7月30日に「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会(第1回)」が開催され、いよいよ羽田新ルート20年3月29日運用開始が現実味を帯びてきた。
このまま国交省の目論見通りに進むのか……。
関係区市意見案が策定された経緯
東京都は7月30日、「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会(第1回)」の配布資料を公開した(次図)。
公開された資料で最も気になったのは、「羽田空港の機能強化に対する関係区市の意見概要(案)」(以下、「関係区市意見案」)だ。
8月上旬に開催が予定されている国の協議会(首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会)で、関係区市の意見として報告されこととなるからだ。
関係区市意見案は、今回の都の連絡会で突然出てきたわけではない。
まず、6月25日に開催された都連絡会(第18回幹事会)で関係区市の意見として国に伝えられ、その1か月後(7月23日)に開催された都連絡会(第19回幹事会)で国からの回答案が示されているのである。
住民の声が反映されていない 「関係区市意見案」
関係区市意見案は、A4判1枚(次図)。
情報提供や安全対策、騒音対策などの要望は、すべて羽田新ルート計画案の運用開始が前提の建て付けとなっている。
肝心の区議会や住民の声は反映されていない。
たとえば、品川区議会が羽田新ルートの再考を求めて19年3月26日に全会一致で決議した「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議」の内容がまったく反映されていないのである。
今後予想される展開
国の協議会も国交省のシナリオ通り進めば(マスメディアがこの問題を大きく取り上げなければ)、「住民の理解は得られた」ということで、国交大臣発表へと進み、増便ダイヤの編成を経て、来年3月29日から羽田新ルートの運用が開始されることとなる。
- 8月上旬:首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会(第5回)
- ?:国交大臣発表
- 9月頃:スロット割り当ての集中作業(航空局)
- 10月:公聴会
- 11月12日~15日:航空ダイヤ調整会議@オーストラリア・ブリスベーン
- 20年1月~:試験飛行
- 20年3月29日:羽田新ルートに係る新ダイヤ運用開始