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都・区議会の議会映像(録画)システムを比較評価

なぜ、議会映像(録画)システムは都議会・区議会によって違うのか。

ただ義務的に映像を流しているだけの区議会もあれば、「再生速度変更機能」や「戻り機能」といった視聴者に便利な機能を採用した区議会もある。

そんな都・区議会の議会映像(録画)システムにつき、筆者独自の観点で5つ星評価してみた。


もくじ

都・区議会の議会映像(録画)システムはバラバラ

このブログで羽田新ルート問題を取り上げるようになってから4年が経過。さらに、羽田新ルート問題に係る都議会や区議会の定例会での質疑応答の書き起こしを始めてから2年が経過。
この間、各議会のいくつもの映像(録画)を視聴してきた。
羽田新ルート問題という切り口ではあるが、これほど都・区議会横断的に質疑応答をつぶさに視聴してきた市民は少ないのでないだろうか

そんな筆者だから言えることは、なぜ、議会映像(録画)システムは都議会・区議会によって違うのかということだ。

ただ義務的に映像を流しているだけの区議会もあれば、「再生速度変更機能」や「戻り機能」といった視聴者に便利な機能を採用した区議会もある。議論が分かれるところではあろうが、YouTubeを採用している区議会だってある。各区でバラバラ。音頭を取るべき都議会のシステムは、23区には見られないガラパゴスだ

菅政権が誕生して、行政のデジタル化が加速されようとしている。ただ、足元の都議会や区議会の議会映像(録画)システムのデジタル化でさえ、格差がみられるのである。

そんな都・区議会の議会映像(録画)システムにつき、筆者独自の観点で5つ星評価してみた。

評価基準の設定

議会関係者と暇人以外は平日の議会中継をライブで視聴しないだろうから、録画視聴を前提に評価する。

録画視聴を前提とした場合、評価項目としては「再生速度変更機能」と「戻り機能」の有無と「配信時期」が重要となる。

そこで、下記項目を評価対象とし、5つ星評価とした。

  • 「再生速度変更機能」あり:★
  • 「戻り機能」あり
    10秒:★★
    60秒:★(60秒再視聴は、まどろっこしい)
  • 配信時期
    会議終了後2日以内:★★
    会議終了後7日以内:★
  • YouTube採用:★★★

都・23区議会の議会映像(録画)システム

東京都★★☆☆☆

東京都
本会議ネット中継 | 東京都議会

「翌日までに配信」は、杉並区と同じで、最速。

「戻り機能」60秒ではなく、10秒にしてほしい。1分も聞き返すのは、とてもまどろっこしい。「10秒」機能があれば、たとえば2回続けてクリックすれば、20秒前に戻ることもできる。

千代田区☆☆☆☆☆

千代田区
千代田区議会インターネット議会中継

ピクチャーインピクチャー再生している動画を、画面の隅に別ウィンドウで再生する機能。画面の隅に小さな動画ウィンドウを表示できるので、動画を再生しながらパソコン作業を行える)を採用しているのは、3つの区議会(千代田・台東・豊島)。

議会中継をライブで視聴する人にとっては有用なのかもしれないが、どこまでニーズがあるのか。録画視聴者のために、「再生速度変更機能」と「戻り機能」を付けてほしい。

配信時期は不記載。

中央区☆☆☆☆☆

中央区
中央区議会インターネット中継

本会議1日目終了後ではなく、「本会議終了後」から6日後なので、☆ゼロとした。

録画映像は、本会議終了後、おおむね6日後(土、日、祝日を除く)からご覧になれます。

港区★★★★★

港区
港区議会 録画配信

評価項目をすべて満たしている。「配信時期」は都・杉並区の「翌日まで」についで早い(会議があった日から概ね2日後)。

会議があった日から概ね1週間後には、手話映像と字幕を含む議員ごとに編集した録画映像が公開される。

新宿区★★★☆☆

新宿区
区議会のインターネット中継|新宿区

「戻り機能」10秒と「配信時期」が会議終了の概ね7日後なので、★3つ。公開期間が1年間と短いのはマイナス評価(多くの区議会では4年間となっている)。

文京区☆☆☆☆

文京区
インターネット議会中継|文京区

「会議があった日から4日程度」ではなく、「一般質問の最終日から4日程度」とされているのは、まとめてチェックしたいという管理者都合なのか。

インターネット議会中継は、一般質問の最終日から4日程度(日曜、土曜、休日を除く。)で録画中継の公開を開始します。

台東区☆☆☆☆☆

台東区
区議会中継| 台東区

ピクチャーインピクチャー再生している動画を、画面の隅に別ウィンドウで再生する機能。画面の隅に小さな動画ウィンドウを表示できるので、動画を再生しながらパソコン作業を行える)を採用しているのは、3つの区議会(千代田・台東・豊島)。

