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羽田新ルート|固定化回避検討会などに係る国交省ヒアリング(24年7月29日)

羽田低空飛行見直しのための議員連盟の主催(協力:羽田問題解決プロジェクト)で7月29日、国交省へのヒアリングが実施された。

国会議員等と国交省との質疑応答を中心に以下に整理しておいた。

※以下長文。文末の「雑感」だけでもお読みいただければと。
※議事、事前質問・回答、国交省からの提供資料(PDF:8.3MB


もくじ

国交省へのヒアリング(日時、出席者など)

羽田低空飛行見直しのための議員連盟の主催(協力:羽田問題解決プロジェクト)で7月29日、国交省へのヒアリングが実施された。

  • 日時:24年7月29日(月)13:00~14:30
  • 場所:衆議院第一議員会館
  • 内容:
    • 固定化回避検討会
    • 新ルート増便効果
    • 1月2日の事故
    • 従来ルートでの運用実績
    • 羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会
  • 出席者 ※敬称略
    • 国交省(5名)
      航空ネットワーク部
      • 首都圏空港課
        • 東京国際空港環境企画調整室長 菅野昌生
          (7/1付異動 前 防衛省沖縄防衛局調達部次長)
        • 課長補佐 加島利明
        • 係長 齊藤和樹
      • 交通管制部
        • 交通管制企画課 調査官 柳川真宏
        • 管制課 課長補佐 白谷大輔
    • 質問者側
      ※進行:松原仁(衆院、無所属、議連・事務局長)
      ※以下、質問順。
      山添拓(参院、共産、議連・事務局次長)
      小池晃(参院、共産、議連・顧問)
      阿久津幸彦(前衆院、立憲)
      笠井亮(参院、共産、議連・副会長)
      宮本徹(衆院、共産)
      塩村文夏(参院、立憲、議連・事務局次長)
      阿部裕美子(都議、立憲、品川区)
      髙松智之((次期衆院公認候補、立憲、練馬区)
      羽田問題解決プロジェクト 大村究 代表

※区議会議員・区民など多数出席

会場風景
(会場風景)

主な質疑応答

国会議員等と国交省との質疑応答を中心に以下に整理した。※敬称略

  • 松原

    松原仁

    はい、なかなか十分な答弁と言い難い感じをしておりますが、議員の皆さんからご質問いただきます。いかがでしょうか。
  • 山添

    山添拓

    ちょっと固定化回避の検討会については前の会議の時にも状況をお聞かせいただき、聞かせていただけなかったのですが、その時にもかなり「それはどうか」ということで声もありましたので、もう少しご説明いただける現状があるんではないかと。

    また、逆に言うとそんなに難航してるってことはですね、安全性の検証にそんなに難航する事態だということは、もう回避できないってことなんですかね。
  • 小池

    小池晃

    やっぱり固定化回避検討会開かれない理由は、さっきの説明よく分かんないんですよ。

    検証が終わらない理由が何かっていうのは、固定化回避、乗員の負担が増してしまうみたいな説明したけど全く意味不明なんですよね。

    それから「公平な議論が阻害される」っていうことを仰いましたよね。どういう意味ですか。今の山添さんの質問を含めて開かない理由としては全く納得できない理由なんで、説明してください。
  • 松原
    今、2つをですね、やっぱり、私はなるべく喋らないようにしようと思って。固定化回避、2年間やらなかったと。今いつやるかっていうのをやっぱりある程度方向性を新担当者の方は仰っていただきたいなと思うんですよね。

    やっぱりそこをやらないと不誠実な印象がついてしまう。印象論も大事ですから。2年間やってないっていうのは非常にやる気がないように思われてしまうということで、今の小池さんの意見もそうだと思いますが、じゃあ答を。
  • 小池
    今のその通りですね。不正実だけじゃなくて、もしやらないで事故が起きたら、行政責任問われますよ。これが行政の不作為になりますよ。こんなことをやっていたら。
  • 松原
    ご答弁はどなた? 一番偉い方。
  • 白谷課長補佐
    まず、私の方から回答させていただきます。一点目の、もう少し具体的な説明をという点に関しましては、従来の説明とあまり変わらないんじゃないかとなってしまうかもしれませんけれども、今やっている作業というのは、第5回までは一つの方式として、一つの滑走路に進入するその安全性というものは確認されたところなんですけれども。

