都民の生活環境に深く関わる都議会議員のお金の使われ方がどうなっているのか。
昨日のブログでは、21年度の都議会の主要会派の政務活動費を可視化分析した(都議会|21年度「政務活動費」を可視化)。
本日は、過去5年分(17~21年度)の主要会派の「政務活動費」の推移を可視化分析する。
※データは、都議会HPに公表されている「収支報告書・会計帳簿・領収書等」に拠る。
21年度の主要会派の政務活動費(概説)
※昨日のブログ記事の再掲。
21年度の主要会派の「政務活動費」内訳を次図に示す。
- 政務活動費は、21年7月の改選前に第1党だった都ファが2.1億円で最も多い。次いで自民1.8億円、公明1.3億円、共産1.1億円、立憲0.7億円(都ファの3分の1!)。
- 各会派とも政務活動費の大半は「広報・広聴活動費」と「調査活動補助費」に使われていて、「調査・政策立案費」にはほとんど使われていない。
- 政務活動費の使い方は、自民と都ファとで真逆。自民は「調査活動補助費」(うち人件費が74%を占めている)の割合が高く、都民ファーストは「広報・広聴活動費」(うち広報紙(誌)発行費が99%を占めている)の割合が高い。
主要会派の「政務活動費」「執行率」の推移
主要会派の「政務活動費」「執行率」に係る過去5年分(17~21年度)の推移を以下に示す。
「政務活動費」の推移
- 過去2回の都議選(7月実施)で都議会第1党が入れ替わったことから(自民⇒都ファ⇒自民)、年度会計である政務活動費は都ファが18年度から20年度にかけて約3億円を得ている。
- 前回都議選で第1党に返り咲いた自民の政務活動費は、21年度段階でも都ファを下回っている。
- 公明の政務活動費は、18年度以降1億3,300万円で安定的に推移している。
- 共産の政務活動費は、17~20年度1億800万円、21年度1億1,200万円で安定的に推移している。
- 立憲の政務活動費は、都ファの煽りを食らって18~20年度3千万円まで落ち込んだ(都ファの10分の1!)。21年度は7,350万円(都ファの3分の1!)
※17年度:民進党・立憲民主党、18~20年度:立憲民主党・民主クラブ、21年度:立憲民主党
「執行率」の推移
- 公明の執行率の低さが際立っている(ムダに税金を使わない方針!?)。
- 都ファは、第1党になった当初2年間は執行率が低かったものの、3年目以降は、他党並みにほぼ使い切っている。
- 立憲は、絶対額が少ないこともあり、17~20年度は100%消化。21年度は97.1%。
- 共産は、執行率が上昇する傾向が見られる(17年度95.2%⇒21年度97.8%)。
会派別の「政務活動費」の推移
主要会派ごとに「政務活動費」に係る過去5年分(17~21年度)の推移を以下に示す。
自民
第1党から陥落した3か年の「政務活動費」は落ち込んだものの、「調査活動補助費」(主に人件費)は常に1億円を確保している。その間、「広報・広聴活動費」(主に広報紙(誌)発行費)が調整代となっている。
第1党から陥落した3か年、議員数も大きく変動したのだが(13年59人⇒17年23人⇒21年33人)、「調査活動補助費」(主に人件費)が常に1億円というのもヘン話だ……。
都ファ
17年都議選で圧勝し(55議席獲得)、21年都議選で踏みとどまった(31議席)ことが、「政務活動費」の多寡によく表れている。「政務活動費」の内訳割合もほぼ一定で推移している。
公明
過去3回の都議選で常に23議席を確保していることから、「政務活動費」の内訳もほぼ一定で推移している。
共産
過去2回の都議選で常に19議席を確保していることから、「政務活動費」の内訳もほぼ一定で推移している。
立憲
「調査活動補助費率」(主に人件費)が減少し、「広報・広聴活動費率」(主に広報紙(誌)発行費)が増加する傾向が見られる。
主要会派の「広報紙(誌)発行費」の推移
都ファが17年都議選で圧勝し(55議席獲得)、21年都議選で踏みとどまった(31議席)ことが、「広報紙(誌)発行費」の変動によく表れている。
まとめ
「政務活動費」の推移
- 過去2回の都議選(7月実施)で都議会第1党が入れ替わったことから(自民⇒都ファ⇒自民)、年度会計である政務活動費は都ファが18年度から20年度にかけて約3億円を得ている。
- 前回都議選で第1党に返り咲いた自民の政務活動費は、21年度段階でも都ファを下回っている。
「執行率」の推移
- 公明の執行率の低さが際立っている(ムダに税金を使わない方針!?)。
- 都ファは、第1党になった当初2年間は執行率が低かったものの、3年目以降は、他党並みにほぼ使い切っている。
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