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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和5年度 第2回幹事会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和5年度 第2回幹事会」が23年12月26日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿24年1月30日(追記24年2月29日)


もくじ

都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が1月29日17時、「令和6年1月29日」に変っていた。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第2回幹事会」が追記されたことに気づく(次図)。

毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いと思われても仕方あるまい)。

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について

リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「各区市の意見等」(PDF形式)が掲載されている。

会議の概要
  • 会議名 令和5年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会(第2回)
  • 開催日 令和5年12月26日(火曜日)
  • 出席状況
    • 東京都、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、西東京市、国土交通省
  • 議事の要旨
    *国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明

【各区市の意見等】(PDF形式)

  • 落下物対策総合パッケージについて、世界的にも高いレベルの基準が設定されているとのことであるが、各航空会社で確実に実施が成されていなければ不十分である。実施状況の確実な確認をお願いしたい。

    • ⇒実施状況については通常の航空局の監査等で実施状況を確認している。監査の頻度は基地にもよるが、年に2回から4回程度であり、それに加え、航空局で必要と判断した場合は適宜実施している。部品欠落数が増えているが、目的は落下物ゼロであり、引き続き対策を強化していく。

  • 資料5の航空機の軌跡について、以前の資料で、直線部分において想定の範囲を逸脱しているものがあった。これについて質問したところ、システムデータを取り込んだ際には逸脱していたが、管制データを確認した際は想定の範囲を飛んでいるとのことであった。その反対に、システムデータ上では想定の範囲を飛んでいる場合でも、実際は逸脱していることはないのか
    また、説明会の開催を要望する声が挙がっている。開催について引き続き検討いただきたい。

    • ⇒航跡図について、一義的には日々の管制官の業務において、航空管制のデータを用いて逸脱していないかを常時監視している。また、今回示した航跡図やホームページに掲載している航跡図について、データの欠落や不正確なデータは一部発生しているが、少しでも疑義がある場合は、都度、航空管制のデータにて確認を行っている
      説明会についてであるが、第6回固定化回避検討会において、一定の技術的な検証結果を取りまとめる予定である。第6回の開催を踏まえ、説明会の実施を検討していく。

  • 第6回固定化回避検討会は、区民や議会からも注目度が高い。これまでも要望してきたが、検討会の早期開催と教室型説明会の実施を改めてお願いする。

    • ⇒要望について承った。説明会の方法等については引き続き検討をしていくが、内容について、検討会の技術的な部分をどのようにわかりやすく説明するかが課題である。ご意見を伺いながら検討していく。

  • 議会において、部品欠落や落下物に対する危険性、通常ルートを外れた飛行に関する質問があった。各航空会社や航空機メーカーに対する事前防止対策の徹底と、万が一発生した場合の対応について、引き続き強化をお願いしたい。
    また、固定化回避検討会については住民の不安の解消に繋がる取組であるため、引き続き推進いただきたい。

    • 要望について承った

  • 部品欠落・落下物ゼロに向けて、引き続きの取組をお願いしたい。
    また、区民より、次回の固定化回避検討会の開催時期や、検討結果である具体的な飛行ルートに関する問い合わせを受けている。区としては、このような質問に対しては、ご意見を国にお伝えする、と回答している。可能な限り早急に開催いただきたい。また、開催日程について決まり次第、早急にお知らせいただきたい。

    • 要望について承った

  • 【国土交通省からの報告事項】

    • 第6回固定化回避に係る技術的方策検討会について、これまで本年夏から秋にかけて開催を目指していくこととしていたが、引き続き技術的な検証が必要なことから、本年の開催については見送らせていただきたい

    • 現時点で具体的な開催日程については明言が困難ではあるが、最善の努力を払って検証作業を進め、早期開催に向けて取り組んでいく。固定化回避検討会の進展に関するご意見を賜っていたところこのような報告を行うことは大変恐縮ではあるが、安全性の確保は航空運送の大前提であるため、ご理解いただきたい。

【会議資料】

 

公開された「会議資料」(次図)は、「(資料10-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「羽田空港の新飛行経路の定期運用報告(第22回・夏ダイヤのとりまとめ)」として1月29日に公表した資料に含まれている。

国交省は12月26日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約1か月後の1月29日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(1月29日公表)に無かったのは、「(資料10-2)都に寄せられた意見について」。23年9月1日から10月31日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの9件!

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。

都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっている。都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのでは……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数

「都及び関係区市連絡会」開催実績

羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」入手

※追記24年2月29日

1月29日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、区の出席者が不明だし、どの区が発言したのかも分からない。

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

13区のうち代理を立てたのは江戸川区だけ

羽田新ルートが通過する13区のうち、代理を立てたのは江戸川区(課長)。

荒川沿い北上ルートが通過する江戸川区の騒音環境は、新ルートの運用開始以降、従前にも増し悪化しているのに、いかがなものか。

公開文書と開示文書がほぼ一致!

議事概要によって、「関係区の主な発言」とされていたのは、5つの区(渋谷、豊島、港、足立、品川)の発言だったことが確認できる。

1月29日に公開された文書(以下、「公開文書」)と今回開示された文書(以下、「開示文書」をつぶさに比較すると、開示文書に対して次のように2か所表現が違っているだけだった。

豊島区:(略)システムデータ上では想定の範囲を飛んでいる場合でも、実際は逸脱していることはないのか。(略)

品川区:(略)可能な限り早急に検討会を開催いただきたい。(略)

筆者が執拗に開示請求するものだから、公開文書と開示文書を一致させるようになったのかもしれない。

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