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参院「決算委員会」山添議員(共産)『羽田空港衝突事故と航空管制官の体制問題』

第213回 国会参議院「決算委員会」において5月13日、「羽田空港衝突事故と航空管制官の体制問題」山添拓議員(共産党)の質疑応答があった。

ネット中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約9千文字)しておいた。

※以下超長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※「局長」とあるのは、平岡航空局長のこと


管制官の人数について

山添 拓 参議院議員
山添 拓 参議院議員(共産党、2期、東大⇒早大大学院法務研究科、39歳)

山添:管制官の数は2000人前後と横ばい。大臣の認識?

日本共産党の山添拓です。1月2日、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突・炎上をする事故が起きました。機体が全損する事故は国内では15年ぶりであり、日本航空では御巣鷹のジャンボ機の事故以来38年ぶりと伺います。

事故の直接の原因は、海保機が許可なく滑走路に進入したこととされますが、なぜその事態が生じ、なぜそれが事故につながったのか、徹底した究明と対策を求めたいと思います。

事故の背景の一つとして指摘されてきたのが航空管制ですが、特にその人的体制に関わって今日は質問したいと思います。


資料お配りしています。過去20年の航空管制官数の推移です。全国で航空機の取り扱い機数は1.6倍に増加していますが、管制官の数は2000人前後と横ばいです。まず大臣の認識を伺いたいと思います。

大臣:管制官の計画的な要請に努めてまいりたい

斉藤鉄夫 国交大臣
斉藤鉄夫 国交大臣
(公明党、衆議院議員10期、東工大院卒、元清水建設技術研究所研究員、72歳)

航空管制官の定員につきましては、厳しい定員事情の中、航空便の増加などへの対応に必要となる管制官を配置してきておりまして、平成15年度末で1,866名であったのが令和5年度末には2,031名となっているところでございます。

国土交通省としては今後の航空需要の動向や今般の羽田空港における航空機衝突事故を受けた外部有識者による検討委員会における議論も踏まえまして、さらなる体制強化の必要性を検討するとともに、管制官の計画的な要請に努めてまいりたいと思います。

山添:いまこの人数は十分?

大臣、いまこの人数は十分だとお感じですか。

大臣:検討委員会、検討させていただいております

今、今回の外部有識者による検討委員会におきまして、そういう点も含めて検討させていただいております。

山添:人数の中には訓練生も含まれてますよね

大臣自身の認識もぜひ示していただきたいと思うんですけどね。国交省に伺いますけど、この人数の中には訓練生も含まれてますよね。

局長:訓練生も含まれております

平岡成哲 航空局長
平岡成哲 航空局長(東大法卒、1989年旧運輸省入省、57歳)

お答えをいたします。訓練生も含まれております。

山添:飛行監視席、要求通りに定員が認められてきた?

訓練生というのは、新人だけではありません。航空管制は空港によって違いがありますので、異動で初めての空港に配置されると、経験のある職員でも訓練が必要になると伺います。

羽田のように、巨大な空港では1年以上かかるとも伺います。訓練中の職員が1割程度いるような職場も珍しくないそうです。

管制塔で着席する管制官は、滑走路やレーダーの監視、航空機との交信、地上の職員との交信などを担当します。取り扱い機数が増えているにもかかわらず、管制官の人数が大きく増えない中、1人当たりの業務量が増加しています。


現場の職員で作る国土交通労組は2001年以降、安全体制強化のための飛行監視席を設け、増員するよう要求してきました。それがようやく2018年度から、ごく一部ですが新規で定員がつくようになったと伺います。

飛行監視席はどのような役割を担うものなのか、国交省はこれまで何人要求し、その要求通りに定員が認められてきたのかどうか、お答えください。

局長:羽田には現在6名を配置

お答えをいたします。飛行監視席でございますけれども、パイロットと管制官の無線交信を聴取し、管制指示とパイロットの復唱に差異がないかを確認することで、言い間違いや聞き間違いなどを原因とするヒューマンエラーが事故につながらないよう監視する役割を担っているところでございます。

平成30年度から配置を開始いたしまして、令和5年度末時点で全国で27名、このうち羽田には現在6名を配置しているところであります。

山添:飛行監視席の定員が1人、足りないんじゃ?

