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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和4年度 第3回分科会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和4年度 第3回分科会」が22年11月1日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿22年12月1日(追記22年12月20日)


もくじ

都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が11月30日17時、「令和4年11月30日」に変っていた。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第3回分科会」が追記されたことに気づく(次図)。

毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いか…)。

都及び関係区市連絡会 第3回分科会

リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「主な意見及び国の回答等」(PDF形式)が掲載されている。

会議の概要
  • 会議名 令和4年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 分科会(第3回)
  • 開催日 令和4年11月1日(火曜日)
  • 出席状況 東京都、港区、新宿区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、江戸川区、国土交通省
  • 議事の要旨
    *国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明

【主な意見及び国の回答等】(PDF形式)

  • 資料4の中で、大型機、中型機、小型機別で騒音測定しているが、7月、8月におけるそれぞれの割合はどの程度であるか
    • ⇒おおよそであるが、騒音測定された航空機のうち一番割合が多いのが小型機であり、約半数を占める。次に多いのが中型機で、最も割合として少ないのが大型機である。
  • 騒音測定値について、今回、これまでと比較して推計平均値を超えているところが少ないと感じているが、何か考察はあるのか。
    • ⇒季節特有の傾向として、7月、8月はどうしてもセミの影響があるため、航空機騒音として評価できるものが少なくなっていることが原因の一つとして考えられる。なお、前回分科会データ(5月、6月)と今回分科会データ(7月、8月)を比べると異なる傾向が見える状況であるが、昨年の7月、8月と比べると傾向としてはほぼ同じである。いずれにせよ、1 年間を通じた長期での航空機騒音の傾向を評価することが重要であり、引き続き測定・分析を進めていく。
  • 資料4の2ページ目の中型機の測定結果について、説明会等でお示ししていた推計平均値が明記されているものとされていないものが混在しているが、なぜなのか。

    • ⇒測定局の位置について、新経路の運用開始前に自治体の皆様と相談しながら場所を決定させていただいた。経路から測定局の側方距離と騒音の関係について、従前より示しているデータから適切な騒音推計値として該当するものを明記させていただいている。
  • ご案内があったように本日より B 滑走路の西向き離陸において末端からの離陸滑走が開始された。航空機が復便していく状況の中で、運航停止されていたボーイング 777 の運用が、ニーズの高い路線において再開されていると聞いている。地域住民の声を踏まえ、引き続き騒音対策の検討、実施に向けて取り組んでいただくよう要望申し上げる。

    • ⇒今回の取組で終わりではないと考えており、今後も種々の取組を、工夫を凝らして、引き続き検討していきたい。
  • 本日、騒音値の継続的な測定や部品欠落の状況について報告があったが、区として引き続きの取組をお願いしたいと考えている。また、現在検討いただいている固定化回避検討会についても、早急な結論をお示しいただくよう、重ねてお願い申し上げる。
    3点目として、最近、後方乱気流区分の見直しによって従来ルートに戻せるのではないかというご意見をいただいた。この様なご意見があった際に区としても、国から説明があった内容をお伝えしているが、区民の疑問や不安は速やかに払しょくしたいと考えている。引き続きこうした地域からの声を国として把握した際には、関係自治体に速やかな情報提供や説明をお願いしたい。

    • ⇒騒音対策及び落下物対策については、継続して取り組んで参る。固定化回避検討会についても、できるだけ迅速に検討作業を進めていきたいと考えている。一部膨大な量の作業もあるが、作業の時間軸をできるだけ短縮して進めて参りたい。
      3点目についても、新しいインフォメーション等があれば、誤解がない様な形で、地元のみなさまにも情報提供ができるよう自治体のみなさまとの情報共有や分かりやすい説明を心がけていきたい

【会議資料】

 

公開された「会議資料」(次図)は、資料7(国交省は10月31日公開済み)以外は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第15回」として11月30日に公表した資料に含まれている。

国交省は11月1日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約1か月後の11月30日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(11月30日公表)に無かったのは、「(資料6-2)都に寄せられた意見について」(PDF:393KB)。22年7月1日から8月31日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの6件!

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。

都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数

「都及び関係区市連絡会」開催実績

羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。

昨年と同じ開催ペースであれば、次回分科会は2月初旬ということになるのだが……。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」入手

※追記22年12月20日

11月30日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、22区市の出席者が不明だし、誰が発言したのかも分からない。

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

※開示請求(12月1日)してから18日で入手(12月19日)。筆者からの開示請求は、都の担当者がルーチン化しているため(?)、入手までの期間が若干短縮している(笑)。

13区のうち代理を立てたのは2区(江東・豊島)

東京都からの参加は都市整備局理事。

羽田新ルートが通過する13区のうち、代理を立てたのは2区(江東・豊島)。豊島区に至っては係長を出席させるという関心の低さ

※今回公開されたのは「出席表(予定)」(次表)なので、最終的に誰が出席したのかは確定できない。

出欠表(予定)

