港区議会の「23年第3回定例会」決算特別委員会の総括質疑(10月4日)で、羽田新ルートに関して、兵藤ゆうこ議員(みなと政策会議)の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約1千200文字)しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。
兵藤ゆうこ 議員(みなと政策会議)
兵藤ゆうこ議員
(みなと政策会議<立憲民主党>、区議3期、美容業界出身、東海大卒、55歳)
問1:教室型説明会を開催するよう国に要請した結果?
次に、羽田空港新飛行ルートについてです。
前回の港区議会第2回定例会において、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の検討内容を住民に知らせるための住民説明会を開催するように再度求める請願が全会派一致で採択されました。
これを受けて、区・区議会とともにすぐに動き、7月には区長と議長の連名で国へ要望書を提出しました。
その内容は教室型の住民説明会を開催し、導入を検討中の2つの飛行方式について、実現の可能性や変更後のルート等に寄せられた質問や疑問に対して、区民に丁寧に説明すること。区実施の意見募集に寄せられた質問や意見に対し国の考えを丁寧に説明することなどです。
今定例会においても、羽田新飛行ルートに関する質問が多数出ました。そこで教室型説明会を開催するよう国に要請した結果はどうだったのか、区の見解をお伺いいたします。
問2:(トルコ航空199便)危険事案をどのように捉え、区民に情報提供していくのか?
そんななか先月、9月22日金曜日の夜、トルコ航空199便ボーイング777大型機が品川・港区上空を低空飛行しました。その事案について、国交省は原因の調査を進めるとともに、事案発生日の翌日には国交省から区へ飛行したという事実が情報提供されました。
しかし、国は調査していたとはいえ、発生の原因を先週末9月29日金曜日の夜にようやく区へ情報提供しました。その内容は10月2日に区から各議員にも情報提供されています。
また、専門家から「22日に起きた事案を国土交通省は重大インシデントとして認定して調査を実施するべきだ」との指摘もされています。
そこで区は9月22日に起きた羽田新飛行ルート上での危険事案をどのように捉え、区民に情報提供していくのか、区の見解をお伺いいたします。
区長
武井雅昭 港区長(5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、70歳)
答1:早期の開催に向けて引き続き粘り強く協議を進めてまいります
次に、羽田新飛行ルートについてのお尋ねです。
まず、住民説明会についてです。住民説明会については具体化に向けて開催時期や開催方法など国と複数回にわたり協議をしております。国からは「住民説明会の開催については、しかるべきタイミングで説明の場を設けたい。実施時期・方法等について引き続き検討していく」との回答を受けております。今後も早期の開催に向けて引き続き粘り強く協議を進めてまいります。
答2:国へこのような事案が再び起こることがないよう申し入れ
次に、先月末に発生した飛行事案についてのお尋ねです。
先月22日の夜に発生した経路を逸脱し飛行した事案は、翌日に国から区へ「発生の事実およびその詳細については後日提供する」との連絡があり、先月29日の夜にその原因等の連絡を受けました。区は誤操作を起因とする経路の逸脱に対し、今月2日に国へこのような事案が再び起こることがないよう申し入れをいたしました。また区と区民への丁寧な情報提供を行うことも改めて申し入れております。引き続き本事案の動向を注視してまいります。
雑感
教室型説明会、区長にやる気がないのか
固定化回避検討会に係る説明会の要請については、この定例会本会議の質疑応答でも鵜飼雅彦 議員(自民)と風見利男 議員(共産)が区長に問い質している。
このときの区長の答弁も「引き続き区議会とともに、国に対し住民説明会の実施や固定化回避の早期実現を強く求めてまいります」と、今回とあまり変わり映えしない。
質問の仕方が悪いのか、区長にやる気がないのか………。
トルコ航空199便の件、区は区民に知らせていない!?
今回の質疑応答によって、事案発生以降の国・区・議員の情報の流れが明らかになった(次表)。
国・区・議員の情報共有化ができたとして、区は区民には公式には何も知らせていないのではないのか。
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