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羽田新ルート|参院「外交防衛委員会」大塚耕平議員(2)

第204回 国会参議院「外交防衛委員会」(21年3月23日)において、大塚耕平議員(国民)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

会議録をもとに、テキスト化(約3千300文字)しておいた。

※「国会会議録検索システム」を使って「羽田新ルート」で検索してみたところ、大塚耕平議員(国民)の質疑応答の記事が抜けていたので作成した(23年4月29日)。


質疑応答のポイント

大塚耕平議員
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
大塚耕平 参議院議員
(国民民主党、4期、早大卒・博士、元日銀、61歳)

大塚:(降下角3.45度は)駐留米軍のヘリの飛行空域との調整の結果?

日米同盟が非常にこの局面重要で、駐留米軍に対する国民の信頼感、親しみと言ってもいいかもしれませんが、そういうものが大事だという観点からこれ質問申し上げているわけですね。


したがって、今の外務大臣の答弁、あしたの本会議が立てば、本会議質問の中にも入れてあるんですけれども、今から質問することをお伺いしても多分同じ答弁をお読みになるので、質問だけ申し上げておきますが、つまり、じゃ、この日米地位協定16条には日本国の法令を尊重しと書いてあるけれども、日本国の法令の内容と日米合同委員会で日米が合意した内容にそごが生じたときにどうしますかというふうにもし聞いたら多分同じ答弁をされるので、今日はこの問題はここまでにしておきます。


ただ、そういうことを調整していかなければいけないわけですが、それに絡む案件として、1つ、先ほどの白委員が取り上げたあの低空飛行の問題とも関係があるんですが、羽田空港の羽田新ルートの問題なんですよ。


これは通告してありますが、昨年3月末から運用開始になった羽田新ルートの着陸進入角度が、国際航空組織のルールでは3.0度なんですが、これが突然3.45度という急角度での着陸進入になって、現に去年の3月29日からそれが行われているわけですね。私は3月24日に安倍総理には委員会でそれをお伝えして、やめた方がいいと思いますよと申し上げましたが、余りその時点では詳しくは御存じなかったようでありますが。


そのようになった理由が、駐留米軍のヘリの飛行空域、とりわけ横田基地等から六本木ヘリポートに行くあのパトリオットエクスプレスのこの航空域との高度差を維持するための異例の調整の結果であるという認識でよろしいでしょうか。防衛大臣にお伺いします。

岸防衛大臣:騒音対策として実施

岸信夫 防衛大臣
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
岸信夫 防衛大臣
(自民党、衆院3期・参院2期、元住商社員、幼稚舎⇒慶応経済卒、61歳)

羽田の新経路の降下角については、我々は騒音対策として実施されてきているものということで承知をしているところでございます。詳細については所管の国交省にお尋ねをいただきたいと、こういうふうに考えています。

大塚:いろんな意味においてここは立ち止まって考えるべき

いや、先ほど、日米同盟の重要性については国民の皆さんの理解も進んでいるので、こういう局面だからこそ伝えるべきことは伝えていくべきだということを申し上げました。


昭和の時代は特によらしむべし知らしむべからずという感じで、国民の皆さんには決定事項には従ってもらうけれども、詳しい事情は言わなくていいんだみたいな雰囲気があったような気がします、私にも。


でも、やっぱりもう相当いろんなことが変わってきていますので、例えばこの件に関して言うと、これは報道されていますけれども、日本の航空会社の社内の資料にこういう表現があるんですよ。ちょっと航空用語が入っていますので後で解説しますけれども。

FAFであるT6R76に3800フィート・アット・オア・アバーブという制限が付されている、FAFからスレッシュホールドへ直線で結ぶと約3.45度の降下角となることから、FAF以降の降下角が3.45度のRNAV進入となっていると、これはもう現にこういう文書があるんです。


これを今、航空業界の用語で申し上げたところを日本語に直して言うと、最終降下開始地点である中野上空に3800フィート以上という制限が付されていると。最終降下開始地点から滑走路末端へ直線で結ぶと約3.45度の降下角となることから、最終降下開始地点以降の降下角度が3.45度の広域航法進入となっていると。つまり、中野上空である一定の高さを維持して大井町ぐらいまで来るということなんですね


