す~ごく久しぶりにマンションの折り込みチラシが入ってきた。
ただ、よく見ると普通のマンションではなく、シニア向けの分譲マンションのチラシである。
物件概要
- 【第2期本広告】東京駅直通12分、駅徒歩22分。総戸数88戸、4階建。販売戸数27戸、1LDK(42.39m2)~2LDK(90.76m2)。販売価格3,660万円~9,580万円。2020年2月竣工済み(本チラシ掲載日の1年前)。
駅から遠いが問題ない!?
3駅アクセスはいずれも遠い。2経路はバス便、1経路は徒歩22分!
でも、シニア向けマンション。住人の多くは通勤不要だから問題ない。シニア向けマンションに住む人にとって重要なことは、買い物に便利なことと病院に近いことだろう。
その点、このマンションの立地は理想的。市の2次救急指定病院と複合商業施設が隣接しているからだ。しかも複合商業施設のなかには銀行ATMだけでなく、地域包括支援センターもある。
昼夜を問わず、救急車のサイレンが鳴り響くかもしれないが、これは慣れるしかない。
有料とはいえ年寄りにはありがたい支援サービス
このシニアマンションの最大の特徴は、支援スタッフが24時間体制で常駐していることだ。有料とはいえ身体の自由が利かない年寄りにはありがたいサービスが受けられる。
- 各住戸へのゴミ回収 [100円]
- 配膳・下膳 [200円] 配膳のみ・下膳のみ [100円/回]
- 電球取り換え [100円]
- 各住戸への荷物配達 [100円]
- 短時間サービス10分 [500円]
(洗濯及び収納、布団干し、居室整頓、家具の模様替えなど)
気になるのは、人材不足の世の中で、この先もずっと同様のサービスが同様の価格で受けられるかどうかである。
住戸によっては管理費・修繕積立金よりも生活支援業務費のほうが高い
もう一つ気になる点を上げるとすれば、このシニアマンションでは、一般的なマンションと違って、管理費・修繕積立金のほかに、生活支援業務費等も毎月支払う必要があることだ。
この出費はバカにならない。たとえば専有面積42m2の管理費27,600円(650円/m2)、修繕積立金7,300円(173円/m2)に対して、生活支援業務費等は49,725円。管理費・修繕積立金の1.4倍だ(次図)。
管理費・修繕積立金の1.4倍の負担に耐え切れない住人が出てくる可能性がゼロではないが……。
さて、レストランや大浴場、防音仕様のオーディオビジュアルルームやヨガや卓球が楽しめるプレイルームが完備されたこのマンション。
極楽を夢見て購入しても、長いあいだ夢に浸っていることはできないかもしれない。65歳でこのマンションを購入した場合、23区の健康寿命は男性71.89歳、女性74.19歳(厚生労働科学研究「大都市の健康寿命(2016年)」)だから、そのマンションに住める期間は男性7年に満たない(女性9年)。その後は介護施設に移ることになる。
そのことを多くの人は薄々感じているのせいなのか、このマンションは竣工して1年が経過してもまだ完売せずに、未入居の新古マンションとして販売されている。
(本日、マンション広告1枚)
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