデータは、市場の「体温」を測る上で欠かせない。2026年、この「2.3万戸」という目標に対し、実際の市場がどこまで肉薄できるのか。私たちはその数字の裏にある「意志」を読み解きながら、慎重に見守っていく必要がある。
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