実は、その3度と3.45って大した差じゃないと我々は思うかもしれませんが、パイロットの皆さんとか国際航空会社の団体はこれ反対をしていたんですよ、導入前に。私もこれに気が付いたのは去年の1月、それからおととしの12月ぐらいですね。進入テストが行われていて、高輪の上空を飛んできますので、議員会館からも見えますよ、北から入ってきて。


これは、よく注意して見ていただくと、やっぱりやらないで済むならやらない方がいいなと。もしそこで航空機の何か事故でも起きて、そういう空域を飛ぶ、しかも通常より急角度な進入角度にしていたことが多少原因になっていて、それは米軍との調整の結果ですということになると、決していい方向には行かないわけです。


その後も注意して見ていましたら、新幹線で、私は地元愛知県ですからしょっちゅう行き来しているんですが、御殿山ヒルズ辺りに来ると、ちょうどその進入の時間帯と、そのタイミングに合うと、東京に向かって進行方向右側、つまり海側はずっと低くなっていますので、大分降下してきた航空機、旅客機が目線よりもちょっと高い位置ぐらいに見えるんですよ。これはいかにも危ない。


それで、コロナで残念ながら海外から入ってくる方もいらっしゃらない、そして東京五輪も外国人観光客は断念するということになりました。元々これ、もう東京五輪向けに便数を増やすために無理に北からの進入を計画したわけでありますので、ここで一旦立ち止まって、しばらくこの羽田新ルートは自粛するというふうにした方がいいと思います。


そして、コロナの結果、今後インバウンドがどういうふうに復元していくかも分かりませんが、そういう危険なルートで、しかも万が一のことがあったときに日米間の国民感情にも影響を与えかねないようなことがあれば、それはもしやめられるものならやめて、成田もあれば、関西空港もあれば、中部もあるし、福岡もあるし、札幌もあるし、ほかのルートから入ってもらうというふうにすれば地方も助かるわけだし、いろんな意味においてここは立ち止まって考えるべきだと思いますが、防衛大臣、外務大臣、それぞれのお立場で御意見を伺いたいと思います。

岸防衛大臣:防衛省としてこれについてお答えすることは難しい

今委員からのお尋ねでございますけれども、この新経路については、いずれにしても国交省が中心になって設定をされたものと了解をしておるところでございます。


我々も、関係省庁の一つとして、我が国の安全保障や日米同盟の抑止力という観点から、自衛隊の運用との関係も含めて、しかるべく協力を、設定について協力をしてきたところでありますが、この羽田への進入経路、進入角度については、民間航空機の運航に関わるということでございます。防衛省としてこれについてお答えすることは難しいかなと考えております。

茂木外務大臣:所管する国交省中心に検討を進める必要がある

茂木外務大臣
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
茂木敏充 外務大臣
(自民党、10期、元マッキンゼー社員、東大経済卒、65歳)

大塚委員の計算式については、自分なりに、今聞きましたが、理解したつもりです。それから、懸念についても理解したつもりであります。


その上で、新経路をどうするか、降下角度をどうするかと、まさに所管する国交省中心に検討を進める必要があると思っております。

大塚:不測の事態が起きると、駐留米軍に対する国民の理解は進まないということに

もちろん国交大臣にもお伺いするつもりでおります。
私が申し上げたいのは、六本木ヘリポートと横田等の間にパトリオットエクスプレスを運航しなければならないという事実も含めて、そういうことなんですということを国民の皆さんに説明をするいいタイミングだと思うんですよ。


これだけ国際情勢が変わった変わったということをそれぞれの所信でも述べておられて、重要な局面だということですから何度も申し上げますが、もう20年前、30年前と国民感情違います。私は20年目ですが、最初に国会に来たときに日米同盟という言葉を使ったら、野党なのに日米同盟と言う人がいるんだみたいに言われました。でも、今、日米同盟と言っても、誰ももう違和感ないですよね。


だからといって、国民の皆さんに対して、よらしむべし知らしむべからずということを言っていて、そして不測の事態が起きると、結局駐留米軍に対する国民の理解は進まないということになるので、是非、羽田新ルートについては、いい機会ですので、閣内でよく議論していただいて、事故が起きないうちに善処していただくことをお願いして質問を終わります。
以上です。

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