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羽田新ルート|品川区議会、住民投票条例案に反対した自公議員の主張

都心の上空を通る羽田空港の新飛行ルートの賛否を問うための住民投票条例案が品川区議会第3回臨時会で20年12月25日、自民党、公明党議員らの反対で否決された(反対・賛成議員一覧)。

次回の品川区議会選挙(2023年4月)の判断材料に資すべく、反対議員団の主張を記録しておく。

会議録をもとに、自公3名の主張(約9千文字)を整理した。

#羽田新ルート #品川区議会
#品川区議会議員選挙 (令和5年4月執行 品川区議会議員選挙)


反対理由

本多健信 議員(自民)

本多健信議員
本多健信 議員(自民党、区議7期、読売東京理工専門学校卒、53歳)

案に修正を加えることは、署名された方全員の意思を反映したものではないと考えます

第99号議案羽田新飛行経路の運用の賛否を問う品川区民投票条例修正案に当たり、品川区議会自民党を代表して反対討論を行います

原案に対する2万人を超える署名は、署名活動において請求人等が直接その場で条例案を区民お一人おひとりに示し、丁寧に説明が行われ、内容についてご理解いただきながら署名いただいたものと理解しています。その案に修正を加えることは、署名された方全員の意思を反映したものではないと考えます。よって、修正案には反対を表明いたします

品川区議会自民党は、今後も区民の皆様の不安払拭に向け、騒音や落下物対策のさらなる強化、ルートの再考および固定化回避を強く求めていきます

続きまして、第99号議案、羽田新飛行経路の運用の賛否を問う品川区民投票条例に当たり、品川区議会自民党を代表して反対討論を行います

議案の第1条に、「この条例は、国土交通省が決定した羽田空港の新飛行経路の運用に対し、品川区民の意思を確認し、航空行政に反映させることを目的とする」とあります。

しかし、別紙、意見書の「1 区議会および区長が既に国に対して意見を表明し、要望を伝えている点について」、「羽田新飛行経路に関して、区議会では、平成31年3月26日に『品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議』を、令和元年9月20日に『品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画決定に関する決議』を行い、区民の不安払しょくにつながる効果的な対策の実施と、ルートの再考および固定化を避ける取り組みを強く求めています。令和2年3月29日からの羽田新飛行経路の本格運用開始後、区民から不安の声が寄せられたことや、新型コロナウイルス感染症の影響による航空需要の低下を踏まえ、区長として、同年5月20日、国土交通省を訪れ、落下物対策や騒音環境軽減に向けた更なる取り組みの実施や、都心上空を飛行する新飛行ルートを固定化することがないよう、国土交通大臣あてに申し入れしています。区民の不安払しょくに向け、これらの点に関して国に対し強く求めていくことが区として重要であり、今後も区長の姿勢に変更はありません」とあります。

また、我が会派、品川区議会自民党からも、令和2年3月25日、国土交通省航空局長へ直接固定化回避の申入れを行い、5月25日には赤羽一嘉国土交通大臣宛てに羽田空港の機能強化に関する要望を国土交通政務官に直接提出いたしました。

その結果、国土交通省は、地域の皆様の要望を踏まえ、令和2年6月30日に羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会が設置され、今年度中に考えられる技術的選択肢のメリット、デメリットが整理される予定です。

平成25年、国から、国際競争力の強化や訪日外国旅行者の受入れ等のため羽田空港の国際線の増便の方策が急務であるとし、新飛行ルート案が出されました。令和2年2月3日から12日の期間中7日間、実機飛行確認が行われ、3月29日からは本格運用が開始されました。

しかし、世界各国における新型コロナウイルス感染拡大の状況の中、国内外での運航需要が大幅に低下した現時点で品川区上空を飛行する羽田空港新飛行ルートの運用の必要性はあるのか、感染防止策としての窓開け換気を推奨されているが騒音により実施は不可能などの意見を多数の品川区民から切実な願いとして聞いています。