ヒューマンエラーを防ぐために、航空管制官のもう一つの目、耳として飛行監視体制というのが取られるようになったということでした。

今ご答弁にあったように、羽田では2023年度から6人の配置になったと伺います。ただ24時間空港では、6チームでシフトを組んで行きますので、6人ということは1チームあたり1人の定員配置とこういうことになろうかと思います。

しかし、羽田は常時3本の滑走路を運用するわけです。飛行監視席の定員が1人なら、1人が3本の滑走路を同時に監視する、こういうことになります。足りないんじゃないんですか?

局長:勤務表の工夫などにより必要な席に適正に配置をしている

お答えをいたします。飛行監視席も含めまして必要な要員につきましては、勤務表の工夫などにより必要な席に適正に配置をしているところでございます。

誤進入防止の監視担当者について

山添:飛行監視席の職員、誤進入防止の監視担当者も兼ねている?

必要な要員は必要にとおっしゃるんですけれども、そもそも飛行監視席というのは複数の滑走路同時に見なければならないわけですね。そして複数の無線を同時に聞くわけですよ。複数の滑走路を同時に見て複数の無線を同時に聞く、聖徳太子かという感じですよね。


もう1つの目、耳と言いながら、それが1人ではとても足りないというのが現場の実態だと伺います。羽田の場合、この飛行監視はタワー・コーディネーター、TCと呼ばれるシフトが当てられています。

このTCというのは、風向きが変わって滑走路の運用を変更する場合の対応や、滑走路に向かっていた飛行機が乗客の対応などで引き返すようなイレギュラーが生じた時にはその全体をコーディネートする、そういう対応も行う。つまり、トラブル対応の役割も兼ねているということなんですね。


資料の2枚目をご覧ください。国交省は1月の事故後、滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員を配置したと発表しました。羽田や成田など7つの空港で配置と、この資料にも書かれています。

しかし、実際には新たに要員を配置したのではなく、他の業務と兼務もさせています。先ほど述べた飛行監視席の職員がこの誤進入防止の監視担当者も兼ねているというのが現状じゃありませんか。

局長:監視席のものとは別のものを現在配置

お答えをいたします。ご指摘の監視担当者につきましては、航空の安全、安心を確保し、国民の信頼を回復するため、事故直後に緊急対策として、既存の人員体制の中で滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員として配置したものでございます。

この常時レーダー監視する人員につきましては、先ほどの監視席のものとは別のものを現在配置をさせていただいているところでございます。

山添:事前にご説明いただいた説明とは違う

いや、それは私に事前にご説明いただいた説明とは違うんですね。

飛行監視、タワー・コーディネーターのような、そういう方がつまり、1本の滑走路を担当してるのとは別の、常に監視できるようなそういう役割の方が、この常時レーダー監視も担ってるんだ、と先週そうご説明いただきましたよ。

局長:調整担当が2名、その1名を常時レーダー監視

タワーの中には飛行監視席の方の他に調整担当という方がいます。この調整担当が2名いたところを集約をいたしまして1名にして、その1名を常時レーダー監視する人員として当てているとこういう状況でございます。

山添:事前の説明とも違います

事前の説明とも違いますので、確認した上で委員会に説明を求めたいと思います。

議長:後刻、委員会で協議します

はい。後日、後刻、委員会で協議します。

管制官の管理体制について

山添:管制官の着席にかかる規制値、(制限超え)過去何件?

飛行監視席というのは複数の滑走路を目視し、複数の無線を聞き分け、ヒューマンエラーがあれば介入するという役割を負っています。

同時に、この誤進入防止のレーダー画面を常時監視する役割も担っている実態があるということを説明も受けていました。


今変えたということであれば、それはそれで何かご答弁ありますか……、ありあせんか。改めて答弁、説明をいただきたいと思います。


監視業務というのは、瞬時の判断が安全に直結し、緊張を伴う業務です。そこで、ICAO、国際民間航空機関は、疲労リスク管理というシステムの導入を各国に推奨してきました。

資料の3枚目をご覧ください。2021年度から日本でも導入されております。そこにありますように、管制官の着席にかかる規制値として対空通信を行う管制席は着席時間2時間までと。また、連続着席時間は4時間まで、あるいは、勤務時間連続7日間まで。勤務間インターバルは11時間以上などというものです。


制限を超えた場合には報告書をあげることになっていると伺います。過去何件出されているでしょうか。

局長:過去4件

お答えをいたします。過去4件でございます。

山添:連続着席時間の制限を超え、報告された例はない?