    一方で羽田空港の、先ほど冒頭申し上げた、今の滑走路の運用の仕方、要するに滑走路の使い方を変更することなく、固定化回避ができるかできないかという観点においては、その第6回を開く条件となってます。

    その同時に、羽田空港での、具体的な名称で言うと、A滑走路とC滑走路への進入、こちらを同時に行うことができるかどうかの安全性検証を行っているところになります。

    こちらについては、曲線だったりとか直線だったりとか、あと航空機の大きさだったりとか、小ささだったりとか、そういったものも含めて、ありとあらゆる可能性、気象条件もそうですけれども、そういったものを組み合わせながら安全性検証を行っているところです。

    こちらの方で、なかなかご説明が伝わりにくくて大変恐縮なんですけれども、その点においては、何か課題が、解決不可能な、という課題どうのこうのではなくて、何か課題があった場合は、安全性的に留意しなければならないことがあった場合には、その設定、条件をこうしたらどうだろうかとか、そういったものをPDCAじゃないですけれども、何度も何度も回しながら最適解を見つける作業となっていますので、そちらについては続いてのご質問というかご指摘に関連するところになるんですけれども、途中段階でこちらの方から「これで行き詰まっています」とか、そういったお話というのは、することで「じゃあやっぱりできないんじゃないか」とか、そういった意味で印象として委員の先生達にご報告する時に、率直な意見交換が阻害されるのではないかと判断してお答えしているところにございます。私の方からは以上になります。
  • 菅野室長
    あと加えまして、私も7月に着任をしたばかりではありますけれども、今日、固定化回避検討会をどうやっていくかというところは報告も受けていますし、私の頭でも考えているところです。

    やはり2年間、ちょっと開催できていないというのは、私個人的にも皆様にしっかりご説明できていないなというのは感じておりますので、いつまでにというのはちょっと今この場では申し上げられないんですけれども、速やかに開きまして、しっかり説明責任を果たしていきたいというふうに思っております。
  • 松原
    はい。とにかく2年間のブランクというのはありえないと思っています。やっぱりそれはもう真面目にやりませんというメッセージを地域に出しているのと一緒ですから。新しく7月に来られたので、新しい動きをしてください。

    他に、皆さん、どなたか。塩村さん、なんかある? はい、大丈夫?
    じゃあ、阿久津さん。
  • 阿久津

    阿久津幸彦

    すいません。今の件でもうちょっと被せてお聞きしたいと思いますけれども。
    先ほど白谷さん(課長補佐)の最初の説明から耳を澄まして聞いていたんですけれども、固定化回避検討会をやれば、その後に説明会を開くというふうに仰っていたと思うんですけれども、それから最後の菅野さん(室長)のお答えだと、速やかに固定化回避検討会をやりたいということも仰っているのですが、そこまで言っていれば見通しだけでもお話しできないですか。

    回避検討会をいつぐらいにやることになりそうか、あるいは自分はそうしたいと思っている見通しを聞かせていただきたいです。

    それから、私たちとしては進展がどこまであったからやるとやらないということではなくて、むしろ進展しないんであれば、それはそれで私たちにその状況を見せていただきたいんです。ぜひお答えいただきたいと思います。
  • 松原
    あともう一人ぐらい。じゃ、お願いします。
  • 小池
    さっきの新ルートの増便効果のところで説明、年間3万9000回のうち、結局1万1000回新ルートによる増便効果があるということですよね。という数字になると。3万9000回のうち1万1000回ぐらいが増便効果という理解でよろしいですね。
  • 菅野室長
    ご質問ありがとうございます。そうですね、「見通しを」というところで、ちょっとなかなか答えにくいところなんですけれども、あまりお正月を迎えるようなことはないなというのはちょっと私は思っておりますけれども、そこはちょっと今、明確なことをお約束はできない状況ですから、申し訳ございませんけれども、できる限り早くというところでは考えております。
  • 加島課長補佐
    はい。ご指摘は、新ルート、15時から19時の間の新ルート組み換えによる増便効果という問い合わせかと思いますが、1万1000回ということでございます。
  • 笠井

    笠井亮

    先ほど、固定化回避検討会が開かれないということで、なかなか検討会が開いてもっていう、事務方でちゃんと資料ができないという話だったみたいなんですが。

    検討会って8人の委員の方が検討会をやるわけですよね。この方々は2年間にわたって開かれていないということについて、「なんで言わないのか」とか、委員の方からそういうことはないんですか。

