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羽田衝突事故|大田区議会「24年第1回定例会」質疑応答

大田区議会「24年第1回定例会」本会議の代表質問(2月22日)で、湯本良太郎議員(自民)・佐藤伸議員(共産)から羽田衝突事故に関しての質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約3千200文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

湯本良太郎 議員(自民)2月22日【代表質問】

湯本良太郎議員(自民)
湯本良太郎 議員(自民党、区議5期、大学在学中より都議会議員秘書、明大卒、46歳)

湯本:衝突事故、今後どのように整理をなされる予定なのか?

次に、羽田空港における航空機衝突事故について質問をいたします。

1月2日に東京国際空港C滑走路において日本航空機と海上保安庁機が衝突をした事故は、能登半島地震に続き、多くの区民が注視をし、令和6年の先行きに不安を覚えるといった声を多く聞きました。

まずは、改めて、この事故で亡くなられた海上保安庁の職員5名とそのご遺族に対し、心からお悔やみを申し上げますとともに、今回の事故に遭遇をされた方々とそのご家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

区は、事故発生後、速やかに危機管理室長以下、担当する職員が出勤し、対策準備室が立ち上がり、現地本部や国からの情報収集に努め、翌日も対応に当たったと聞いております。対応に当たられた皆様には、心からお疲れ様でございました。感謝申し上げます。

事故原因は運輸安全委員会による調査にて、解明をされることとなりますが、国土交通省においては事故調査の結果を待つことなく、緊急の対策が1月9日に発表され、同月19日には、事故対策検討委員会の第1回目が開催をされ、本年夏の中間取りまとめを目指し、議論が行われており、さらなる対策も検討されることを願っております。

国土交通大臣の発言でも、公共交通機関における輸送の安全確保は全てに優先をされるものであるとしております。大田区議会としてのスタンスも、羽田空港と共存共栄を望む地元区として、地域と空港が調和・共生し、共に発展できるまちづくりの実現に向けた議論を重ねてきたところであり、これまでも、国が示している各種対策の確実な実施や、さらなる対策の強化を求めるべきと考えます。

今回の事故の原因究明までには時間がかかると承知をしておりますが、今回の衝突事故を受け、区および関係機関における活動状況、並びに、課題などについて、今後どのように整理をなされる予定なのか。また、事故に対する区の考えも合わせてお伺いをいたします。

区長:関係機関との連携強化をさらに図ってまいります

鈴木晶雅大田区長
鈴木晶雅 大田区長(1期、元自民都議6期、日大卒、65歳)

次に、羽田空港における航空機事故についてのご質問ですが、1月2日に発生した事故においては、5名が亡くなり、16名が負傷等を負うという大変痛ましい事故となりました。事故で亡くなられた方とそのご家族に対し、心からお悔やみを申し上げますとともに、今回の事故に遭遇された方とそのご家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

区では、この事故発生直後から情報収集にあたり、19時30分に一元的な情報収集・連絡体制を構築し、現地合同対策本部へも職員を派遣いたしました。20時30分には大田区羽田空港航空機事故対策準備室を設置し、区の地域防災計画に掲げる事項について判断や対応を取るとともに、大田区公式Xなどで情報発信を行ったところでございます。

国土交通省航空局との連携の中では、徹底した原因究明と事故の再発防止、安全対策の取り組みの一層の強化を口頭にて申し入れをし、1月5日には国土交通大臣宛に書面にて要請を行いました。

今回の衝突事故に関しましては、運輸安全委員会の調査、並びに羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会において対応されているところではありますが、航空安全対策の確実な実施および情報提供については引き続き国に求めてまいります

また、この度の事故において、区内関係団体の皆様も活動されており、大森・蒲田医師会などからは医師が参集されております。活動された関係者の皆様に敬意を表するとともに、今回の活動を引き続き空港事務所の定める緊急計画などに活かせるよう、空港事務所を始めとした関係機関との連携強化をさらに図ってまいります

佐藤伸 議員(共産)2月22日【代表質問】

区議:航空機による大規模事故から区民を守る具体的対策強化を

佐藤伸議員(共産)
佐藤伸 議員(共産党、区議5期、岩手県立不来方高卒、49歳)

