板橋区議会「20年第3回定例会」本会議の一般質問(9月23日)で、羽田新ルートに関して、石川すみえ議員(共産)の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約1千文字)しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。
石川すみえ議員(共産)
石川すみえ議員(共産党、区議1期、日本女子大院卒、37歳)
問1:区として、騒音被害の実態調査を行うべき
次に、羽田空港新ルートの騒音について質問します。
羽田空港の機能強化により、3月29日から板橋区の上空を旅客機が山手線のダイヤと同じくらいの頻度で飛んでいます。飛行機の轟音が聞こえて午後3時になったのを知るという住民もいるほどの轟音です。
東山町にお住まいの方からは、今までの国交省の説明では、悪天時には好天時と違うルートとなっていたが、その後の問い合わせに対して、「好天、悪天は関係ない。好天、悪天に関わらず、最短ルートを使用することが多い」などの回答があり、「話が違う、静かな生活を返してくれ」といった切実な声が寄せられています。
国は新たな短期測定を9月末から10月上旬まで、常盤台小学校の屋上で行いますが、それにとどまらず、まずは板橋区として、騒音被害の実態調査を行うべきと考えますが、いかがですか。
問2:騒音被害の相談窓口を
さらに、羽田空港機能強化に伴う騒音被害の相談窓口を設け、改善策を打ち出して下さい。見解を伺います。
坂本区長
坂本健 板橋区長(4期、日大院卒、60歳)
答1:区独自に固定騒音測定局を設置する考えはない
次は、羽田空港新ルートの騒音に関連いたしまして、区の騒音実態調査についてのご質問であります。
本年、3月下旬から運用されております新飛行経路においては、三園から赤塚新町に至る航路直下に当たる赤塚第二中学校に国の固定騒音測定局が設置されておりまして、すでに稼働しているところであります。
また、小豆沢から向原に至る航路直下の区内には固定の測定局はございませんが、同一航路の延長線上にある北区と豊島区の施設には、国を固定騒音測定局がそれぞれに設置されております。国が設置したこれら3つの固定騒音測定局の測定値によりまして、区内上空を飛行する航空機の騒音はほぼ捕捉可能であることから、区独自に固定騒音測定局を設置する考えはないところであります。
答2:区では引き続き騒音に係る受付窓口として対応
次は、区の相談窓口の設置と改善策についてのご質問であります。
区では、これでも工場や建築現場から発生する近隣騒音はもとより、航空機等の騒音につきましても、環境政策課が総合的な相談受付窓口として対応してまいりました。
また、今般の新飛行経路に係る航空機騒音につきましては、国が新たな相談窓口を設置するとともに、いわゆる航空機騒音防止法が適用される地域における改善対応を行っているところであります。
区では引き続き騒音に係る受付窓口として対応し、区に寄せられた相談内容等について、様々な機会をとらえて国や東京都との共有化を図るとともに改善を切に要望していきたいと考えています。
雑感
板橋区議会の定例会一般質問で羽田新ルート問題が取り上げられたのは18年以降、今回を含め、たったの2回。前回は19年第3回定例会(9月25日)の荒川なお議員(共産)がチョコっと取り上げただけだった。
今回、石川すみえ議員(共産)が一般質問で羽田新ルート問題を申し訳程度に取り上げているが、チョコっとでも取り上げたことを評価すべきなのか。
筆者の独自調査によれば、羽田新ルートの騒音の影響を受ける可能性があるのは板橋区民の3割(17万人)。
板橋区民は、羽田新ルートの議論がほとんど行われていない区議会の状況をご存じなのだろうか……。
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