4件だというんですね。そのうち、3件は国葬の対応で連続勤務が11時間以内という規定を超えたというものだと伺っていますが、連続着席時間の制限を超えたとして報告された例はないわけですね。事実ですか。

局長:ございません

ございません。

山添:時間離席をしたのかどうか、記録表がありますか?

それはですね、にわかには信じがたいんですね。対空通信の2時間、あるいは連続着席の4時間を超えるシフトを組んだ場合は、シフト表に警告表示が出ます。その場合にシフトを変えるのかと思いましたら、そうではなく、警告が出たシフト通りに勤務に入っていくそうなんですね。そして、連続時間を超えたとしても、管理職が確認して承認という処理をしているんだと伺います。


航空局に羽田の実際のシフト表を見せていただきましたが、どの時間帯でも複数の職員に警告表示が実際出ているようでした。

連日、警告が出ているのにオーバーしたという事例は一度もないという報告書の扱いになってるそうなんです。管理職は連続時間を超えた後、職員がどのぐらいの時間離席をしたのかどうか、記録表がありますか。

局長:適切に措置をしている

お答えをいたします。連続着席時間の超過など、基準に適合しない恐れがある旨の注意喚起がシステム上をなされた場合につきましては、管理職員が当該職員に一時休憩を取るよう指示するなどを適切に措置をしているところでございます。

山添:記録はありますか?

ですから、その一時休憩が何分取られたのか、記録はありますか。

局長:記録はございません

お答えいたします。一時休憩を取るように指示をしておりますけれども、一時休憩が各人何人であったかという記録、どのくらいであったかという記録はございません。

山添:実態を確認して、運用も改めていくべき

ないんですよ。ですから、トイレに行ったり、交代するために一時席を立って、そして入れ替わりましたと。これでも離席時間はリセットされたということになってしまう扱いのようなんですね。


国交省は2021年度に制度を導入した際には、2時間の着席時間の後は10分以上、4時間なら20分以上、最小時間を定めて離席時間を確保するように通達を出してきたはずです。

ところが、実際には、離席時間の長さを確認してもいない。それで果たして、連続した緊張が緩和されると言えるのでしょうか。

現場の職員からは、「管理職が一括で承認していて、実情が把握されていない」こういう声があります。これは大臣にできたらご答弁いただきたいんですが、実態を確認して、そしてこの運用も改めていくべきなんじゃないかと思いますがいかがですか。

大臣:有識者委員会、結論を待ちたい

現在、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、有識者委員会で管制業務のあり方についても今鋭意検討させていただいております。そういう中で疲労管理についてどうあるべきかについても議論いただいておりますので、そこでの結論を待ちたいと思います。

山添:有識者会議に、実態把握するよう求めていただきたい

有識者会議に、実態についても把握するよう是非求めていただきたいと思いますがいかがですか。

大臣:そこはしっかりお願いしたいと思います

それは議論いただく大前提ですので、そこはしっかりお願いしたいと思います。

定員合理化計画について

山添:過去5年、管制官の欠員は?

私はやはり、そもそも航空管制官が足りてないのではないかという疑問があります。過去5年、管制官の欠員はどうなっていますか。

局長:平成31年当初は38名、令和6年当初は91名と拡大

お答えをいたします。管制官につきましては、航空の安全確保に欠かせない役割を果たしており、航空需要の増加に対応した必要な体制を確保するため、これまで新規配置の必要性や退職者数などを勘案しながら計画的な育成、採用を進めてまいりました。

また、管制官の定員につきましては、年度途中の育児休業やワークライフバランスの推進の観点から一定度の欠員が生じることを前提に、必要数を確保しているところでございます。

しかしながら、近年、育児休業や中途退職などが増加傾向にあることから、平成31年当初は38名であった欠員が令和6年当初は91名と拡大しているところでございます。

現時点では、航空の安全に必要な要員は確保しており、業務遂行に支障が生じる状況にはありませんが、中途退職などが増加傾向にあることを踏まえると、より安定的な業務実施体制を早期に確立する必要があると考えております。

このため、採用数の拡大も含めて、必要な施策を検討し航空の安全に万全を期してまいりたいと考えております。

山添:今年度は120人とすることが人事院のホームページで発表

欠員が実際にはあるというお話でした。今航空の安全のために採用数の確保もということだったのですが、管制官は採用後8か月間航空保安大学校で研修を受けます。現場で不足している以上はこの新規採用数を増やしていくことは必須だと考えます。今年2月、この間85人だった採用者数を、今年度は120人とすることが人事院のホームページで発表されました。国交省に伺いますが、増やすんでしょうか。

局長:採用予定者数は現時点では約85名

答えをいたします。2024年度の航空管制官採用試験の採用予定者数は現時点では約85名となっております。しかしながら、先ほど申し上げた通り、育児休業や中途退職などが増加傾向にある状況を踏まえまして、より安定的な業務実施体制を早期に確立するため、採用数の拡大も含めて必要な施策を検討し航空の安全に万全を期してまいりたいと考えております。

山添:120人、これは間違いですか?

