新聞は羽田新ルート問題を適切に報じているのか。
14年以降の全国4紙(朝日・読売・毎日・日経)と東京新聞の記事を調べてみた。
※投稿21年5月1日
調査方法
5紙の各データベースを利用して、検索キーワード「羽田」and「新ルート」でヒットした記事のうち、羽田新ルートに関連した記事のみを抽出した(読者からの投稿記事は除いた)。
記事検索には次のデータベースを用いた。
- 朝日:聞蔵IIテキスト
- 読売:ヨミダス歴史館
- 毎日:毎索
- 日経:日経テレコン21
- 東京:@nifty 東京新聞記事情報
羽田新ルート、新聞5紙の記事件数の推移(14年~)
14年以降の、新聞5紙の羽田新ルート関連記事件数の推移を下図に示す。
- 国交省が第1フェーズ説明会(15年7月~9月)を始めたあたりから、各紙の羽田新ルート関連の記事が徐々に増え始めた。
- 東京新聞だけが件数を増やしていくなかで、全国4紙の件数が目立ち始めるのは、第5フェーズ説明会(18年12月15日~19年2月23日)あたりから。
- 石井前国交大臣が19年8月8日に「羽田新ルート3月29日運用開始宣言」を出して以降、東京新聞の件数が急増。全国4紙のなかでは朝日が頭一つ抜け出るが、その後に勢いが見られない。
忖度する!?全国4紙、奮闘する東京新聞
14年以降の、新聞5紙の羽田新ルート関連記事件数の推移(年別)を下図に示す。
なぜ、14年から15年にかけて増加し始めた記事件数が16年には頭打ちに、17・18年は極端に少なくなったのだろうか。
全国4紙が東京五輪のオフィシャルパートナーに決定した時期(16年1月22日)と無関係ではないのではないか。東京五輪と羽田新ルートとはセットなので、東京五輪のオフィシャルパートナーである全国紙(朝日・読売・毎日・日経)は羽田新ルート問題を報じることを避けている(忖度している)ということはないのか。
ちなみに、21年の記事件数が少ないのは(4月18日現在)、冬から春先にかけて南風が少なく、羽田新ルートが運用された日が少なかったことと、メディア報道が新型コロナに集中していたことによるのではないか。
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5紙に掲載された記事の見出しについては、下記参照。