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羽田新ルート|参院「国土交通委員会」小沢雅仁議員(立憲)

第201回 国会参議院「国土交通委員会」(20年3月18日)において、小沢雅仁議員(立憲)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

会議録をもとに、テキスト化(約3千700文字)しておいた。

※「国会会議録検索システム」を使って「羽田新ルート」で検索してみたところ、小沢雅仁議員(立憲)の質疑応答の記事が抜けていたので作成した(23年4月29日)。


質疑応答のポイント

小沢雅仁議員(立憲)
参議院「総務委員会(23年4月25日)」より
小沢雅仁 参議院議員
(立憲民主党、参院1期、元郵便局員、山梨県立甲府西高校卒、54歳)

小沢:降下角度、3.45度に引き上げた理由?

続きまして、羽田新ルートの安全性について質問したいと思います。

このオリンピックが開催されれば、多くの訪日外国人が飛行機を利用して来日をされると思います。そして、羽田空港を利用する訪日外国人旅行者は年々増加をして、首都圏空港の機能強化が重要な課題になっていると理解をしております。

特に、羽田空港の飛行経路の見直しが必要になるということは認識をしております。これまで米軍管制の管轄にあった横田空域の一部が通過可能となり、新たな東京都心の上空を飛行機が飛ぶ羽田新ルートが今月29日に運用が始まります。


そこで、降下角度を、国際民間航空機関が推奨する3.0度ではなく3.45度に引き上げた理由についてお尋ねをしたいと思います。

和田浩一 航空局長
参議院「予算委員会(20年3月25日)」より
和田浩一 航空局長(東大法学部卒、87年運輸省入省、56歳)

局長:騒音影響の軽減

約6年前の平成26年に羽田空港の新飛行経路を提案させていただいて以降、その経路下となる各地で6巡にわたって住民説明会を開催してまいりました。その中で、住民の皆様からは、騒音影響を軽減してほしいという御意見、御要望をいただいてきたところでございます。


このような声を受けまして、これまで、安全上支障のない範囲で着陸地点を移設することによりまして高度を引き上げたり、また、羽田空港の国際線着陸料体系の見直しによって低騒音機への誘導を図るなどの騒音対策をお示ししてまいりました。


しかし、その後の説明会等におきましても、騒音影響の軽減について引き続き強い御要望をいただいていたところでございまして、これを受けて、昨年7月に追加対策の1つとして、降下角の引上げにより飛行高度を引き上げることといたしました

小沢:騒音が軽減されたというデータ?

今、騒音軽減という考え方が示されましたが、ちょっと通告しておりませんけれど、2月に試験飛行をされて、多分騒音を計測をしたというふうに思いますが、実際にその騒音が軽減されたというデータが出てこられたんでしょうか。もし、分かる範囲で結構ですが、お答えいただければ有り難いと思います。

局長:できる限り早くこれをまとめ、お示しをしたい

お答え申し上げます。

騒音の値につきましては、現在速報値をお示ししておりまして、その速報値について精査を加えているところでございます。できる限り早くこれをまとめまして、騒音影響についての効果がどうだったのかという点も含めまして、お示しをしたいと考えております。

小沢:3.45度、機長の皆さんからどのような意見や要望?

しっかりと効果が出ているかどうか検証していただいて、また私たちにもお示しをしていただけたら有り難いと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。


2月の試験飛行を踏まえて、今月4日、赤羽大臣がJALとANAの機長から意見聴取をされたと報じられておりますが、この3.45度という降下角について機長の皆さんからどのような意見や要望が出されたのか、大臣にお伺いしたいと思います。

赤羽一嘉 国交大臣
参議院「予算委員会(20年3月25日)」より
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、61歳)

大臣:安全性については全く問題がないという話でございました

この件は、今局長から御答弁ありましたように、平成26年からそういう提案があって、いろいろ議論があり、東京都等も含め、そうしたことになるということ、私、引継ぎ前からこういう方向性があったということで、現実、3月29日に実施をする時点での責任者でありますので、安全性というのはどうなのかというのは大変私自身も最重要の課題として認識をしておりました。


