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羽田新ルート|衆院「予算委員会」畑野君枝議員(共産)

第204回 国会衆議院「予算委員会第二分科会」(21年2月26日)において、畑野君枝議員(共産)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

会議録をもとに、テキスト化(約3千文字)しておいた。

※「国会会議録検索システム」を使って「羽田新ルート」で検索してみたところ、畑野君枝議員(共産)の質疑応答の記事が抜けていたので作成した(23年4月29日)。


質疑応答のポイント

畑野君枝議員(共産)
畑野君枝 衆議院議員(共産党、2期、 横国教育学部卒、64歳)

畑野:防災アセスメント指針、石油コンビナートへの航空機の墜落や航空機からの落下物による事故、どのように取り扱うのか?

次に、羽田空港の新ルート問題について伺います。
これまで上空飛行禁止と通知されてきた川崎の石油コンビナート上空を離陸時に通過する羽田新ルートの運用が、昨年3月29日から開始されました。市民から、騒音と墜落事故、落下物事故への心配の声が寄せられています。羽田新ルートは撤回すべきです。しかも、航空機の墜落や落下物による石油コンビナート事故の被害の想定すらされていない状況です。


昨年7月16日時点のダイヤには、ボーイング777大型機が、伊丹空港や那覇空港へ向けて離陸時に、川崎の石油コンビナート上空を通過するB滑走路を使用する可能性があるとされてまいりました。


そのボーイング777型機は、今年2月21日、アメリカのコロラド州上空を飛行中、エンジンに損傷を生じて、巨大な部品が住宅地に雨のように次々と落下する、こういう事故を起こしました。エンジンは、プラット・アンド・ホイットニー社製です。

日本では、国土交通省が、同じエンジンを搭載する同型の旅客機を保有する全日空と日本航空に対して、対策の必要性を検討する間、運航を停止するように指示いたしました。昨年12月4日には、那覇空港発羽田空港行き日航ボーイング777がエンジントラブルで引き返し、緊急着陸いたしました。


昨年の2月の分科会で、1969年に消防庁が運輸省に宛てた、石油コンビナート地帯における航空事故による産業災害の防止についてという通知で、全国の石油コンビナート地帯の上空における最低安全高度以下の飛行禁止及び離着陸時における同地帯上空の飛行の回避を求めていると指摘いたしました。

また、石油コンビナートの災害対策に関し、航空機の落下等、大規模な事故を原因とするものも国の防災基本計画に含まれることを内閣府に確認いたしました。


伺います。消防庁の石油コンビナートの防災アセスメント指針を基に、自治体は防災計画を策定しています。この指針は、石油コンビナートへの航空機の墜落や航空機からの落下物による事故についてどのように取り扱うのか。

本指針で取り上げていない施設や災害が重要と考えられる場合には、本指針の考え方を参考に、立地条件なども考慮して独自に評価を行うことを推奨するとしています。その点について伺います。

山口英樹(消防庁次長)
山口英樹 消防庁次長(86年自治省に入省)

次長:立地環境なども考慮して独自に評価されることを推奨

お答えをさせていただきます。
石油コンビナート等特別防災区域を有する都道府県は、石油コンビナート等災害防止法に基づきまして、特別防災区域に係る防災計画を作成し、毎年これに検討を加え、必要に応じて修正しなければならないとされております。


防災計画を策定するに当たりましては、特別防災区域で発生する可能性のある災害の種類、規模、影響等を把握するための災害の想定が不可欠でございます。


そのため、災害想定をできるだけ客観的かつ現実的なものとするために、消防庁は、平成6年3月に、石油コンビナートの防災アセスメントの策定指針をお示ししております。その後、阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災を踏まえた見直し等も行ってきているところでございます。


この指針の中では一定のお考えをお示ししているところでございますけれども、委員からも御指摘ございましたとおり、石油コンビナートには、石油タンクや化学プラントなど多種多様な数多くの施設がございます。

これらで発生し得る全ての災害を網羅してお示しすることは難しい、そういう観点から、各都道府県では、それぞれが所管する石油コンビナートの状況を十分に把握し、本指針で取り上げていない施設や災害が重要と考えられる場合には、本指針の考え方を参考に、立地環境なども考慮して独自に評価されることを推奨しているものでございます。

畑野:自治体が科学的知見に基づく調査、予測、評価を行い、その結果を地域住民に周知していくということは有用

そうすると、航空機の墜落や航空機からの落下物の事故について、否定はしないということでいいですよね。ちょっと、そこのことを後で確認します。


川崎市の航空機災害警防活動指針は、石油コンビナートのタンク群に航空機が墜落した場合を想定しています。航空機は引火性の高い燃料を大量に搭載しているため、一瞬のうちに最盛期を迎える、林立するタンク群をなぎ倒す状況で地上に激突するものと考えられ、タンク内の燃料に引火して、誘爆、ファイアボールの発生危険を生ずるとしています。


これは2004年策定で、現在、世界で唯一、石油コンビナートの真上を年間8000便も飛行する計画の新ルートの運用が始まっています。被害の範囲や影響については記されていないので、地域住民から、石油コンビナートへの航空機の墜落や落下物で事故が起きた場合に自分たちはどうしたらいいのか分からないという不安の声が上がっているんです。


神奈川県の石油コンビナート等防災計画には、災害予防計画の中に航空機事故による災害の防止が入りました。国、県、関係市は、川崎石油コンビナート地域における航空機事故による災害発生の未然防止と拡大防止を図るため、連携強化を図ると県はしております。


ですから、今後、航空機の墜落や落下物による石油コンビナート災害の発生のおそれや被害の範囲や影響等について、自治体が科学的知見に基づく調査、予測、評価を行い、その結果を地域住民に周知していくということは有用で、大事だと思いますが、この点いかがですか。

次長:被害の軽減に向けた様々な検討がなされるものと承知

お答えをさせていただきます。
石油コンビナート法におきましては、防災本部及びその協議会は、先ほども申し上げました防災計画を作成し、及び毎年これに検討を加えて、必要があるときにはこれを修正しなければならないというふうになっております。


神奈川県の方の防災本部におかれましては、神奈川県に加えまして、川崎市ですとか関係機関が入って、そちらの方で防災計画を作っていらっしゃるというところでございます。

そういった中で、これまでも様々な対策を検討されてきたと存じますけれども、被害の軽減に向けた様々な検討がなされるものと承知をしております。

畑野:航空機の墜落事故も、それは自治体の判断を含めて、そういうことも除外しない?

つまり、航空機の墜落事故も、それは自治体の判断を含めて、そういうことも除外しないということでいいですね。確認です。イエスかノーかでいいです。

次長:御検討いただくことが必要である

神奈川県の先ほどの会議の中で十分御議論いただいて、御検討いただくことが必要であると考えております。

畑野:分かりました

分かりました。

次に、川崎市の石油コンビナート地帯にあるJFEスチールの高炉休止に伴う雇用問題について伺います。(以下略)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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