こうした状況を踏まえ、品川区議会自民党は、今後も区民の皆様の不安払拭に向け、騒音や落下物対策のさらなる強化、ルートの再考および固定化回避を強く求めていきます

よって、本件、第99号議案には反対を表明いたします

渡部茂 議員(自民・無所属・子ども未来)

渡部茂議員
渡部 茂議員(自民党、区議4期、東京農業大学卒、54歳)

初めに、このたびの条例制定の請求に向けた署名活動に関係された区民の皆様に敬意を表します。また、今日の臨時会開会に向け、連日遅くまで事務作業に努められた区議会事務局をはじめとする関係区職員の皆様に御礼申し上げます。

品川区議会自民・無所属・子ども未来を代表して、第99号議案、羽田新飛行経路の運用の賛否を問う品川区民投票条例案および修正案について反対の立場から討論を行います

本条例案は、国が決定し運用を開始した品川区上空を飛行する羽田空港の新飛行経路に対する賛否について、品川区民による投票の実施を定めるものです。

このたび署名数が法定数の6,802人を超え2万760人の署名により請求されたところであり、この意義を重く受け止めるものであります。

その上で、本議案および修正案を慎重に検討した結果、2点反対の理由を述べます

1点目に、羽田新飛行経路の運用に対し、区議会も区も容認しない旨の意思を表明しています

1点目に、羽田新飛行経路の運用に対し、区議会も区も容認しない旨の意思を表明しています

区議会では、平成31年3月26日に品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議を、令和元年9月20日に品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画決定に関する決議を行い、区民の不安払拭につながる効果的な対策の実施と早急かつ具体的にルートの再考および固定化を避ける取組を示し、実行に移すことを国に強く求めています。

区においても、令和2年3月29日の本格運用開始後も寄せられる区民の方々からの不安のお声や、新型コロナウイルス感染症の影響による航空需要の低下を踏まえ、区長自らが同年5月20日、国土交通省を訪れ、落下物対策や騒音環境軽減に向けたさらなる取組の実施や、都心上空を飛行する現飛行ルートを固定化することがないよう、国土交通大臣宛てに申入れを行っています

国は、求めに応じ、令和2年6月30日に新経路の固定化回避、騒音軽減等の観点から新経路の見直しが可能な方策がないかについて検討を行うための検討会を立ち上げ、本年度内には一定の取りまとめを行うとしています。

なお、一昨日の23日には第2回の固定化回避に係る技術的方策検討会が開催されました。

引き続き、品川区議会としても固定化回避に向けた国の取組について今後も注視していくとともに、具体的な取組の早期実施を今後も国に対して強く求めていくことが必要であると考えます。

2点目に、羽田新飛行経路の運用について、国は、当該運用に関する区民の方々からのご意見、ご要望に対し、今後もしっかりと受け止め、国の責任において引き続き丁寧に対応していくことを表明しています

2点目に、羽田新飛行経路の運用について、国は、当該運用に関する区民の方々からのご意見、ご要望に対し、今後もしっかりと受け止め、国の責任において引き続き丁寧に対応していくことを表明しています

国は、区議会ならびに区の求めに応じ、区内13地域での教室型説明会を実施するなど、区民の皆様に対し、計画の説明、周知を行ってきました。一方で、区民の皆様からは、さらなる対策や説明を求める様々なお声が会派に寄せられました。

本格運用開始以降も、区は区民の方々から寄せられている落下物対策や騒音環境軽減に向けたさらなる取組の実施などを国に求めており、国も引き続き多くの方々からのご理解が得られるよう取り組んでいくと回答しています

したがいまして、事業主体であり説明責任を果たすべき国に対し、今後もこれらの点に関して強く求めていくことが重要であり、羽田新飛行経路運用に対して法的拘束力のない区民投票を本事業の施行者でない品川区が実施することは適当でないと考えます。