    検討するのは委員の皆さんですよね、事務方ではなくて、そこに事務方の方から、国交省から資料を提供すると。そこが先ほど中途半端だと返って議論ができないという話になったんだけど、どうなってるのか。委員の方々自身は、その座長の方を始めとして、この2年間やっていないことについて、何か言われていないですか。
  • 白谷課長補佐
    はい。委員の方から「開催しないのか」という問いに関しては、個別には頂いているところはございませんと承知しています。

    一方で、航空局側としても、座長であります屋井先生とはコンタクトを取っておりまして、そちらについては進捗の状況だとか、今の検討作業はこういう状況ですと、都度というほどではないですが、屋井先生とのコンタクトをする度に進捗についてはご報告させていただいて、取りまとめ次第改めてご報告ということで、特段、会の開催に迫られるような状況にはございません。
  • 松原
    今、新しい室長は前向きなお話をしたというふうに私は思っております。まだ7月に来たばかりで、なかなか発言ができない中で仰って頂いたと。

    私は今日、(国交省の)皆さんが入る前にいくつかの「なるほど」と思うような話がこの場でありました。それは質問というよりは、ぜひそれも検討会で一応見てもらいたいと、アイデアとして。

    それは検討会に出す時に、皆様はそれはもう現実的ではないと、例えば先ほどあった地上におけるオペレーションとか、それからコンビナートや原発の上を通らないはずが飛んでいるとか。こういったことについての疑念というのは、メディアネタにもなる懸念だろうと思っているんですね。

    とにかく2年間というのはブランクが長過ぎですから。我々別段、私なんかは非常識なことをしたいと思っているわけじゃないんですが、今の話で彼が言っている通りなんですよ。要するに固定回避検討会の座長のメンツが潰れるわけですよ、こんなことをやっていたら。

    だからあまりにもこれで固定化回避検討会しないようだったら、私の方で委員全員に連絡しますよ、悪いけど。「そんなじゃ話にならない、あなた方委員をやってどういうおつもりなんですか」と、私連絡しますよ。そういったこともさせないように、最低限の矜持を守らせていただきたいと思っております。

    ちょっと発言がない人もどうぞ。議員が先です、議員が先、議員が先。
  • 宮本

    宮本徹

    今、先ほど座長には説明されているという話がありましたよね。座長には経過を。その範囲で説明できることってないんですか、住民の皆さんも含めて委員に対して。

    全く何をやっているかというのは分からない状況で、もうやる気がないんじゃないかというふうに思われています。私も質問主意書で固定化のためにやっているんじゃないかと書かせてもらいましたけれども。

    そうじゃないと。秋から年内には開くということですけれども、今の検討状況、話せる範囲でもうちょっと話していただけないですか。
  • 塩村

    塩村文夏

    意見の前にちょっと、この(配布資料に関して)離陸と着陸の見方について、後からちょっと質問がありますので、個別に教えてくださいというのが1点と。

    今ちょっと議論を聞いておりまして、前からお伝えしているんですよ。基本的に中立という形で判断したいと思っているんですけど、前回も同じことを申し上げたんですけど、やっぱり説明が全然足りていないので、これで理解しろと言われても、ここにいる私も全くもって理解ができないような状況です。

    検討会も2年も開かれていないということは、座長に先ほど松原先生が連絡しなければいけない状況に陥っているんじゃないかということもあったんですけれども、私も同じ意見で、2年も開いていなければ皆さんの疑念が膨らむばかりで、これだと理解を一緒にしていこうと言っても無理だと思うんですよ。

    だからやっぱりその検討会というのは、住民の不安に寄り添える方になっていただいて、しっかり対応しなければいけないというふうに思いますから、ちょっとその検討会の方を委員の皆様に、私たちの件をしっかり伝えていただいて、住民の皆さんの疑問に答えられるような、そういう検討会にして欲しいということは強く伝えていただきたいと思っています。以上です。
  • 白谷課長補佐
    頂いたご意見とご指摘については、十分私としても受け止めておりますし、もう本当にお知らせできることがございましたら、当然ながらお話しする機会はあるんですけれども、私の思いだけで言っても仕方ないところもありますが、答えとしてはお示しできる段階になりましたら、遅滞なくお示しするつもりです。

