東日本不動産流通機構は4月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(3月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比マイナス11.5%の2ケタ減となり、3ヶ月ぶりに前年同月を下回った。
- 成約m2単価は前年比プラス0.2%、成約価格は同マイナス0.03%、専有面積は同マイナス0.2%とほぼ横ばいであった。
地域別動向
- 成約件数はすべての地域が前年比で減少し、東京都区部と横浜・川崎市、埼玉県は2ケタ減となった。
- 成約m2単価は東京都区部と横浜・川崎市、神奈川県他が前年比で下落し、東京都区部はほぼ横ばいながら18年12月以来15ヶ月ぶりに前年同月を下回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあったが、20年1月をピークに下落(次図)。
20年3月の成約単価は54.05万円(前年同月比0.2%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年1月をピークに減少傾向(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
3月の成約件数3,642戸は、前年同月比で▲11.5%減。
首都圏の成約単価は20年1月をピークに下落し、在庫件数が減少傾向にあるなかで、成約件数は前年比で▲11.5%減(次図)。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあったが、20年1月の74.82万円をピークに2か月連続で下落。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年2月をピークに減少傾向。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落の兆候か。(次図)。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、減少傾向が見られる。
まとめ
中古マンションの需要復調の兆しが見え始めていたところに、新型コロナウイルスの影響が出てきたようだ。
- 首都圏
成約単価は、20年1月をピークに下落。成約件数は、前年同月比で▲11.5%減。 - 都内
成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあったが、20年1月をピークに2か月連続で下落。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落の兆候か。
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