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羽田新ルート|質問主意書(新ルートにおける航空機落下物)長妻衆議院議員

第202回国会(20年9月16日~9月18日)の衆議院の質問主意書31件のなかに、29番目として羽田新ルートに係る次の質問主意書が埋もれている。

長妻昭 衆議院議員が9月16日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成。

※時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

長妻昭 衆議院議員
長妻昭 衆議院議員(7期、立憲民主党、慶応法卒、60歳)

羽田空港の国際便の拡張にともない、従来は海上であった、航空機の離発着ルート(以下、「新ルート」という)が、東京23区内の超人口密集地の上空も含まれるものとなっている。そこでお尋ねする。

令和2年3月29日の新ルート開設後に生じた、新ルートを利用した航空機からの部品脱落、いわゆる航空機落下物(以下、「落下物」という)に関してお尋ねする。

問1:新ルートを利用した航空機の落下物の事案は何件?

新ルート開設後に新ルートを利用した航空機の落下物の事案は何件あるのか、ご教示願いたい。

事案ごとに、落下物名称、落下物の重量、落下物の形状、落下物の材質、落下物の面積、落下物の縦横の長さ、落下日時、落下場所、被害の有無、航空便名、航空機会社名、発覚のきっかけ、その他国交省が把握している情報をお示し願いたい。

答1:落下物の事案は把握していない

国土交通省においては、航空機からの物体の落下を目撃した旨や航空機からの落下物であることが疑われる物体を発見した旨の通報等を受けた場合(当該物体が空港内で発見等された場合を除く。)には、同省の職員による現地調査等を踏まえ、当該物体が航空機からの落下物であるかどうかの判断を行っているところであるが、令和2年9月18日時点において、東京国際空港における新たな飛行経路を飛行した航空機からの落下物の事案は把握していない

問2:すべての落下物を把握できているのか否か?

また、落下物のうち把握できるのは一部であるとの話も聞く。すべての落下物を把握できているのか否か、お示し願いたい。

以上を踏まえたうえで、新ルートの落下物について政府はどのように対応していくのか、ご教示願いたい。

答2:具体的な範囲が明らかではないため、お答えすることは困難

また、「すべての落下物を把握できているのか否か」とのお尋ねについては、「すべての落下物」の具体的な範囲が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、航空機からの落下物対策については、同省において平成30年3月に取りまとめた「落下物対策総合パッケージ」を踏まえ、落下物の未然防止策を徹底させる観点から、航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)を改正し航空運送事業者及び航空機使用事業者に対し部品等脱落防止措置の内容について事業計画に記載することを義務付けたことに加え、駐機中の機体を空港管理者がチェックする体制を強化するなどしたところである。

雑感

羽田新ルートに係る質問主意書の件数では、松原議員が13件で突出している。でも、この問題を最初に取り上げたのは長妻議員(16年11月18日)。松原議員(18年12月18日)より2年も早い。

このときは、2015年度の落下物の詳細(名称、大きさ、重量、落下場所、落下した日付、脱落を確認した日付)につき、政府答弁から引き出している。

今回の政府答弁には肩すかしを食らってしまいましたなぁ。長妻先生におかれましては、さらに鋭い質問を期待いたしたく。

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