日本共産党大田区議団を代表して、質問をいたします。まず、航空機事故から区民の命と財産を守る安全対策の強化についてです。


1月2日に東京国際空港・羽田空港で発生した日本航空機と海上保安庁機の衝突事故で機体が炎上し、海上保安庁の航空機の乗員6人のうち5人が亡くなり、1人は重傷を負いました。日航機の乗客367人、乗員12人、計379人は全員機体から脱出、うち15人が負傷する重大事故となりました。

犠牲になられた海上保安庁職員の皆様とそのご家族に対し、深い哀悼の意を表します。また、この事故により負傷されました皆様へお見舞いを申し上げます。


原因はまだ不明であり、原因究明が急がれます。同時に、二度と事故を繰り返さない再発防止に何が必要か、早急に対策を取る必要があります。

日本共産党区議団は、この羽田空港内で発生した航空機事故に関する声明を1月5日に発表し、9日には鈴木区長宛てに航空機事故に関する緊急要望を行い、(1)再び大事故を起こさないために多角的な原因の徹底究明を国に求め、区民に公表すること、(2)羽田空港の事故の再発防止と安全対策についてより具体的に示すよう国に求めること、(3)羽田空港の機能強化、増便、新飛行ルートを見直すことを国に求めること、の3点を求めました。


区長は1月5日に国土交通大臣に対して、羽田空港における安全運用の確保についての申し入れを行い、徹底した原因究明を行うとともに、再発防止を図り、航空安全対策の取り組みを一層強化されるよう要請しています。


イギリス、航空情報会社OAGが発表した昨年2023年の世界混雑空港ランキングで羽田空港は世界第3位の過密状態にあるとランク付けされました。世界でも有数の過密状態にある羽田空港において安全に運用するために、その後、大田区としての対応をお聞きいたします


羽田空港事故について、大田区地域防災計画には「第3編 大規模事故等応急対策」の「第4章 船舶・航空機関係」の「2 航空機」に記載されていますが、大田区の主体性と具体性の欠いた計画と言わざるを得ません。

大田区地域防災計画の見直しを行い、大田区として、航空機による大規模事故から区民を守る具体的対策強化を求めます。お答えください。

区長:引き続き関係機関と連携し、より万全な安全対策を講じてまいります

鈴木晶雅大田区長
(鈴木晶雅 大田区長)

佐藤伸議員の代表質問にお答えをさせていただきます。羽田空港における安全運用に関するご質問についてお答えします。


国は1月2日に発生した航空機衝突事故を受け、翌3日には航空会社および管制機関へ基本動作および安全運航のための実施手順の徹底を指示いたしました。1月6日には滑走路への誤進入を常時監視する人員を配置いたしました。1月9日には航空の安全安心確保に向けた緊急対策を取りまとめ、直ちに取り組むことができる対策を講じております。


1月19日と2月16日には羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会が開催され、さらなる安全対策に関する検討が行われております。事故の詳細については、現在運輸安全委員会における調査が行われているところでありますが、区といたしましては、1月5日に徹底した原因究明と再発防止の要請を、国土交通大臣宛に行っております。引き続き、航空安全対策の確実な実施について注視してまいります。


地域防災計画上の大規模事故等対策に関するご質問です。羽田空港を有する区にとって、空港管理者による安全管理の徹底と万一の緊急事態に備えた計画策定は重要です。区の地域防災計画では、大規模事故等での消防をはじめとする関係機関と連携した情報収集活動や、情報発信、避難所設置といった、区が主体となり実施する全般的な応急活動や航空機に関する特筆すべき保安対策応急対策を明記しております


また、国土交通省が東京国際空港緊急計画を策定しており、国・区はそれぞれの計画に基づき、双方が主体性を持って連携し、対応することとしています


今般の航空機事故対応で、私は現地合同対策本部に区職員を派遣し、救援および要請の有無や避難所の設置の要否など、最新の情報収集を行い、地域防災計画に基づき自ら主体的に判断し、危機管理対応を行いました。空港を有する自治体として、区民を大規模事故から守るため、引き続き関係機関と連携し、より万全な安全対策を講じてまいります

雑感

湯本議員(自民)、佐藤議員(共産)とも、羽田衝突事故を取り上げ、今後の区の取組を問うている。区長からは、「関係機関との連携強化をさらに図ってまいります」「関係機関と連携し、より万全な安全対策を講じてまいります」という至極当然の答弁。

大田区議会本会議の代表・一般質問は再質問がないので、全く議論が深まらない。”原稿棒読み大会”なのである。こんなのでいいのか……。

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