台東区はさらに「ダウンロード」機能まであるのだが、視聴者のニーズを読み違えていないだろうか。

録画中継は、「会議終了後」ではなく、「定例会最終日」の概ね1週間後とされているので、「会議終了後7日以内:★」を満たしていない。

録画中継は、定例会最終日の概ね1週間後(土日祝を除く)から約1年間放映します。

ちあみに、本会議のライブ映像はYouTube「台東区議会1」

墨田区★★★★

墨田区
映像配信 |墨田区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「ライブ中継終了後1週間程度(土曜日・日曜日・休日を除く)」であること。

江東区☆☆☆☆

江東区
インターネット中継|江東区

「配信時期」が「生中継終了後1週間程度(土、日、休日を除く)」であることから、★一つ獲得。

評価項目外であるが、公開期間6年は長い(他区の多くは4年)。

令和2年度より、平成26年以前の録画中継は削除いたしますので、リンク切れにはご注意願います。 また、令和3年度以降は年度明けごとに、最も古い1年分を削除いたします。

品川区☆☆☆☆

品川区
インターネット中継|品川区

「配信時期」が「本会議については会議終了後おおむね1週間」であることから、★一つ獲得。

目黒区★★★★

目黒区
インターネット議会中継| 目黒区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「生中継終了後4日程度(土曜日・日曜日、祝日・休日を除く)」であること。

大田区★★★☆☆

大田区
YouTube|大田区議会チャンネル

録画配信にYouTubeを採用しているのは2区(大田区、荒川区)。

配信時期は不記載。

世田谷区★★☆☆☆

世田谷区

インターネット議会中継 | 世田谷区

配信時期が「当日のうち」なので、★2つ獲得。

ライブ映像は会議終了後、当日のうちに録画映像としてごらんいただけます。

本会議の代表質問や一般質問、予算・決算特別委員会の映像については、会議のあった日から概ね1週間後に議員ごとに編集した映像をごらんいただけます。

渋谷区★★★★

渋谷区

議会中継|渋谷区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「本会議開催のおおむね5日後(土日祝除く)」であること。

中野区☆☆☆☆☆

中野区

録画中継|中野区議会

評価項目をまったく満たしていない。

評価項目外であるが、中野区議会は一般質問のダイジェスト版も配信している。 

杉並区★★★★★

杉並区

議会中継|杉並区

評価項目をすべて満たしている。

「配信時期」は最速(おおむね24時間後)。都(会議があった日から概ね2日後)よりも早い。

会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます。
会議終了からおおむね1週間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、質問者ごとの「詳細版」をご覧になれます。

豊島区☆☆☆☆

豊島区
映像インターネット配信|豊島区

「再生速度変更機能」があることから★一つ獲得。

ピクチャーインピクチャー再生している動画を、画面の隅に別ウィンドウで再生する機能。画面の隅に小さな動画ウィンドウを表示できるので、動画を再生しながらパソコン作業を行える)を採用しているのは、3つの区議会(千代田・台東・豊島)。

議会中継をライブで視聴する人にとっては有用なのかもしれないが、どこまでニーズがあるのか。

配信時期は不記載。

北区★★★☆☆

北区

議会放映(録画)|北区

「再生速度変更機能」「戻り機能(10秒)」ともにあり。

配信時期は不記載。

荒川区★★★☆☆

荒川区

YouTube|荒川区議会チャンネル

録画配信にYouTubeを採用しているのは2区(大田区、荒川区)。

配信時期は不記載。

板橋区★★★☆☆

板橋区
議会配信映像|板橋区

「再生速度変更機能」「戻り機能(10秒)」ともにあり。

配信時期は不記載。

練馬区★★☆☆☆

練馬区
本会議放映|練馬区

「戻り機能(10秒)」ありで★2つ獲得。
配信時期は不記載。

足立区★★★★

足立区
ライブ中継・録画配信|足立区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「会議終了後概ね1週間程度(土曜、日曜、休日を除く)」であること。

葛飾区★★★★

葛飾区
議会中継|葛飾区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「会議終了後の概ね5日後(土日祝を除く)」であること。

江戸川区★★★★

江戸川区
議会配信映像|江戸川区

録画視聴者のニーズほぼ満たしている。5つ★にならなかったのは、配信時期が「本会議の録画配信は各本会議の終了後、概ね1週間後」であること。

まとめ(一覧表)

議会映像(録画)システムとしては、NTTアドバンステクノロジ(NTTの100%子会社)が提供している「DiscussVisionNet」が8区で最多。2番目に多いのは、(株)ジェイ・フィット(設立2000年、本社博多)が提供している「議会映像配信サービス」で6区。

都・区議会の議会映像(録画)システム比較(一覧表)
拡大(PIG:29KB)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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