    その一方で、固定化回避検討会というのを早期開催というのが求められているというのも承知しておりますので、先ほど言った安全性検証、こちらの方、スタッフ含めて速やかにやっていくと。

    この作業が遅いんじゃないかというご指摘もごもっともだと思います。そこは鋭意頑張っていると。決してスタッフが怠けていると思っていませんので、そちらの方はネグレクトしているというふうには受け止められずに、やれることをやっていただいているんだというふうに、この拙い説明で受け止めるのも難しいかもしれませんけれども、ご理解いただければなと思います。
  • 菅野室長
    冒頭に松原事務局長から、こういったご意見があると。地上のオペレーションをちょっときちんとやれば、海から入って海から出てくることもできるんじゃないか、などなど頂いたところです。こういったものは固定化回避検討会の中で検討をして頂くというアイデアも頂きました。

    仰る通りといいますか、羽田空港、日本の玄関口として様々な方にご利用いただいておりますので、こういったご意見を踏まえながら検討できるものは全て検討して、しっかり前に進んでいきたいというふうに思っておりますので、また今後とも色々ご指導いただければというふうに思っております。
  • 山添
    それはちょっと違うんじゃないかと。元々この固定化回避の検討が、先ほどご説明があったように、A滑走路、C滑走路の今の運用を前提にして、それでルートの固定化を回避できないかという話だったと思うんですね。

    今、松原さんからお話のあったのは、これまでの南風の時の運用を前提に、つまり新ルートではないルートを前提に、別の滑走路の運用が工夫できるんじゃないかという話で、その検討をするのであれば、この固定回避検討会の位置付け自体が変わるということだと思うんですね。

    それを宣言されるなら、それは是としたいと思うんですけど、そういう趣旨なんですか。
  • 松原
    じゃ、ちょっと分かった。彼(菅野室長)は7月に来たばかりだし、私も落合になって考えておりましたので、そこはちょっと1回すり合わせしましょう、1回。彼のせっかくやりましょうと言ってるんだから。そこをやってもらえるかどうかも含めて検討しましょう。

    それから、こちらの皆さんは何かご質問がありますか。
  • 阿部(都議)

    阿部裕美子

    色々とご説明ありがとうございます。都議会議員の阿部祐美子と申します。まず今のお話なんですけれども、海から入ってから海から出るということも検討の俎上に載せる可能性があるというふうに受け止めさせていただいてよろしいでしょうかというのが1点と。

    先ほどから出ております固定回避、2年間空いているということなんですけれども、そもそもの皆様方の問題意識として、回避した方がいい、回避しよう、固定化回避すべきだけれども技術的にどうなるかわからないから検討しているという立ち位置であるのか、それとも固定化回避の検討会を開けと言われたから、一応会議体を持っているけれども、固定化回避は別にしてもしなくてもいいという考え方であるか、ちょっとスタンスを教えていただきたいです。
  • 松原
    事務局長が答える話ではありませんが、何をテーマにするのかというのは、おそらくあらかじめ一定の範囲があったと思います。それは取っ払うこともできるんだろうと、私は思っています。固定化回避という概念的なものを考えてからは。そこは固定化回避検討会の最初の眼目と若干異なっても、検討していただきたいってのは、私の要望です。

    今、山添さん、弁護士の山添さんから話がありましたが、弁護士的に厳格に行けばそれが入っていなかった話でないかという話になって、私はそれは考え方の中で固定化回避という言語そのものの意味を尊重するならば、それは議論の中に入ってもいいというのが私の認識で、そこはまた色々協議してもらった方がいいというふうに思っています。

    後段については当たり前の答弁が出てくると思いますが、後で聞かせてもらってください。

    それから、高松さん、何かありますか。せっかくですから。
  • 髙松智之(衆院候補)

    髙松智之(衆院候補)

    ありがとうございます。今の阿部さんの質問にも関連するんですが、都議会や区議会への個別説明や住民説明会の、こういった住民要望があるという、さっきお答があったとおもうんですが、その際には、「固定化回避に努めている」とかどういう表現が、固定化回避に関してはどんな表現がされているのか、というところをちょっと伺えればなというふうに感じました。以上です。
  • 菅野室長
    ちょっと答えられる範囲で回答させていただきますけれども、固定化回避検討会の範囲を超えて議論するかどうかというところも含めて、ちょっと検討させてください。ちょっとこの場で今、何かこう決定に向けて申し上げられるような話ではないので、こういったご意見があるというのは承知しました。深く認識しましたので、こういったところも含めて議論させてください。

