す~ごく久しぶりにマンションの折り込みチラシが入ってきた。
ただ、よく見ると普通のマンションではなく、シニア向けの分譲マンションのチラシである。
物件概要
- 【第2期本広告】東京駅直通12分、駅徒歩22分。総戸数88戸、4階建。販売戸数27戸、1LDK(42.39m2)~2LDK(90.76m2)。販売価格3,660万円~9,580万円。2020年2月竣工済み(本チラシ掲載日の1年前)。
※投稿21年3月6日(追記22年6月19日)
駅から遠いが問題ない!?
3駅アクセスはいずれも遠い。2経路はバス便、1経路は徒歩22分!
でも、シニア向けマンション。住人の多くは通勤不要だから問題ない。シニア向けマンションに住む人にとって重要なことは、買い物に便利なことと病院に近いことだろう。
その点、このマンションの立地は理想的。市の2次救急指定病院と複合商業施設が隣接しているからだ。しかも複合商業施設のなかには銀行ATMだけでなく、地域包括支援センターもある。
昼夜を問わず、救急車のサイレンが鳴り響くかもしれないが、これは慣れるしかない。
有料とはいえ年寄りにはありがたい支援サービス
このシニアマンションの最大の特徴は、支援スタッフが24時間体制で常駐していることだ。有料とはいえ身体の自由が利かない年寄りにはありがたいサービスが受けられる。
- 各住戸へのゴミ回収 [100円]
- 配膳・下膳 [200円] 配膳のみ・下膳のみ [100円/回]
- 電球取り換え [100円]
- 各住戸への荷物配達 [100円]
- 短時間サービス10分 [500円]
(洗濯及び収納、布団干し、居室整頓、家具の模様替えなど)
気になるのは、人材不足の世の中で、この先もずっと同様のサービスが同様の価格で受けられるかどうかである。
住戸によっては管理費・修繕積立金よりも生活支援業務費のほうが高い
もう一つ気になる点を上げるとすれば、このシニアマンションでは、一般的なマンションと違って、管理費・修繕積立金のほかに、生活支援業務費等も毎月支払う必要があることだ。
この出費はバカにならない。たとえば専有面積42m2の管理費27,600円(650円/m2)、修繕積立金7,300円(173円/m2)に対して、生活支援業務費等は49,725円。管理費・修繕積立金の1.4倍だ(次図)。
管理費・修繕積立金の1.4倍の負担に耐え切れない住人が出てくる可能性がゼロではないが……。
さて、レストランや大浴場、防音仕様のオーディオビジュアルルームやヨガや卓球が楽しめるプレイルームが完備されたこのマンション。
極楽を夢見て購入しても、長いあいだ夢に浸っていることはできないかもしれない。65歳でこのマンションを購入した場合、23区の健康寿命は男性71.89歳、女性74.19歳(厚生労働科学研究「大都市の健康寿命(2016年)」)だから、そのマンションに住める期間は男性7年に満たない(女性9年)。その後は介護施設に移ることになる。
そのことを多くの人は薄々感じているのせいなのか、このマンションは竣工して1年が経過してもまだ完売せずに、未入居の新古マンションとして販売されている。
(本日、マンション広告1枚)
【追記1】残戸数8戸!?
※追記22年1月22日
す~ごく久しぶりにマンションの折り込みチラシが入ってきたと思ったら、シニア向け分譲マンションのチラシだった。
物件概要
- 【第2期本広告】東京駅直通12分、駅徒歩22分。総戸数88戸、4階建。販売戸数8戸、2LDK(61.32(1戸)~90.76m2(2戸))。販売価格5,720万円(1戸)~9,580万円(1戸)。2020年2月竣工済み(本チラシ掲載日の約2年前)。
竣工して既に2年近く経っている。いわゆる新古マンション。
デジタルアーカイブ・サイト「Wayback Machine」を利用して、この物件の第2期の発売戸数の推移を調べた結果を次図に示す。
約5か月で27戸(=35戸-8戸)が売れたようだ(1か月当たり5.4戸)。
残りあと8戸なのか……。第1期の発売戸数が8戸(?)なので、ホントの残戸数は現地で確認しないと分からない。
それにしても、9,580万円(2LDK、90.76m2)は売れ残ったままだ。1億円近いお金を出せる富裕層であれば、熱海とか、もっと良いところを選ぶということなのか……。
【追記2】チラシ情報は記載ミス!?
※追記22年6月19日
土曜日(6月18日)にシニア向け分譲マンションのチラシが入ってきた。
物件概要
- 【先着順広告】東京駅直通12分、駅徒歩22分。総戸数88戸、4階建。販売戸数6戸、2LDK(58.35(1戸)~90.76m2(1戸))。販売価格5440万円(1戸)~9,180万円(1戸)。2020年2月竣工済み(本チラシ掲載日の約2年前)。
総戸数88戸に対して残り6戸。5か月前のチラシでは販売戸数が8戸だったから、この5か月で2戸売れたことになる。前回のチラシと比べてみると、最も広くて高い9,580万円(90.76m2)が売れたことが分かる。
- 前回(1月22日)
- 販売戸数8戸、2LDK(61.32(1戸)~90.76m2(2戸))
- 販売価格5,720万円(1戸)~9,580万円(1戸)
- 今回(6月18日)
- 販売戸数6戸、2LDK(58.35(1戸)~90.76m2(1戸))
- 販売価格5,440万円(1戸)~9,180万円(1戸)
気になるのは、最も狭い住戸の専有面積の変化。前回61.32m2から今回58.35m2に減少していることだ。最も狭い住戸が売れて最低専有面積が増えるなら理解できるのだが、その逆となると考えられるケースは二つ。一つは一度売れたはずの住戸がキャンセルになった場合。そしてもう一つは、記載ミス。
念のため同物件のHPを見てみると、
-
- 販売戸数4戸、専有面積61.32m2(1戸)~90.76m2(1戸)、
- 販売価格5,720万円(1戸)~9,180万円(1戸)
と表示されているので、チラシの記載ミスである可能性が高い。
さらにHPとチラシを比較していて、もっと気になることを発見。HPの情報更新日が「6月13日」となっているので、チラシとのタイムラグを考慮しても、販売戸数のズレが気になるのである(6月18日チラシ6戸、6月13日HP4戸)。
HPの情報が正しいとすれば、6月18日チラシに掲載された販売戸数6戸と専有面積58.35m2は間違いということになるのではないだろうか……。
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