そうした意味で、様々、まあ何というか、今、危険だというような出版物も出ておりまして、そうしたことを読むと、私も専門家ではないので大変心配もしておりましたので、これやっぱり、実証の、実施飛行をした実際のパイロットの皆さんから直接の話を聞くということが1番大事だということで、3月4日、JALとANAの実際乗られたパイロットの方、またその部門の責任者の方も含めておいでいただきまして、直接のやり取りをさせていただいたところでございます。


その中で、降下角の引上げにつきましては、彼らが言うには、技術的には困難ではないと。特に、今回のことについて事前に国交省から周知がなされて十分に準備をしていたということで、安全性については全く問題がないという話でございました


ただ、夏場になりますと、これは高度の、高度計の特性上、温度が高くなると、より、ちょっとうまくは言えませんが、高いところに、まあ何というか、高度が上がると。ですから、必然的に、より、3.45度より、ややもすると、それよりも大きな角度で進入するという傾向になると。しかし、それでも、そうした場合もあるから、夏場は特に、1500フィートぐらいのところで3度に、何というか、修正して着陸をさせる、する運航方式をした方がより安定した進入が可能だということは御両名とも言われておりました。


加えて、こうした議論ですと、危ないとか、あおり立てるような話があって私も心配しておりましたが、言われて納得をしたんですが、今、その書かれた書物のときの機材の性能状況と現状は全く違っているというか改善されているということが1つと、あと、幾重にも安全装置が用意されていると。

何かトラブルがあったときにいきなりシビアなアクシデントになるんじゃなくて、このトラブルがあったときはこうする、措置をするとか、手順がしっかりしているので、素人の私たちが想像するよりも安全性というのは幾重にも担保されているといったお話を聞かせていただいて、私も素人ながらそれなりに納得をしたところでございます。


ただ、そのときに、専門家の方も同席をしていただいて、でき得ればパイロットの方たちと管制塔の管制官の皆さんの交流をした方がよりお互いの意思疎通ができるのではないかという提案がありまして、パイロットの皆さんもそうした機会があれば大変有り難いというお話があったことですとか、また、こうした運航上の留意点について、外国の航空会社のパイロットの皆さんにも、これ丁寧な説明を行う必要があるということを私は認識をしたところでございまして、そうしたことについて進めていかなければいけないと思っております。


運航方式を含む経路の設計自体については、この3月4日と、あと3月の2日にもいろいろな航空会社の皆さん来ていただいて説明会を何度か実施をしておりますが、基本的には、設計自体については安全性が確保されているというふうに認識をしておりますが、これ、引き続き、パイロットや専門家の御意見を聞きながら、この航空機の安全運航の確保に向けて不断の努力は重ねていかなければいけないと、こう考えておるところでございます。

小沢:1500ft付近で通常の3度に切り替える、機長の判断(を認める)?

今大臣お答えになられた中で、1500フィート付近で通常の3度に切り替えるという話がありましたが、これは機長の判断で、降下中に降下角度を3.45度から1500フィートぐらいで3.0度に切り替えるということは機長の判断でやっていいということ、これはお認めになられるのかどうなのか

あわせて、羽田空港を利用している海外の航空会社にもこのことを周知、適用されるのか、お伺いしたいと思います。

局長:3度に会合するという方式についても可能

降下角の3.45度への引上げにつきましては、航空会社の協力をいただいてシミュレーションによる安全性の検証を実施いたしました。その結果、3.45度のまま進入をするという方式に加えまして、3.45度を超える角度で一旦降りて、今先生がおっしゃっていたように3度に会合するという方式についても可能ということにさせていただいております。

この点につきましては、昨年7月に、追加対策の1つとして、この降下角の引上げを公表した際にもお示しをしているところでございます。


そして、降下角の引上げに伴う安全性の確保のためには、パイロットへの周知徹底を図ることが重要であります。このため、昨年以来、外国航空会社も含めまして、羽田空港に乗り入れる全ての航空会社を対象に説明会を開催し、3.45度を超える角度で進入した後、3度で着陸をする運航も可能であることなどについて説明を行ってきたところでございます。

小沢:少しでも住民の皆さんの不安払拭ができるように

今回の新ルートで、地域住民、飛行ルートの下にある地域住民の皆さんがこういった騒音や落下物に対する懸念が多く示されて、今でも示されているというふうに思います。丁寧な住民説明をしていただくと同時に、騒音や落下物への対策というものをしっかりやっていただいて、少しでも住民の皆さんの不安払拭ができるように最後お願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

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