    それから、固定化回避についてどういうスタンスなのかというご質問をいただきました。今のルートを変えることで、より良い経路下に住まわれている方の影響が軽減されるような、皆さんにとってメリットのあるものであれば意味があるというふうに思っています。

    あと何でしたっけ。
    市町村への説明の仕方なんですけれども、やはり安全性の検証ですとか、それから1月2日の航空機事故を受けての取りまとめを先月行いましたけども、そういったところも踏まえた上での検討を行っているというお話はさせていただいております。それ以上のことは、ちょっと市町村への説明内容としては申し上げております。
  • 松原
    じゃ、大村さん。
  • 大村(羽田問題解決プロジェクト代表)

    大村(羽田問題解決プロジェクト代表)

    大村でございます。私、事前質問で先ほど回答いただいたことに、ポイントごとに確認をさせてください。全部聞いてまとめて聞いちゃうとちょっと話が飛んじゃうので、簡単な質問なんで1点ずつ答えていただけますか、この順番に沿っていきます。
    最初に、米当局とやり取りしていますかという話で、RNP+WPはしていると、APに関しては、新しい方式、そこはやり取りしてないですか。
  • 白谷課長補佐
    確認させてください。ARのことでよろしいでしょうか。RNP+ARという進入方式がございますけれども、こちらの方は特にFAA(連邦航空局)が珍しいものではなくて、国際的に基準がありますので、特にFAAと特化した意見交換は行っておりません。
  • 大村
    はい、ありがとうございます。次が先ほど1度小池さんからも質問があったんですが、我々の認識は、3万9000回増やしたけれども、実際に1万3000回のD滑走路処理がある2万6000回は新ルート組み換え効果だと理解してたんです。ところが、先ほどの説明では1万1000回だけ。ということは、従来ルートに戻しても2万8000回(=3万9000回-1万1000回)は増えたままの状態でいけるという理解でいいということですね。
    3万9000回のうち1万1000回以外は従来ルートでもできるというふうに説明を理解したんですが、さっき、びっくりしながら。そういう理解でいいんですね。
  • 白谷課長補佐
    はい、ご回答いたします。都心経路、都心ルートを利用しているのが15時から19時の間の3時間程度ということになりますが、そちらの組み換えによる効果というのは1万1000回ということです。
  • 大村
    北風ルートは午前中も午後も、一応荒川に曲げるとかやっているじゃないですか。
  • 白谷課長補佐
    はい、そちらの方もそういったものも含めますと、2万6000回のうち荒川ルートの効果というのもございますが、1万1000回については15時から19時の間の新経路の利用による数値というふうになっております。
  • 大村
    そんなことは聞いてないですよ。新ルートを従来ルートに戻したときに、1万1000回を除く数字は2万8000回実現できるというふうに仰ってるように文章が読めるんで、本当ですかって聞いたんですよ。
  • 白谷課長補佐
    はい、先ほどからお答えしている内容にはなるんですが、15時から19時の部分については1万1000回というところになります。
  • 松原
    これはもう事実関係だから正直に言えば、つまり、引いたらその数になるわけですよね。3万9000回引く1万1000回は。数学の問題としては2万8000回でしょ。言いたくないのは分かるけど、引いた数字になりますとぐらいは言えるんじゃないの? そういうことでしょ、理解は。いいんですね。
  • 白谷課長補佐
    はい。
  • 松原
    ということです。
  • 大村
    はい。すごい、すごい回答だと思います。
    次、事故の件のところですが、先ほど色々お話あったんだけども、結局強化する、管制を強化するってことは、今のままでは羽田の今の能力を維持することはできないから増やすという理解でいいんですか。
  • 柳川調査官
    現状においては、維持ができている体制は整っております。ただ、一方で中途退職であったり、育児休業等の方の欠員がどんどん増えている傾向がやはりありますので、今後を見据えた場合、中途退職の方とかが増えていくと、維持が不可能になるというところで、維持拡充のために管制官の人的採用、人的対応の強化等が必要だという提言をいただいたということになります。
  • 大村
    分かりました。減らないようにはするということですね。はい。

