- 修繕積立金が激安な新築マンション
- 修繕積立金の実態(国交省調査)
- マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国交省)
- 修繕積立金の目安(東京都優良マンション登録表示制度の認定基準)
- 修繕積立金の妥当性チェック・ツール(無料)
修繕積立金が激安な新築マンション
東電の変電所と送電鉄塔に隣接する大規模マンションの広告。
物件概要
【第4期予告広告】東京駅13分(途中で快速に乗り換え)、駅徒歩8分。総戸数357戸、14階建。販売戸数5戸、3LDK(67.88m2)~4LDK(82.87m2)。予定販売価格3,981万円~6,580万円。平成28年2月5日竣工済み(本チラシ掲載日の7カ月前)。
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、月々の支払いの安さを喧伝する文言。
- 月々のお支払い 管理費等すべて含んで9万円台(予定)からご購入可能。
- 詳しくは裏面をご覧ください。
「管理費等すべて含んで9万円台」って?
チラシ裏面には次のように記されている。
毎月の支払総額例(予定)
- 当初月々返済額79,698円+管理費7,967円+修繕積立金3,730円⇒91,395円(当初5年間・予定)
3LDK67.88m2の修繕積立金が3,730円って、少なすぎないか?
m2あたりに換算すると55円だぞ!
修繕積立金の実態(国交省調査)
国土交通省が2014年4月23日に公表した「平成25年度マンション総合調査結果」によれば、「50円超〜100円以下」が19.5%(不明を除くと29.2%)となっている(次図)。
だから55円は極端に安いわけではない?
「「マンション総合調査結果報告書」にみるスラム化の兆候」より
でも、修繕積立金は完成年次が古くなるほど高くなる傾向にある(次図)。
つまり、分譲時に安く設定された修繕積立金が、のちに見直しで値上げされているということだ。
「同上」より
マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国交省)
国土交通省が2011年4月18日に公表した、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によれば、新築マンションの専有床面積当たりの修繕積立金の目安は次図のとおりとされている。
本物件は14階建て、延べ床面積28,541m2だから、国交省のガイドラインによれば、m2あたり135円~220円の水準でなければならない。
でも、実際には55円という激安価格で設定されているのである。
修繕積立金の目安(東京都優良マンション登録表示制度の認定基準)
ちなみに、「東京都優良マンション登録表示制度」の「認定基準」では、登録するために満たすべき条件として、新築マンションの場合、55m2以上であれば月額6,000円以上とされている(次図)。
m2当たりに換算すると109円以上である。
修繕積立金の妥当性チェック・ツール(無料)
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