いや、120人というのが出たんですけども、これは間違いですか。

局長:120人という人数は誤り

お答えをいたします。120人という人数は誤りでございまして、現時点では約85名となっております。

山添:本当に間違いなんですか?

かつて120人採用していた時期もあったと聞くんですね。今期から増員していくということも可能なはずだと思うんですよ。今日、人事院にも来ていただいているんですが、本当に間違いなんですか。国交省に聞くと人事院のミスだというふうにおっしゃってたんですが。

荒井人材局長:約85名、国土交通省から報告を受けており

荒井仁志 人材局長
荒井仁志 人材局長(東大法卒、1988年旧自治省入省、58歳)

お答えいたします。2024年度に実施をいたします航空管制官採用試験の採用予定数につきましては、約85名というふうに国土交通省から報告を受けており、そのように承知をいたしております。

山添:採用者数、増やしていくべき

120人と1度出たものですからね。全国の管制官が配置されてる官舎では、情報も周知されて、期待も高まっていたそうです。ところがミスだと片付けられて混乱と失望が広がっていると伺います。大臣、少なくとも採用者数、やはり増やしていくべきなんじゃないでしょうか。

大臣:検討委員会での議論の結論を待ちたい

最初に答弁申し上げました通り、今だんだん増やしていって増加傾向でございます。そして先ほど局長から答弁しました通り、いろいろな育児休業等で休職する人も増えてるという状況の中で空の安全を守るためにどういう人員が必要か我々もしっかりそのことは言いながら先ほど申し上げた検討委員会での議論の結論を待ちたいと思います。

山添:管制業務に携わる職員、定員削減はどのように進められてきた?

増やしていくという方向を是非示していただきたいと思うんですね。


資料の4枚目をご覧ください。総人件費抑制の政府方針の下で、国家公務員は定員合理化目標が課され、削減が続けられてきました。5年で1割、国交省だけでも今年度までの5年の削減目標が6,176人に上ります。航空管制官など管制業務に携わる職員において定員削減はどのように進められてきたんでしょうか。

局長:厳しい定員事情の中、管制官の定員数は近年増加傾向

お答えをいたします。定員合理化につきましては、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」に基づき、府省全体において定員の毎年2%の合理化目標が掲げられており、航空管制官も所要の定員の合理化を実施しているところであります。

一方、1人当たりの業務負担が過大とならないよう、適切な体制を確保すべく航空便の増加等への対応に必要な増員要求を行ってきたところです。この結果、厳しい定員事情の中、管制官の定員数は近年増加傾向にあるところでございます。

山添:定員合理化計画、数字ありきの目標、もうやめるべき

増加傾向と言っても取扱機数の増加に見合うような、そして現場の逼迫した状況を改善するのに見合うような増加ではないと思うんですね。

今おっしゃったように、新規の業務があると理由をつけて新たな定員をつけても、一方で合理化が進められていますから、全体としては人数が大きく増えることにならないという現状があります。

羽田や成田のように機能強化で新規業務の理由付けができるところは増えますけども。たとえば、中部空港のように新規業務がない空港では取り扱い機数が増えていても定員は増えていないということでありました。


内閣人事局に伺いますが、前回の定員合理化計画は2019年6月21日に閣議決定され、今年度で5年を迎えます。来年度から5年間の計画がこの先6月頃にも閣議決定されると見込まれていますが、この定員合理化計画、数字ありきの目標、もうやめるべきなんじゃないですか。

阪本人事政策統括官:今後5年間で必要となる定員の合理化のあり方、方針を検討してまいりたい

阪本克彦 内閣人事局人事政策統括官
阪本克彦 内閣人事局人事政策統括官(東大経卒、1989年総務省入省)

お答え申し上げます。国の行政組織の定員の合理化でございますが、こちらは定員の合理化を行うことそれ自体を目標とするものではございませんで、まさに業務の縮小や見直しによりまして合理化できた定員を原資といたしまして、府省の中あるいは府省を超えた定員の再配置を進めると。それによって真に必要な部分に適切に定員を配布するために策定しているものでございます。