東京都、渋谷・大田・品川区、以外の出席者は置物

議事概要には「主な発言」として、騒音対策に係る質問が東京都と渋谷区から、その他に係る質問が、大田区・東京都・品川区から出された。

「議事の要旨」と「議事概要」をつぶさに見比べたところ、「議事の要旨」ではけっこう削除された部分があることが分かる。特に、東京都からの質問(2件)がいずれも削除されていたことは指摘しておきたい。

※下記、原文では改行は全くないが、WEB上で読みやすくするために筆者にて改行した。また、「議事の要旨」と比較して「議事概要」に記載があった部分を下線付き朱書きで、記載がなかった部分を消し線朱書きで記した。

(議題1 騒音対策について)

東京都

  • 資料4の中で、大型機、中型機、小型機別で騒音測定しでいるが、7月、8月におけるそれぞれの割合はどの程度であるか。

国交省航空局

  • おおよそであるが、直近の7・8月の騒音測定された航空機機体のうち一番割合が多いのが小型機であり、約半数を占める。次に多いのが中型機で、最も割合として少ないのが大型機である。
  • ロングスパンで見ると、コロナが始まった時点ではエアラインが搭乗率を上げる関係で、小型機の割合がかなり多かった。コロナ当初と比較すると、小型機の割合は若干減ってはいるものの、大、中、小の割合では現在も小型機が一番多い状況。


東京都

  • 国際線が回復してくると、中型機が増えていく傾向はあるのか。

国交省航空局

  • 今は、カーボンニュートラルの影響を踏まえた低燃費・低騒音機導入の機運醸成と、羽田空港における低騒音機導入促進の両方の効果が見込まれるところ、国際線を含めて復便した際の機材割合の傾向について注視していきたい。


東京都

  • 騒音測定値について、今回、これまでと比較して推計平均値を超えているところが少ないと感じているが、何か考察はあるのか。

国交省航空局

  • 季節特有の傾向としてミ7月、8月はどうしてもセミの影響があるため、航空機騒音として評価できるものが少なくなっていることが原因の一つとして考えられる。
  • なお、前回分科会データ(5月、6月)と今回分科会データ(7月、8月)を比べると異なる傾向が見える状況であるが、昨年の7月、8月と比べると、傾向としてはほぼ同じである。
  • いずれにせよ、四季を通じた気象の変化を踏まえ、1年間を通じた長期での航空機騒音の傾向を評価することが重要であり、引き続き測定・分析を進めていく。


渋谷区

  • 資料4の2ページ目の中型機の測定結果について、説明会等でお示ししていた推計平均値が明記されているものとされていないものが混在しているが、なぜなのか。

国交省航空局

  • 測定局の位置について、新経路の運用開始前に自治体の皆様と相談しながら場所を決定させていただいた。
  • 経路から測定局の側方距離と騒音の関係について、従前より示しているデータから適切な騒音推計値として該当するものを明記させていただいている。

(議題3 その他)

大田区

  • ご案内があったように本日よりB滑走路の西向き離陸において末端からの離陸滑走が開始された。航空機が復便していく状況の中で、運航停止されていたボーイング777の運用が、ニーズの高い路線において再開されていると聞いている。
  • 地域住民の声を踏まえ、引き続き騒音対策の検討、実施に向けて取り組んでいただくよう要望申し上げる。

国交省航空局

  • 今回の取組で終わりではないと考えており、今後も種々の取組を、工夫を凝らして、引き続き検討していきたい。


東京都

  • 今後の報告の中で、航跡や騒音値に変化が出てくると期待されるという理解でよろしいか。また、今後もモニクリンクを行っていくということでよろしいか。

国交省航空局

  • その通りである。


品川区

  • 本日、騒音値の継続的な測定や部品欠落の状況について報告があったが、区として引き続きの取組をお願いしたいと考えている。
  • また、現在検討いただいている固定化回避検討会についても、早急な結論をお示しいただくよう、重ねてお願い申し上げる。
  • 3点目として、最近、後方乱気流区分の見直しによって従来ルートに戻せるのではないかというご意見をいただいた。この様なご意見があった際に区としても、国から説明があった内容をお伝えしているが、区民の疑問や不安は速やかに払拭したいと考えている。
    引き続きこうした地域からの声を国として把握した際には、関係自治体に速やかな情報提供や説明をお願いしたい。

国交省航空局

  • 騒音対策及び落下物対策の対応については、継続して取り組んで参る。
  • 固定化回避検討会についても、できるだけ迅速に検討作業を進めていきたいと考えている。一部膨大な量の作業もあるが、作業の時間軸をできるだけ短縮して進めて参りたい。
  • 3点目についても、新しいインフォメーション等があれば、誤解がない様な形で、地元のみなさまにも情報提供ができるよう自治体のみなさまとの情報共有や分かりやすい説明を心がけていきたい。

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