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UR都市機構の民営化!東徹氏(維新)参院予算委

参院・予算委員会において3月27日、東徹 参議院議員(維新)がUR(独立行政法人都市再生機構)の民営化の必要性を取り上げていた。
会議録ネット中継録画をもとに、整理しておいた(約2千文字)。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

UR民営化の必要性

東:1兆円の増税の前に(URの)民営化やるべき

東徹 参議院議員
東徹 参議院議員
(日本維新の会、2期、 元大和団地職員、東洋大院卒、56歳)

続いて、規制改革、行政改革について質問させていただきたいというふうに思います。

まず、URですね。都市再生機構ですけれども、これは、URは、高齢者などに向けた住宅を供給する国の巨大な、巨大なですよ、独立行政法人ですよ。この巨大な独立行政法人ですけれども、これが何と、最近、私も先週の金曜日、テレビ見ていたら、URのコマーシャルやっていました、コマーシャル。こういうURのコマーシャルをテレビでこれ出しているわけですね。これ、URのテレビCMの一場面なんですが、有名な女優さんを使って、更新料なしということを売りにしたCMだったんですけれども。

URのテレビCM
(UR賃貸のテレビCM 吉岡里帆・千葉雄大)

また、これ、次のパネルをちょっと見せていただきたいと思いますが、これはタワーマンションですね。東京都中央区で扱っているマンション、タワーマンションで、これ月額家賃が月37万2100円、低所得者の高齢者向けとはこれは言えません

URのタワマン
(ベイシティ晴海スカイリンクタワー)

こういうことを見ると、URはこれもう民間の会社だと思いますね。恐らく、僕もCM見ていたら、これどこのディベロッパーのCMかなと思うぐらいのようなCMでした。けれども、実はこれ、URという国の独立行政法人なんですね。


これ、高齢者の住宅でいえば、これ国だとサービス付き高齢者住宅もあります。そして、市町村も市営住宅もあれば、それから都道府県も都道府県住宅ってありますね。三重行政なんですよ、これ、はっきり言って。三重行政やる意味なんて全くありません。こういった高齢者向けの賃貸住宅というんであれば、これはもうやっぱり市町村とか都道府県が一番地域に密着していてやっぱりやるべき課題でありますから、こういうのは地方に任せて、もうこういったURというのは必要ありません。


URというのは、資産が何と12兆3189億円ですよ、12兆3189億円。これ、負債を引いた、まあ負債もありますから、引いた総資産額は約1.5兆円あるわけですね。巨大な法人です。


こういったUR、都市再生機構、当然、今まで国鉄を民営化してきたときと同じように、私は、こういったURも民営化やって、1兆円の増税の前に民営化やるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

大臣:(独法の)改革方針に基づく取組を着実に進めていきたい

斉藤鉄夫 国交大臣
斉藤鉄夫 国交大臣
(公明党、衆議院議員10期、東工大院卒、元清水建設技術研究所研究員、71歳)

UR、都市再生機構、昔は住宅公団と言っておりました。住宅が足らない時代に住宅を供給するという大きな使命がございました。


しかし、今、東委員おっしゃったように、時代が変わってきているということも確かでございます。現在は、URは、民業補完を徹底するという観点から、既に分譲住宅や新規のニュータウン開発から撤退し、現在は子育てや高齢者世帯などの住宅セーフティーネットの役割を果たす賃貸住宅事業、それから都市再生事業、災害復興事業などに役割を重点化しております


これまでも民営化の御議論がございましたが、多額の有利子負債があるなどの財務上の課題がある中で、利益最大化だけを追求していけばセーフティーネットなどの公の機関としての期待に応えられなくなる、逆に民業補完に特化すれば国民負担のリスクが増大するなどの難しさがございました。


このため、平成25年に閣議決定した独立行政法人の改革方針に基づきまして、独立行政法人としてURが本来担うべき役割を果たす上で、民業補完の徹底、そして財務構造の健全化、この、ある意味では相矛盾するこの2つを両立させる観点から各種の改革に取り組むとしたところでございます。


御指摘の高額賃貸住宅についても、こうした改革方針に沿って、将来的な撤退も視野に入れつつ、当面は民間事業者へのサブリースを通じて収支構造の改善を図ることとしております。また、賃貸住宅のテレビコマーシャルにつきましても、既存ストックの有効活用の範囲内で入居者を確保し、事業収支を改善しようとするものでございます。


今後とも、URが独立行政法人として本来担うべき役割を果たせるよう、改革方針に基づく取組を着実に進めていきたいと思っております。

東:(URを)清算すれば1.5兆円国に入ってきます

全然説得性が私はないと思いますね。
高齢者住宅、それからまた子育て住宅、これは、岸田総理も言われている少子化対策であったりとか、そしてまた高齢者住宅であれば国交省もサービス付き高齢者住宅やっていますよね。そういったことにやっぱりどんどん特化していけばいいわけです。


これ、URは、こんなコマーシャルをやって、タワーマンションまでやって、サブリースまでやってる言うたら、もう完全ディベロッパーですよ、おっしゃっている答弁の内容だとですね。それはやっぱりおかしいと。これはやっぱり、清算すれば1.5兆円国に入ってきますよ。鈴木財務大臣、是非、やっぱりこれ、こういった改革をやるべきです。


やっぱり民営化していくべきだというふうに考えますが、これ、岸田総理、いかがですか。

総理:更なる努力を続ける、こうした姿勢は大事である

岸田 総理大臣
岸田文雄内閣総理大臣
(自民党、衆議院議員10期、早大卒、65歳)
世襲3世議員(岸田正記氏―岸田文武氏―岸田文雄氏)

今国交大臣からありましたように、このURについては、民業補完の徹底と、そして多額の有利子負債を抱える財務構造の健全化、これを両立させることが今後運営において重要であるということを説明させていただきました。その中で現実的な対応を今考えているということであります。しかし、御指摘を踏まえて更なる努力を続ける、こうした姿勢は大事であると考えます。

東:(独法の改革をやらないから)国民の負担は増していくばかりだ

もう斉藤大臣も最初に言われました、最初できたときの役割とは全然違ってきているわけですよ。それに、民営化になれば、僕は、やっぱり国に入ってくる税収も大きく変わりますよ。

大阪市の地下鉄だって、これ民営化してメトロという会社になったんですけれども、地下鉄民営化したら、大阪市に入ってくるお金、100億円ですよ、100億円。これは株の配当金と税収とか、そういったことを改革をやっていって国の収入を増やしていって、そしてできるだけ歳出を抑えていくという改革がやっぱり大事だということで、やはりこういった改革を是非やるべきだということを言わせていただきます。こういったことが、やらないから、なかなかいつまでたっても国民の負担は増していくばかりだということです。

雑感

設立当初の目的から逸脱し、肥大化してしまったUR都市機構。東徹氏(維新)はURのテレビCMやタワマンのパネルを見せながら、URを民営化してしまえと政府に迫る。
様々な利権が絡むUR都市機構がそう簡単に民営化されるわけもなく、東徹氏の威勢の良さが目立った質疑応答であった。

東徹氏は取り上げなかったが、礼金・手数料・更新料・保証人を要しないUR賃貸はいまや外国人の受け皿になっている側面もある。たとえば、埼玉県川口市のUR芝園団地では日本人が退去し、代わりに外国人がドンドン増えている(次図)。

川口市芝園町の人口推移
川口市南西部で外国人増加!移民受け入れの社会実験か」より

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