さて、本日提出された修正案は、区長による条例案に対する意見書が付された後に区議会議員より提出されたものであります。

本来提出された条例案に対する賛成署名を2万筆以上集められたことは承知しています。条例案に瑕疵があったのか、不備があったのか、知るよしはありませんが、修正案提出者からは、まずもって条例案(原案)に対し署名いただいた区民の皆様へ修正案提出の説明をなされたのでしょうか

また、区長の意見を受け修正案に記載された一定の区民の理解については、投票資格者数の25%の投票率が一定の理解としていることには、理解に苦しみます。多くの区民の意見集約と捉えるならば、少なくともここ数年で最も高い投票率をもって行われた選挙での投票率こそ住民意思の決定にふさわしく、一定の理解と捉えるべきと考えます。

このようなことから、現状の修正案が開票結果の効力を有効とすることは、40万区民の意見集約とは言い難いのではないでしょうか。

また、投票日を条例施行日から1年以内としたものについても、現在の住民意思の反映と言えるのか疑問です。

新型コロナ感染症対策に多くの力を注がざるを得ない現状下において、他の選挙執行に合わせたところで、費用の問題もさることながら、投票活動が行われる場合、投開票作業に数多くの職員の手が必要となるとともに、公職選挙法抵触による混乱も予想されます。

決して法で認められている住民投票を否定するものではありません。しかしながら、広域的な問題であるために、他区との連携も考えていかなければなりません。会派としても、日常の政治活動である、まちを歩いての、そして課題研究を通して区民の皆様の声に耳を傾け、引き続き区政の発展に努めてまいります。

以上、改めて区議会決議である区民の不安払拭につながる効果的な対策の実施と、新型コロナ感染症で世界中の環境や生活が大きく変化した現状を踏まえるとともに、あらゆる可能性を排除せず、また今以上に区民の皆様へ正確な情報が適切な情報量で分かりやすく伝わる仕組みの構築を国と区が密な連携を取りながら一緒になって進めていただきたく要望するとともに、早急かつ具体的にルートの再考および固定化を避ける取組を示し実行に移すことを国に強く求め、私の反対討論を終わります。

あくつ広王 議員(公明)

あくつ広王

あくつ広王 議員(公明党、区議3期、元国会議員秘書、創価大学法学部卒、47歳)

品川区議会公明党を代表して、第99号議案、羽田新飛行経路の運用の賛否を問う品川区民投票条例案および修正案について反対の立場から討論を行います

初めに、地方自治制度と直接請求、住民投票の関係について述べます

憲法93条は、地方自治体に執行機関としての首長──「くびちょう」と呼びますが、首長と議決機関としての議会を置き、首長と議員は住民が選挙で選出すると定めています。これを受けて地方自治法は、選出された首長と議会が住民を代表し、それぞれの責任と判断で政治を運営する間接民主制を定めています。つまり、我が国の法制度において地方自治の行政運営の根幹は間接民主制とされており、品川区制もこの原則にのっとって運営されています。

一方で、複雑化した現代社会において多様な住民ニーズを反映させるため、間接民主制の補完として直接請求、また住民投票制度が一部採用されています。現行法の下で認められる直接請求を議会は区民の声として真摯に受け止めるのは当然です。その上で、条例案が議会の審議に付されている制度の趣旨を踏まえ、その目的や効果、経費などの財政面などを慎重に検討する必要があり、以下4点について確認します。

1点目は、2度の区議会決議に区民の意思が反映されていること

1点目は、2度の区議会決議に区民の意思が反映されていることを述べます

羽田空港の新飛行経路については、計画案の公表から現在まで、区民の皆様から様々な不安の声をいただいてきました。こうしたお声にお応えするため、区議会では議論を尽くし、2回の決議を行ってまいりました。

