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賃貸アパート・マンションの空き室問題、古川元久氏(国民)衆院国交委

衆院・国土交通委員会において5月10日、古川元久 衆議院議員(国民民主党・無所属クラブ)がマンションの空き室問題を取り上げていた。
ネット中継録画をもとに、整理しておいた(約1千200文字)。


質疑応答のポイント

古川元久 衆議院議員(国民)

古川元久氏(国民民主)
古川元久 衆議院議員
(国民民主党、9期、 元大蔵官僚、東大法卒、57歳)

古川:賃貸アパート・マンションの空き室問題、本格的な対策を

時間になってまいりましたが、最後にちょっともう1問。

今回のこの空き家ですけども、私は地元なんかでも、よく不動産関係の人と話をしてると、「古川さん、これからね、とにかく賃貸のアパートとかマンションの空き家が、空き室の問題がホント大変な問題になってくると」。今でもそうしただんだん、そうした空き室が増えてるんですけども。


一方で、どんどん新しい、今賃貸アパートとかマンション建ってるんですね。最近戸建てなんかは減っても、一方で賃貸のマンション建設なんかは増えてると。


結局新しいのができると、古いところから新しいところに移ってですね。人口が増えてればいいですよ。しかし、人口がどんどん減る中では、これからどんどんどんどんこの古いものを中心に、アパートとかマンションの空き室ってやっぱ増えていく。


こうやって空き室が増えていくと、やっぱり人がたくさんちゃんと入ってる、アパートとかマンションであれば、治安も良くていいんですけども。

逆に空き室ばっかりになるとやっぱりそこは、治安上も悪いし、それこそ、私もちょっといた、色々、いわゆる詐欺グループなんかの、空き室が住所だけが使われたりとか、いろんなそういう犯罪の温床にもなりかねない。


そういった意味で、この空き家の問題と同時に、このマンションとかアパートなんかの賃貸の、そういう空き室の問題、こうした問題もそういうスラム化とかする前に、今のうちからやっぱり本格的な対策を講じる必要があるんじゃないかと思いますが、大臣のご見解を伺いたいと思います。

大臣:適切な管理に必要な方策、しっかり検討を進めていきたい

斉藤鉄夫 国交大臣

斉藤鉄夫 国交大臣
(公明党、衆議院議員10期、東工大院卒、元清水建設技術研究所研究員、71歳)

今後老朽化が進む賃貸アパートや分譲マンションにおいては、空き室の増加に伴う管理不全を招かないよう、適時適切に修繕工事を実施し、必要な管理状態を保つとともに、長寿命化工事の的確な実施が重要と考えております。


まず、賃貸住宅につきましては、特に個人オーナーの方々が計画的に修繕を行えるよう、ガイドブック民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック)により修繕工事の必要性や概算費用などを周知するとともに、計画的な修繕費の確保に資する大家向け共済制度賃貸住宅修繕共済)の普及を図っております。


また、分譲マンションにつきましても、管理組合の合意形成を支援し、マンションの長寿命化に資する修繕工事を促す税制上の優遇措置マンション長寿命化促進税制)を、本年度から創設いたしました。


さらに、法務省における区分所有法制の見直し法制審議会-区分所有法制部会)では、集会の決議を円滑化する仕組みなどの検討がされており、国土交通省でも有識者の検討会空き家対策小委員会)で空き室が増加する中でも適切な管理に必要な方策について、これからしっかり検討を進めていきたいと思います。(古川委員と)同じ問題意識を有しております。

古川:斉藤大臣のもとで進めていただくことをお願い

これから急速な人口減少で、間違いなく空き家や空き室が増えていく。もうそれは想定できますから、やっぱりなっちゃう前に、そういう空き家、空き室になる前に対応、ということで、是非、国交省、斉藤大臣のもとで進めていただくことをお願いして質問を終わります。ありがとうございました。

雑感(質疑応答、表面的な内容にとどまっている)

主を失って、朽ち果てそうな戸建ての空き家が撤去されない問題。衛生上の問題や防犯上の問題、老朽化によって建物自体が崩壊する恐れがあるなど、周辺住民に及ぼす影響は大きい。

この戸建ての空き家問題は、テレビで報じられることが多い。周辺住民からの声も拾いやすく、ワイドショーとの親和性が高いことも一因となっているのではないか。

一方、マンションの空き室の問題は、犯罪の温床となり得るため、スラム化とあわせて深刻な問題でありながら、テレビで報じられることは少ない。テレビがマンションの空き室を絵的に表現しにくいことが一因なのだろうか……。

空き室が増加する賃貸アパート・マンションをどのように適切に管理していくのか。
古川議員と斉藤国交大臣の質疑応答は、表面的な内容にとどまっている。「マンションにおける空き室(空き家)の現状と今後の対策」について、今後、国会で議論が進められることを期待したい。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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