日本を襲ったスーパー台風15号・19号は、各地に甚大な水害被害をもたらした。
これからのマンション選びでは、大震災を意識した地盤リスクだけでなく、水害リスクにも注意を払いたい。
住みたい街（駅）ランキング上位だからといって、必ずしも水害リスクが低いところばかりではない。
※台風15・19号による被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
想定浸水深の調査方法
SUUMOが7月に発表した「住みたい街(駅)ランキング2019 関西版」には、1位の「西宮北口駅（阪急神戸線）」から98位の「北花田駅（地下鉄御堂筋線）」が掲載されている。
そこで、上位98駅について、「洪水によって想定される浸水深」を調べてみた。
調べ方は、国交省が運営しているサイト、「重ねるハザードマップ」を利用した。
※詳細については、「マン点流！裏ワザ（水害リスクを簡単に調べる方法） | スムログ」参照。
想定浸水深の調査結果（人気98駅）
調査結果は、98駅のうち、「3m～5m」5駅、「0.5m～3m」13駅、「～0.5m」7駅となった。残りの73駅は「範囲外又は未整備」（洪水災害の範囲外またはデータ未整備）。
具体的な想定浸水深と駅名を以下に示す。
「3m～5m」5駅
- 2位：梅田駅（地下鉄御堂筋線）
「重ねるハザードマップ」（国交省）に筆者加筆 - 37位：中津駅（地下鉄御堂筋線）
- 41位：枚方市駅（京阪本線）
- 49位：加古川駅（JR山陽本線）
- 66位：宇治駅(京阪宇治線)
「0.5m～3m」13駅
- 12位：草津駅（JR東海道本線）
- 14位：嵐山駅（阪急嵐山線）
- 15位：大阪駅（JR東海道本線）
- 21位：尼崎駅（JR東海道本線）
- 22位：高槻市駅（阪急京都線）
- 23位：新大阪駅（地下鉄御堂筋線）
- 32位：和歌山駅（JR阪和線）
- 33位：福島駅（JR大阪環状線）
- 35位：京橋駅（京阪本線）
- 50位：天神橋筋六丁目駅（地下鉄谷町線）
- 60位：樟葉駅(京阪本線)
- 69位：十三駅(阪急京都線)
- 84位：東三国駅(地下鉄御堂筋線)
「～0.5m」7駅
- 53位：塚口駅(阪急神戸線)
- 58位：池田駅(阪急宝塚線)
- 64位：堺駅(南海本線)
- 82位：森ノ宮駅(JR大阪環状線)
- 88位：守山駅(JR東海道本線)
- 96位：桂川駅(JR東海道本線)
- 98位：北花田駅(地下鉄御堂筋線)
「範囲外又は未整備」73駅
- 西宮北口駅、神戸三宮駅、なんば駅、夙川駅、岡本駅、京都駅、天王寺駅、江坂駅、千里中央駅、宝塚駅、桂駅、神戸駅、芦屋川駅、御影駅、河原町駅、西宮駅、烏丸駅、明石駅、心斎橋駅、芦屋駅、豊中駅、高槻駅、本町駅、姫路駅、茨木市駅、生駒駅、六甲駅、吹田駅、箕面駅、南草津駅、烏丸御池駅、近鉄奈良駅、北山駅、茨木駅、伊丹駅、武庫之荘駅、長岡天神駅、学園前駅、桃山台駅、なかもず駅、緑地公園駅、大津駅、甲子園駅、祇園四条駅、大和西大寺駅、六甲道駅、西院駅、南森町駅、淀屋橋駅、山科駅、四条駅、北千里駅、三田駅、住吉［兵庫県］駅、二条駅、大久保駅、大和八木駅、出町柳駅、和歌山市駅、大阪上本町駅、西神中央駅、北大路駅、大宮駅、彦根駅、西明石駅、山田駅、谷町六丁目駅、王子公園駅、天満橋駅、三条駅、元町駅、天満駅、北浜駅
【補足メモ】「範囲外又は未整備」について
「範囲外又は未整備」とは、洪水災害の範囲外またはデータ未整備エリアであることを意味している。上記73駅は洪水災害の範囲外である可能性が高いが、最終的には各自治体のハザードマップで確認してほしい。
ちなみに、ハザードマップを公表済みの全国の1,340市町村（特別区を含む）のうち、「計画規模降雨に対応した洪水ハザードマップ」を整備している自治体は98％と高いが、「想定最大規模降雨に対応した洪水ハザードマップ」を整備している自治体は20％にとどまっている（次図）。
国土交通白書（令和元年版）「ハザードマップの整備状況」P251
最終的には各自治体のハザードマップで確認してほしい。
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