    もう一点。先ほど否定されましたね。将来的な航空需要の増大をというふうに今回の事故報告中間報告にあったけども、それは考えていないと。羽田と成田とで50万回ずつ増やして100万回にする。それが2030年代の運用になると、そういう理解でいいんですね。2028年に成田が3本目ができれば。新たな航空需要は想定していないということでいいんですね。
  • 菅野室長
    現時点で公表されているものとしては、羽田と成田で50万回、50万回の100万回というところです。現時点ですので、それは将来になって航空需要がさらに伸びる可能性もありますので、将来のことはちょっとお約束できませんけども、現時点ではというところで100万回ということになります。
  • 松原
    大村さん、今の部分の議論は政治家がする議論だから。
  • 大村
    はい、分かりました。
    最後に、せっかく非常にディティールの資料を作っていただいてありがとうございました。これをずっと待っていたんで。私、この資料を見て、実は現状の能力との見方が難しいので、私の方でわーっとチェックしてみたんですけども、すごい事実がありまして、3月の方、これ見ていただくとちょっと大変なんで説明しますが、北風はいいです。南風のルートの右半分の方で、まず最初は3月14日の18時(筆者注:「17時」の間違い)から新ルートで94回飛んでいます。

    確かに離発着で。次は3月17日の17時台、新ルートの時間だけど従来ルートを使ってるんですね。なんか風の問題とかあったんでしょう。従来ルートで95回飛んでいます。80回が基準値と言っているのに。従来ルートで95回飛んでいる。間違いないですね。

    それから、3月29日の19時台、従来ルートで90回飛んでいます。それから30日は新ルートで90回飛んでいます。それから31日は従来ルートで午前中に95回飛んでいます。

    要はこの資料を見ると、どっちがたくさん飛んだというのは3月の南風運用は数少ないですから、ただ最大値として、ポイントはこれを見るだけでも、新ルート運用よりも従来ルートの方が1時間に飛んでいる数が95回。80回しか最大値、というと違うといわれるから、時間値が80を90にしたということでしょう、新ルートは。

    ところが、時間値80において95回飛んでいるわけですよ。時間値90にしても94回しか飛んでいない。この事実を見ると、そもそも新ルートが本当に増える合理性があるのかと正直思ったんですね。それに対してご見解を。
  • 松原
    細かい数字ですが、従来ルートでも行っちゃうよという話だと思うので、この場でなかなか事は重いので、ご答弁できなければ、答えられる範囲でお願いします。
  • 加島課長補佐
    はい、すいません。ただいま頂いた質問なんですが、まだ数字の方の精査はできておりませんので、こちらの方でもちょっと確認等させていただければというふうに思います。
  • 松原
    さっきの2万8000回も含めて、言いたくない数字かもしれないけど、計算したらそうなるということだから。極めて重大な、こういう資料を勇気を持って出してくれたことは非常に良かったので、こういったことが議論を深めるところです。

雑感(7/1付着任の菅野室長の前向きな姿勢に注目)

ヒアリングにおける主な論点は二つ。

一つ目は、固定化回避検討会が2年以上開催されていないことについて。

安全性の検証に時間を要しているという白谷課長補佐(交通管制部 管制課)の従来の残念な説明に対して、”一番偉い人”(←松原議員の言い方)である菅野昌生室長(航空ネットワーク部 首都圏空港課 東京国際空港環境企画調整室)の次のような前向きな姿勢が注目される

やはり2年間、ちょっと開催できていないというのは、私個人的にも皆様にしっかりご説明できていないなというのは感じておりますので、いつまでにというのはちょっと今この場では申し上げられないんですけれども、速やかに開きまして、しっかり説明責任を果たしていきたいというふうに思っております。

固定化回避検討会の範囲を超えて議論するかどうかというところも含めて、ちょっと検討させてください。

二つめは、従来ルートでの運用実績について。

今回国交省が提示した24年2月1日から3月31日の時刻別・離発着便数データによれば、従来ルートにおいて離発着で1時間当たり90便を超えている日があることから、新ルートを運用しなくても対応できるのではないのか、という大村究氏(羽田問題解決プロジェクト代表)の指摘に対して、国交省が的確に反論できなかったことだ。

あと、7月1日付で異動してきた菅野昌生室長が羽田新ルート問題に前向きな姿勢を示しているのは、まだ状況を正確に把握していないからなのか、あるいは異動前の防衛省沖縄防衛局調達部次長としての経験がそうさせているのか。要経過観察。

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