まず、平成31年3月26日には、新飛行ルート案を容認することはできず、国土交通省に対して品川区上空を飛行しないルートへの再考を強く求める品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議を、自民党・子ども未来、品川区議会公明、国民民主党・無所属クラブの3会派で提出し、議会運営委員会での議論の後、全ての会派と無所属議員の賛同を得て全会一致で可決しました。

なお、共産党、生活者ネットワーク、無所属議員が提出した品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に反対する決議は、賛成少数で否決されています。

次に、計画決定後の令和元年9月20日には、国土交通省に対し、区民の不安払拭につながる効果的な対策の実施と早急かつ具体的にルートの再考および固定化を避ける取組を示し、実行に移すことを強く求める品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画決定に関する決議を、自民・無所属・子ども未来、品川区議会自民党、品川区議会公明党の3会派で提出し、共産党、品川改革連合、生活者ネットワーク、無所属議員等の反対がありましたが、賛成多数で決議しました。

なお、反対の会派、議員が提出した品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画の決定に対する決議は、賛成少数で否決されています。

 

多様な考え方と価値観を持つ区民を代表する区議会で審議の後、可決された2回の決議は、我が国の政治の根幹である間接民主主義の具現化であり、制度上の正当性が保障された区民の意思の反映であると言えます。

一方で、本条例案第1条、目的において「品川区民の意思を確認し」と規定されていますが、賛成、反対の2者のうち単に1票でも多い投票結果が区民の意思とされ、有権者のうちどの程度の人数が投票すれば区民の意思としての正当性が認められるのかが規定されておらず、区民投票の条例案として適切ではありません

なお、修正案第11条では、成立要件を投票者数が投票資格者数の25%以上の場合と規定し、成功させる会の見解では、品川区長選の投票率を例に挙げ、区長選挙の結果の正当性も判断基準となるとしています。

まず、常設型住民投票制度を採用する他自治体では、その多くは成立要件を投票者数が投票資格者数の2分の1以上としています。それと比較して著しく低い25%を超えれば区民の意思としての正当性を持つと主張する根拠が不明です。

また、例示されている区長選の結果の正当性は、憲法93条が地方公共団体の長は「その地方公共団体の住民が直接これを選挙する」と規定し、これを受けた公職選挙法95条で「有効投票の最多数を得た者をもつて当選人とする」と規定されていることに由来しており、法律上、投票資格者数全体の投票率とは全く関係がありません。

したがって、区長選の結果の正当性と住民投票の成立要件を混同して、25%以上の投票者数をもって区民の意思とする根拠とはなりえず、適切ではありません

2点目は、投票結果に法的拘束力がないこと

2点目は、投票結果に法的拘束力がないことを述べます

住民投票の法的拘束力に関しては、平成12年5月9日、那覇地裁の名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票に関する条例に関する裁判が司法判断のリーディングケースとされています。

本判決では、仮に、住民投票の結果に法的拘束力を肯定すると、間接民主制によって市政を執行しようとする現行法の制度原理と整合しない結果を招来することにもなりかねないのであるから、右の尊重義務に依拠して──少し中略をいたします。賛否いずれか過半数の意思に従うべき法的義務があるとまで解することはできない、また、市長に対し、本件住民投票の結果を参考とするよう要請しているにすぎないと判示し、司法は住民投票の法的拘束力を否定しています

区民の不安や様々なお声があることは確かですが、司法判断に照らせば、住民投票の結果は国に対し全く法的拘束力を持たないだけではなく、区長、また議会に対しても参考とするよう要請しているにすぎないことになります。

また、修正案第11条、成立要件では、「25%に満たない場合、開票結果の効力を無効とする」としていますが、そもそも法的拘束力がない開票結果を無効とするという文言が何を指しているのか、条文上意味が不明であり、条例案として適切ではありません