ご指摘の航空管制官につきましても、こうした行政全体で行った定員の合理化をも原資といたしまして、航空の安全安心の確保に対応するための体制整備などに増員措置をしてきた結果、先ほどもご説明ありましたが結果的にその定員は純増となっておるところでございます。


いずれにいたしましても、新たな定員の合理化計画の策定でございますので、デジタル技術の進展、あるいは先ほど来お話ありました人材確保の困難化など、公務員をめぐる様々な厳しい環境、そういったものに対応しながら引き続き行政事情の変化に対応しましたメリハリのある定員配置というものを確保する、そういった観点から今後5年間で必要となる定員の合理化のあり方につきまして方針を検討してまいりたいと考えております。

山添:合理化計画を作らせ、実行を迫っていくやり方をやめるべき

今結果として、定員は増えているんだと。管制官について増員されているんだとおっしゃいました。

だったら減らす目標を現場に課す必要はないんじゃないですか。減らしてから増やすんだ。結果として増えたんだと。しかし、それは初めに定員合理化を目標作らせ、それに従わせるというプレッシャーが前提となってると思うんですね。

現在の定員合理化方針のもとになってる2014年の閣議決定では、既存業務の増大への対応は組織内の再配置によることを原則とすると書いてありますよ。新規増員は現に抑制するとあります。だから抑制が前提になってるじゃないですか。それを改めるべきではないかと。

こういう部署もあるわけです。必要とされてる部署があるわけですから。もう合理化計画を作らせ、それを実行を迫っていくというやり方をやめるべきじゃないかと、こう伺ってるんですけど、いかがですか。

坂本 人事政策統括官:航空管制官定員は全体として増加している

お答え申し上げます。まさにこの先ほど申し上げましたが、この定員合理化計画、その数字ありきで何かをやってるというわけではなくて、5年間にどのような業務の見直しを行い、そして計画的に合理化を行っていただくというものでございます。

まさに国土交通省の航空管制業務におきましても、デジタル技術の活用などにより合理化が可能な定員の合理化を行っていただいておりますが、一方で航空需要の増加、あるいはこれまでのインシデント対応など必要な増員を措置してきたところでもございます。

その結果、これも繰り返しになってしまいますが、航空管制官定員は全体として増加しているという状況にございます。

山添:数字ありきで定員の合理化を各府省に押し付け、やめるべき

今数字ありきじゃないとおっしゃったんですけども。

では年間2%ってのは何なのかということになりますよ。大臣にもこれを伺いたいと思います。

管制官だけじゃないです。地方運輸局や地方整備局や気象庁、国交省の定員はどんどん減らされて、増えているのは海上保安庁ぐらいです。これでは現場が持たないですね。

閣議決定は大臣も出席して行われるかと思います。数字ありきで定員の合理化を各府省に押し付けるようなやり方はもうやめるべきだと、総理にも担当の河野大臣にも、大臣からも進言されるべきじゃないでしょうか。

大臣:しっかり充足されるように我々も頑張っていきたい

2014年に閣議決定された「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」、これは政府全体で取り組んでいるものでございます

国土交通省も政府の一員でございます。政府の一員でこの方針で定員の合理化に取り組んでいくんですが、しかし、先ほど来申し上げましたように、重要な部分にはしっかりこれ人員を当てていかなくてはならない。

地方整備局等も地元から増やしてほしいという強い要請がありまして、いま各地方整備局も増えております。そしてこの管制官も先ほど来答弁申し上げましているように増えております。そういう意味で必要なところにはしっかり充足されるように我々も頑張っていきたいと思います。

山添:人件費抑制を理由に人減らしありきというのはやめるべき

私は前提としてこういう合理化計画、目標から入るというやり方をそろそろ改めるべきだと思います。コストカット型経済からの転換とおっしゃってるわけですから。

人件費抑制を理由に人減らしありきというのはやめるべきだと、重ねて申し上げまして質問を終わります。

雑感(羽田空港の管制体制は大丈夫なのか…)

管制官の欠員が、この5年間で38人から91人に拡大しているという。

今年度の採用数120人(人事院発表)は、85人が正解(人事院のミス)だったという国交省局長の答弁。

インバウンドで機数が増加している一方で、管制官の育児休業や中途退職などが増加傾向にあるという。

2023年「世界の混雑空港ランキング」3位の羽田空港の管制体制は大丈夫なのか……。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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