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マンションはなぜ高くなったのか──過去25年間のデータが示す「供給消失」という真因

不動産経済研究所は2026年2月25日、「全国新築分譲マンション市場動向2025年」を発表した。

  • 発売は前年比0.8%増の5万9,940戸。4年ぶりの増加。
  • 首都圏4.5%減、近畿圏11.8%増、東海・中京圏0.9%増。
  • 首都圏や東北などが減少の一方で近畿圏、中国、四国などが増加。
  • 平均価格は6,556万円、㎡単価104.5万円。上昇幅が再び拡大。

ニュースで強調されるのは価格である。しかし市場の姿を決めているのは価格ではない。供給である。

過去25年のデータを並べると、日本のマンション市場がどのように変質したのかが見えてくる。本稿ではまず供給、そのあとに価格を見る。


ざっくり言うと

供給は長期的に縮小している

全国:マンション供給は構造的に減っている

新築分譲マンション発売戸数の推移(全国)

短期的には景気や税制で増減する。しかし長期トレンドは明確である。2000年代半ばをピークに供給は一貫して縮小している。

土地価格、建設費、人手不足、規制。供給側を圧迫する要因は積み上がっている。市場はすでに縮小局面に入っている。

首都圏:需要が強いのではない。供給が消えている

2005年以降、供給は明確な減少トレンドを描く。2014年4月の消費税増税前の駆け込み需要などで増える年はあるが、流れは変わらない。

2025年の首都圏供給は約2.2万戸。長期レンジで見れば歴史的低水準である。

価格が上がるのは需要が強いからではない。供給が足りないのである。

近畿圏:まだ供給が残る市場

近畿圏も長期的には減少している。ただし首都圏ほど急ではない。大阪の供給は上下しながらも一定の規模を維持している。

この差が、後の価格差につながる。

価格上昇は原因ではなく結果である

全国:2013年以降の単価上昇

2013年以降、単価は明確に上昇する。金融緩和の影響は確かにある。しかしそれだけでは説明できない。

供給が減れば価格は上がる。市場の基本的なメカニズムである。

首都圏:23区は別市場になった

1都3県の中でも23区は突出している。2025年の発売単価は210万円台に到達した。

ここではマンションは単なる住宅ではない。資産市場の一部として機能し始めている。

近畿圏:まだ住宅市場の性格を残す

近畿圏も価格は上昇している。ただし首都圏ほど極端ではない。供給が残る市場では価格の伸びも抑制される。

マンション市場は縮小均衡に入った

データを整理すると、日本の新築マンション市場の姿は明確である。

  • 供給は長期的に減少
  • 価格はその結果として上昇
  • 地域間格差は拡大

重要なのは「買い時」かどうかではない。市場がどう変わったかを理解することである。

マンションは大量供給される商品から、限られた立地に供給される希少資産へ変わりつつある。判断軸は価格ではなく立地と供給の持続性である。


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2025年6月1日、このブログ開設から21周年を迎えました (^_^)/
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