3点目は、コロナ禍において多額の経費と労力が費やされること

3点目は、コロナ禍において多額の経費と労力が費やされることを述べます

国難とも言えるコロナ禍において、区長と区議会は区民の安全と生活が第一との姿勢で、有事の際に備えてきた財政調整基金等を存分に活用し、全ての区民に現金を給付する独自のしながわ活力応援給付金をはじめ、迅速かつ重層的な経済・生活支援策を矢継ぎ早に行ってきました。

しかし、今後は、コロナ禍による企業収益や区民所得の減少に伴う特別区民税および都区財政調整交付金の大幅な減収が見込まれており、財政運営の厳しいかじ取りが迫られています。

品川区によれば、住民投票の実施には1億5,000万円程度の経費が必要となります。感染の第3波が爆発的に拡大し区民の経済状況の厳しさが加速度を増している現状において、区民の意思の確認という目的のために、投票結果が国への法的拘束力を全く持たず、区長、議会への効力でさえ参考とするよう要請しているにすぎないと司法判断されている住民投票の実施に多額の血税と労力を投入することは、適切な手法ではないと考えます。

なお、修正案第4条で区民投票の実施は3か月以内から1年以内へと変更されており、その理由として、成功する会では、実施時期に関しては、感染の流行状況を見ることにやぶさかではないと述べておられます。しかし、そもそも既に市中感染が流行拡大している状況下で、あえて法定期限のある署名活動を実施するご判断をされた当事者団体の見解とは思えず、理解に苦しむものです。

また、来年の東京都議会議員選挙と期間を合わせることで財政的にもより効率的に区民投票を実施できるのではないかとの提言もありました。

地方自治体の条例制定権については、地方自治法第14条で、普通地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて認められています。しかし、本条例案12条では、公職選挙法で禁じられている戸別訪問や期間中の自由な区民投票運動などが規定されています。

さらに、東京都および品川区選挙管理委員会の見解では、公職選挙と住民投票を同時期に執行することは、前述した課題や選挙人名簿の登録日の違いなど、様々な課題があるとの認識です。公正・中立な選挙の実施に影響を与え、様々な混乱が生じる可能性があり、条例案として適切ではありません

4点目は、固定化を回避するための検討が行われていること

4点目は、固定化を回避するための検討が行われていることを述べます

 

本年3月29日の新飛行ルートの本格運用の開始後、パンデミックにより状況が一変する中で、区民からは懸念の声が数多く寄せられました。

そこで、5月28日、公明党の伊藤興一都議会議員とルート直下3区の公明党区議会議員が赤羽一嘉国土交通大臣に直接面会し、羽田空港新飛行ルートの再考および固定化を避ける取組を早急かつ具体的に検討することなどを改めて強く求めました

6月3日、衆議院国土交通委員会で公明党の岡本三成衆議院議員がこの要望活動を取り上げ具体的な対応を求めたところ、赤羽国交大臣からは、「今般、私から航空局長に対しまして、新経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するため、有識者及び専門家による検討会を今月中にも立ち上げるよう指示をさせていただいた」との答弁がありました。そして、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会が設置され、本年6月30日に第1回、そして一昨日12月23日に第2回が開催されています。

なお、第2回の検討会では、GPSなどを使って旋回しながら降下する方式など12種類の着陸方式が示されました。

今後は、現在の滑走路の使い方を前提としつつ、固定化回避、騒音軽減等の観点から新経路の見直しが可能な方策がないかについて技術的観点から検討を行い、考えられる技術的選択肢について海外動向の調査結果を踏まえ多角的な検討を行い、今年度中に複数の飛行方式に絞り込み、メリット、デメリットが整理される予定です。

なお、現在の滑走路の使い方を前提としていることから、固定化回避は名ばかりで、この検討会が現在の都心上空の低空飛行が大前提などと事実誤認──これは解釈の違いではなく事実誤認の見解を述べる会派、議員もあります。

