「2020年度の租特による滅収内訳財務省試算」をひも解くと、「租税特別措置」(隠れ補助金)のなかで所得税関係(18,170億円)のうち、 住宅ロ一ン減税(7,630億円)が4割超を占めていることが分かる。
住宅ローン減税、富裕層に偏る恩恵(朝日記事)
年収が高い方が所得税を支払っていない人の割合が高く、逆転現象が起きているのは住宅ローン減税が一因となっているという
居座る税優遇 大企業・富裕層に偏る恩恵
(前略)身近な租特では、ローンで家を買った人の所得税を軽くする「住宅ローン減税」がある。1986(昭和61)年度につくられ、住宅業界の要望などを受けてこれまで14回、延長されてきた。
財務省の試算では、住宅ローン減税による2020年度の減収額は7630億円。所得税関連では最大の項目だ。家を買う経済力がある大への恩恵で、これも所得が多い大ほど税を多く負担する「累進制」をゆがめている側面がある。
国税庁の20年の調査では、民間の給与所得者のうち、所得税額がゼロだった人の割合は、年収300万~400万円で4.7%、400万~700万円で8.2%。年収が高い方が所得税を支払っていない人の割合が高く、逆転現象が起きている。財務省によると、住宅ローン減税が一因となっているという。(以下略)
(朝日新聞 22年9月6日)
租措による減収、所得税関係の4割超が住宅ロ一ン減税
朝日新聞の1面と2面を飾った「乱立する税優遇」。「租税特別措置」(隠れ補助金)による国の税収減は8兆円を超えるという。
2面の記事「居座る税優遇」の右上に「2020年度の租特による滅収内訳財務省試算」が掲載されている(次図)。
(朝日新聞 2面22年9月6日)
その「2020年度の租特による滅収内訳財務省試算」を可視化したのが次図。
所得税関係(18,170億円)のうち、 住宅ロ一ン減税(7,630億円)が最も多い(所得税関係の4割超を占めている)。
住宅ローン減税の財源は、将来世代からの借金である。なんとかならないものだろうか……。
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