不動産経済研究所は12月21日、「首都圏マンション市場予測2023年」を発表。
22年の3.08万戸(見込み)に対して、23年は4.6%増の3.2万戸という予測。
マンション供給は3.9%増の3.2万戸。東京23区、都下、千葉県が大幅増。
- 2022年は前年比8.4%減の3.08万戸の見込み。資材供給の不透明感などで落ち込む。
- 2023年は前年比3.9%増の3.2万戸。東京23区、都下、千葉県が大幅増。
- 住宅ニーズは依然堅調も郊外の勢いはやや沈静化、再び23区中心の市場に。
この予測はどの程度当たるのか?
首都圏、実績が予測を上回ったのは3回(06~22年)
不動産経済研究所は毎年この時期に、翌年の供給戸数の予測値を発表している。この予測値はどの程度当たったのか、過去の資料をひも解き、可視化してみた(次図)。
過去17回(06~22年)、首都圏の供給戸数の実績が予測を上回ったのは3回だけ。
リーマンショックの影響から解放され新規取得案件が増えた10年と、消費増税前の駆け込みで増加した13年、それと21年。しかも、上振れした時の乖離は小さい。
同研究所が発表する予測は毎回、希望的観測に満ち溢れていると言えなくもない。
23区、実績が予測を上回ったのは2回(07~22年)
過去16年(07~22年)、23区の供給戸数の実績が予測を上回ったのは10年と21年の2回だけ(次図)。
3.2万戸は希望的観測値!?
新築マンション価格が高騰し、もはや庶民の手には届かないほどの水準に高止まりしている。投資家や富裕層頼みのマンション需要は、株価に大きく影響される。
新型コロナの変位株が世界経済に与える影響は小さくなったのかもしれないが、中国経済の下振れリスクに加え、日銀黒田総裁退任後の金利上昇リスクが懸念されるなか、23年の首都圏の新築マンション供給戸数3.2万戸は強気な数字ではないのか。
今回もまた希望的観測値か……。
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