しかし、共産党の山添拓参議院議員が提出した羽田空港の新飛行ルートに関する質問主意書に対する政府の答弁書によれば、「新経路の固定化回避については」──これが主語です。「新経路の固定化回避については、令和元年6月に東京都品川区から、新経路の運用開始後に同区等の新経路のうち南風時に運用される到着経路下の地方公共団体や新到着経路下の地域の地方議員から、それぞれ要望があったこと等を踏まえ、新到着経路を中心に検討を行っているところである」と明記されています。つまり、南風時に品川区上空を飛行する新到着経路の固定化回避を検討していることが明確にされていることも改めて指摘をしておきます

最後に、対話と交渉を尊重すること

最後に、対話と交渉を尊重することについて述べます

そもそも一定期間、住民に条例案を示して賛同する区民に署名を求めることに直接請求の正当性が認められるところ、今回、一部の議員が提出した修正案では、文言を削り、新たな項目を加えるなど、原案に10か所以上の修正が加えられています。
例えば、「運用の賛否を問う」という条例案の名称にもかかわらず、修正案では賛否のほかに「どちらでもない」という新たな文言を加えるなどの変更が見られます。

 

直接請求の制度趣旨から鑑みれば、当然修正の認められる範囲は署名の際に示された原案と一体性が認められなければなりませんが、10か所以上の修正について原案に署名された区民への説明と賛同は得られているのか確認できず、修正案として適切とは認められません

翻って、区民の多様な考え方を尊重し、意見を交わしながら1つの方向へと答えを収れんしていくことが、我が国の地方自治制度の根幹である間接民主主義の要請です。

この原則にのっとり、私ども区議会は、今回、条例制定の直接請求に署名された区民の皆様の思いを真摯に受け止めるとともに、日頃から羽田空港の機能強化と新飛行経路に対して私どもにお声を寄せてくださっている皆様のご意見も十分に考慮に入れながら、議論と熟慮を重ね、区民の意思として合意形成していく必要があります

区議会公明党は、これからも区民の不安のお声に寄り添いつつ、あくまでも、どこまでも粘り強い対話と諦めない交渉で品川区上空を飛行しないルートへの再考と固定化を避ける具体的な取組を示すことを国に強く求めてまいります。

以上で本条例案および修正案について区議会公明党の反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

雑感

 本多健信 議員(自民)

条例案を修正した案が署名者全員の意思を反映したものでないというならば、原案に賛成すればいい。

区長が既に国に要望を伝えていることや、品川区議会自民党から赤羽大臣宛に要望書を提出していることが条例原案の反対理由に掲げているのは説得力に欠ける。

渡部茂議員(自民・無所属・子ども未来)

区議会も区も羽田新ルートを容認しない旨の意思を表明済みであること、国の責任において引き続き丁寧に対応していくことを表明済みであることを条例案・同修正案の反対理由としているのは、説得力に欠ける。

ちなみに、渡部茂議員は「品川区議会自民・無所属・子ども未来を代表して」反対としているが、同じ会派に所属している大倉たかひろ議員(国民民主、元松原仁氏秘書)は「木村けんご議員と本件に関して議論を重ね、2名を代表いたしまして」と賛成討論を展開している。

住民投票条例案否決の余波なのか、12月26日付で「自民・無所属・子ども未来」は8名から6名に変更となった。

※21年1月18日追記

21年1月1日付で大倉たかひろ議員、木村けんご議員が新会派「しながわ無所属クラブ」を届け出た。

あくつ広王議員(公明)

あくつ議員の討論文章の長さ(約5千文字!)が、反対理由の理不尽さを浮き彫りにしているのではなか。

反対理由として掲げた5項目はいずれもごもっともであるが、賛成理由を掲げようとすればまた、5項目を掲げることができたであろう。

羽田新ルートを推進している公明党の親分(赤羽国交大臣)の足を引っ張れないということなのだろうか。「小さな声を、聴く力」(公明党キャッチコピー)に偽りはないか……。

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