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羽田新ルート|大井町の中古マンション価格下落!?

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する羽田新ルート計画。羽田新ルート周辺の多くの住民が落下物・墜落事故の危険リスクや騒音などの影響を受けることになる。

最近は、羽田新ルート問題が徐々に世間に認知されるようになってきたので、マンション価格への影響が出てきているのではないのか?


もくじ

飛行高度が低い品川区内の3駅(五反田、大崎、大井町)

最近は、羽田新ルート問題が徐々に世間に認知されるようになってきたので、マンション価格への影響が出てきているのではないのか?

飛行高度が東京タワーよりも低い300m上空を通過する品川区の大井町駅のCGを見ると、大きな機影に驚かされる(写真)。

大井町駅西側
大井町駅西側(約300m)YouTube

「南風時A滑走路到着ルート」と品川区内の3駅(五反田、大崎、大井町)との位置関係を次図に示す。飛行高度は五反田駅・大崎駅の上空では約450m。大井町駅の上空では約300mまで下降する。

飛行高度が低い品川3駅(五反田、大崎、大井町)
(国交省「FAQ冊子v5.1.1」P95に加筆)

大井町駅の中古マンションの取引価格が下落!?

「南風時A滑走路到着ルート」が通過する品川区内の3駅(五反田、大崎、大井町)が最寄り駅となる中古マンション取引価格の変化を調べてみよう。どうやって調べるのか?

じつは、国交省が運用している「土地総合情報システム」に、最寄り駅情報とともに四半期ごとの中古マンションの取引価格が掲載されている(次図)。

国交省が公開している「土地総合情報システム」


まずは取引件数を可視化(次図)。

品川区内の中古マンションの四半期ごとの取引件数は200件程度。そのうち3駅を最寄り駅とする中古マンションは約3割(50~60件程度)を占めていることが分かる。

中古マンション取引件数の推移(品川区)

 

次に、3駅を最寄り駅とする中古マンション(取引件数50~60件程度)の平均取引価格の推移を可視化したのが次図。

大崎駅と五反田駅の取引価格は変動が大きくてなんとも言えないが、飛行高度がより低い大井町駅の取引価格のほうはどうだろう。

まあ、築年数や駅徒歩時間、間取りや方位によって取引価格は違ってくるので、取引件数を勘案すると確定的なことは言えないが――、品川区平均が上昇傾向にあるのに対して、大井町駅の中古マンションの取引価格は17年第3四半期以降下落しているように見える。

中古マンション取引価格の推移(品川区)

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